適切な被毛管理① ~ワンちゃんをブラッシングに慣れさせよう~
ブラッシングはどんなワンちゃんにも必要です。抜け毛や汚れを取り去ることによってワンちゃんの体を清潔に保つことができます。また、皮膚を刺激して血行を良くしたり、被毛の根元を外気にふれさせることによって細菌の繁殖を防止することで、皮膚の炎症などの病気の予防にも効果的だと言われています。
その他にも、ブラッシングには飼い主とワンちゃんが触れあい、コミュニケーションを深める時間にもなるので、毎日定期的に行うと良いでしょう。
しかし、ブラッシングはブラシの種類が多くどれを使って良いのかわからないことや、ブラッシング自体を嫌がるワンちゃんも多く、上手に行うことが出来ない場合があります。そこで今回は、ブラシの種類とそれぞれの使用目的、ブラッシングを嫌がるワンちゃんへの慣らし方にについてご説明したいと思います。
ブラシには様々な種類があり、目的によって用途が異なります。また、ワンちゃんの毛の性質によっても使い分けることが必要なので、ご自分のワンちゃんにあったブラシを選ばないと毛が抜けすぎてしまったり、毛や皮膚までも傷めてしまう恐れがあります。さらに、ブラシを誤って使ってしまうことで、ワンちゃんがブラッシングを嫌がるようになってしまう可能性があります。
そこでまずはブラシの種類や使用目的を理解し、正しいブラッシングの使い方を知りましょう。
ワンちゃんがブラッシングを嫌がる原因には、 ブラッシングをされること自体が嫌い ブラッシングは平気だが、ブラッシングの間じっとしているのが嫌い などがあげられます。 そこで今回は、①のブラッシングをされることが嫌いなワンちゃんに、ブラッシングを慣れてもらう方法を紹介します。
「ブラシを見せる⇒ごほうび」
この手順を繰り返す行うことによって、ブラシが近づいてきても嫌がらないように徐々に慣らしていきます。Step1でのポイントは、急にワンちゃんの近くにブラシを近づけるのではなく、どこまで近づけることができるのかを確認してから、嫌がらず無理のない距離から慣らしていきます。
Step1でブラシを体の近くにまで近づけられるようになったら、
「ブラシを体に当てる⇒ごほうび」
の手順を繰り返し練習し、ブラシを体に当てること慣らしていきます。ブラシを体に当てる時間は、初めから長い時間は行わず短い時間から行いましょう。徐々にブラシを体に当てる時間を長くし、段階的に慣れさせましょう。はじめは、一瞬ブラシを当てることが出来たらごほうびをあげ、徐々に当てられる時間を長く伸ばしていきましょう。一瞬当てられることを嫌がらなくなったら、次は3秒、次は5秒、10秒と徐々に時間をのばしていきましょう。また、体のどの部分に当てても嫌がらないよう、さまざまな部分で繰り返し練習すると良いでしょう。
苦手なものに慣らすことは、無理せず、少しずつ練習していくことがポイントです。 5秒間ブラシを体に当て、嫌がるようでしたら、1秒間や3秒間に当てる時間を短くし、トレーニングのレベルを下げてあげましょう。
Step2でブラシを体に当てることに慣れて来たら、 「毛をとく⇒ごほうび」 の手順を繰り返す行うことによってブラッシングを行うことに慣らしていきましょう。 この手順もStep2と同様に、段階的に慣れさせることが必要です。はじめは少しでもブラッシングを嫌がらずに出来たらごほうびをあげます。はじめはワンちゃんが嫌がりにくい背中付近を行ったほうが嫌がることが少ないでしょう。また、ブラシを強く当てず徐々にブラッシングの時間を長く伸ばしていきましょう。
Step1からStep3:の手順を根気よく行えば、ブラッシングが嫌いなワンちゃんでも徐々にブラッシングを怖がらないようになるでしょう。
次回は、ワンちゃんが大人しく落ち着いてブラッシングできるようになる方法をご紹介したいと思います。
撮影協力
麻布大学 介在動物学研究室
太陽(たいよう):バーニーズ・マウンテンドッグ 1歳♂