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ペットとの生活

教えて! 獣医さん

ペットの飲水量について聞いてみよう
2011/08

暑い夏の間、「熱中症にならないように水分をたくさん摂りましょう」という言葉があちこちで聞かれましたよね。暑くて汗をたくさんかいてそのままにしていると、脱水症になって体調を崩すことはみなさんご存知だと思います。では、ペットの場合はどうでしょうか? ペットは人のように全身に汗をかくことはありませんが、それでも夏は水分をたくさん摂らなければいけないのでしょうか?

そもそも脱水というのはどういうことでしょうか?

動物の体は全体重の約70%が水で出来ています。
特に若い子猫や子犬はもっとその割合が多く、体の約80%が水で占められているといわれています。
体の水分は主に3つの役割があります。
ひとつは、その水分の中に体の成長や維持に必要な電解質やホルモン、タンパク質、酸素などを溶かして全身に運びます。
そして、その代わりに体にとって毒となる老廃物を体外に排泄するためにも働きます。
さらに、汗や呼気で水分を蒸散したり、暑い時には水を多めに飲んで血液を循環させておしっこをすることで体温調節を行うときにも水は非常に重要です。
ですから、もしその水分が何らかの理由で失われると、それらの働きすべてに支障が生じることになり、体水分の約10%が失われると死に至るといわれています。

どうして脱水症になってしまうのでしょうか?

体内の水分は健康な状態であっても、尿、糞、唾液、呼吸による肺からの蒸散によってどんどん失われていきますが、通常はそれを食べ物や飲み物などから摂取することによって補っています。
ですから、何らかの理由で水が飲めなかったり、食欲不振になってしまった場合は脱水症になってしまいます。
また、下痢や嘔吐、出血、体温上昇などで通常よりも水分が多く失われるときなどでも、動物はすぐに脱水症になってしまいます。

ペットが一日に飲む水の量はどのくらいですか?

A、 ペットが一日に必要とする水分量はいろいろな考え方や計算方法があり、
犬で 体重(㎏)の0.75乗×132(mℓ)
猫で 体重(㎏)の0.75乗×70(mℓ)
というのが獣医師会発行の資料による計算式ですが、もっと簡単に目安として
犬猫共に 体重(㎏)×30+70(mℓ)
という計算式もあります。
しかし、これは「一日に必要な量」であって「一日に飲む水の量」ではありません。
一日に水として飲む量は食べ物の分を引くためにもっと少なく、またその日の天候やフードの種類によっても大きく変化してきます。
たとえば、ドライフードには約7%しか水分が含まれていませんが、缶詰などのウェットフードには70%もの水分が含まれているため、ウェットフードを食べている時は当然水を飲む量は減ります。
ですから、大体の目安として、水として飲む量は
犬で40~60ml/㎏
猫で20~45ml/㎏
の範囲が正常であるといわれています。

ペットが脱水かどうかを知る目安はありますか?

動物病院で脱水が疑われた時には、血液検査をして血液中の水分量をはかることによってすぐにそれと知ることができます。
しかしもし自宅で脱水症が疑われた場合には次のことを試してみましょう。 
脱水を起こすと皮膚の弾力がなくなります。
ですから、背中の皮膚をつまんでみて、つまんだ形が元に戻るのに何秒もかかるようであれば脱水を起こしている可能性が高いです。
また、脱水の時には血行が悪くなり粘膜が乾いたようになるため、唇やまぶたをめくって歯ぐきや結膜の粘膜をみた時に白っぽく乾いた感じに見えます。

ペットに水分を摂らせるにはどうしたらいいですか?

ペットが脱水症にならないようにするには、常に水が自由に飲めるようにしておくことが非常に大切です。
家の中に数箇所水入れを設置し、中には常にきれいな水を入れて置くようにしましょう。
中には流れている水を好むペットもいますから、そのような子にはそのための装置を考えてあげてもいいでしょう。
もともと水をあまり飲まないペットの食事に3~5%の食塩を添加すると飲水量を増やすことが出来ますが、他の病気との兼ね合いもあるため、試す場合には必ず獣医師と相談してから行うようにしましょう。
最も簡単で効果的なのは、フードをドライからウェットフードに切り替えたり、ドライフードにスープをかけたりして食べ物として水分を摂らせるようにする方法です。

逆に水分を摂りすぎる目安というのはあるのでしょうか? 水分をたくさん摂る病気というものはあるのでしょうか?

一般に、犬猫共に体重1㎏につき100mlを越す飲水量は過剰であり、何らかの病気を示唆していると言われています。
飲水量の増える病気多飲多尿を示す病気には、糖尿病、腎性糖尿病、慢性腎不全、腎盂腎炎、子宮蓄膿症、高カルシウム血症、肝疾患、副腎皮質機能亢進症、低カリウム血症、副腎皮質機能低下症、甲状腺機能亢進症、医原性疾患、尿崩症、偽心因性多渇、中毒、などがあり、また現在投薬している薬剤によって増加する場合もあります。
飲水量が少なすぎても、多すぎてもなるべく早く動物病院で診てもらうようにしましょう。

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