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多頭飼育のしつけ

ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

第67回 多頭飼育のしつけ
2016/10
第67回 講師 岡本 雄太先生
岡本 雄太
岡本 雄太(おかもと ゆうた)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®宇都宮校
栃木県宇都宮市西原町3298-18
■ドッグトレーナー
麻布大学 動物人間関係学分野で博士号取得
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会理事
麻布大学:介在動物学研究室共同研究員
多頭飼育をする際に気を付けておきたいポイント

犬と暮らしていくうちにふと「もう一頭迎え入れようかな・・」と思ったり、犬好きな方は犬まみれの生活に憧れることもあるでしょう。実際に複数頭を飼育している飼い主の方の調査では、「一人きりだとかわいそう」、「複数頭の方が犬同士で遊べて運動不足解消になると思った」、「留守番の時、複数頭の方が気がまぎれる」などの飼育理由が挙げられています(一般社団法人ペットフード協会調べ、2015年10月)。飼い主さんたちの心境を考えると当然のことだと思いますが、複数頭の飼育にはメリットだけではなくデメリットもあります。今回は、多頭飼育をする際に、気をつけなければならないポイントをお話したいと思います。現在複数頭と暮らしている方、これから考えている飼い主の方のヒントになれば幸いです。

※30s未満は参考値 1頭だとペットが寂しがると思ったから ペット同士で遊ぶので、運動不足解消ができるから ペットだけで留守番時に相手がいるので寂しくないから 1頭のときよりもペットに癒されるから いつでもペットといたいから 亡くなったときでも、他のペットに慰められるから ペットロスを防ぐため 犬/猫の子供をもうけられるから 先に飼育していたペットがしつけをしてくれるから あてはまるものはない
TOTAL(n=344) 41.3 36.6 35.5 17.2 13.7 8.4 7.8 6.1 6.1 26.2
犬複数頭飼育者(n=157) 49.7 36.3 40.1 19.1 17.2 11.5 10.2 9.6 8.9 19.1
猫複数頭飼育者(n=202) 35.6 37.1 33.2 16.3 12.4 6.9 8.4 4.5 5.4 29.7
犬&猫複数頭飼育者(n=15) 53.3 40.0 53.3 26.7 33.3 20.0 40.0 20.0 26.7 0.0
多頭飼育をする前に

複数頭飼育する場合には、犬同士の相性(年齢、体格、性格、性別)や飼育環境、経済的負担など色々と配慮しなくてはいけないことが数多くあります。犬がもう1頭増えるということは、飼育スペース、飼育にかかる費用、世話をする時間などが倍になります。犬たちを迎え入れる余裕があるのか、自分のライフスタイルと照らし合わせて今一度振り返ってみましょう。準備をおこたることで人にも犬たちにも負担が増えてしまっては元も子もありません。少しでも問題があるのであれば、無理をして多頭飼育をする必要はないと思います。先住犬の幸せや、迎え入れる犬の幸せを考えるのであれば、多頭飼育を諦めることも大切な選択肢の一つだと思います。


①先住犬のことに関して
まず考えておきたいこととして、先住犬の健康状態や性格、年齢です。健康状態が悪かったり、老齢期に入っている場合は、新しく迎え入れる犬の存在がストレスになるリスクは高まります。今まで安心していた自分の家に知らない犬が入ってくるわけですから、健康状態が良くなかったり高齢な場合、新たに知らない犬と関係を築いていくためにはエネルギーを必要とするため、心身にかかる負担が倍増してしまうこともあります。新しい犬が良い刺激となって元気になるシニア犬も中にはいますが、日ごろ他の犬に対してどのような行動をするのか一度振り返ってみましょう。もし、新しい犬と対面させることが出来れば是非会わせてください。先住犬が性格的にも体力的にも他の犬を受け入れられることが出来るのかどうか判断することは重要です。

②犬同士の相性に関して
次に、先住犬と新しく迎え入れる犬の相性を考えましょう。犬同士の相性を考えるときのポイントとして、それぞれの犬の性別、体格、年齢を考慮すると良いと思います。

性別に関して、オス犬同士の組み合わせは、テリトリー(縄張り)争いマーキングなどオス同士の対立が起こりやすいため、トラブルのリスクは高くなりますし、パピーの頃から飼育するとしても、小さい頃は仲良く暮らせていても姓成熟を迎えることで対立することも考えられます。メス犬同士の組み合わせでも同様のことが考えられます。オス犬よりはリスクは低くなることも考えられますが、可能性は考えられます。オス犬とメス犬の組み合わせはトラブルが少ないことが言われていますが、発情期にはメス犬もオス犬も精神的にも身体的にも不安定になりますので、去勢や避妊の手術を検討する必要があります。妊娠させたくないのであればなおさら手術は必要になると思いますので、犬の年齢も考慮し手術のリスクも検討することが重要です。

他にも、体格の違いによって生じる問題も考えなくてはいけません。小型犬と大型犬の組み合わせなど極端な大きさの違いは犬同士の関係性を構築する上で体の大きい方が有利になりやすく、例えば、遊んでいるときに力加減がわからず小さいほうがケガをしてしまうリスクは高まりますし、最悪の場合オヤツの取り合いやオモチャの取り合いなどで命に係わるケガを負う場合もあります。

年齢的にも、シニア期とパピー期の組み合わせでは、体力的にもシニア期の犬にはパピーの運動量を引き受けることは負担になりますし、パピー同士の組み合わせでは、特にトイレのしつけやお散歩など何かとまだまだ手がかかる時期なので、世話に係る時間も増えて飼い主の方の負担は倍増します。

色々とお話をしていく中で多頭飼育のリスクは高いと感じる方もいると思いますが、しっかりとこれらのポイントを考慮した飼育環境が整えることが出来るのであれば多頭飼育のメリットも沢山あります。もともと群れで生活をしていた動物でもあるので、犬同士のコミュニケーションなど今までは見られなかった仕草や犬の魅力に気づくことも出来るでしょう。留守番の時なども複数頭居ることで落ち着いていられるようになることもあります。

しかし、一番重要なことは、飼い主がしっかりと責任をもって犬のことを考えてあげることが重要だと思います。多頭飼育でも単頭飼育でもそれは同じことで、犬の動物としての特性をしっかり理解し、家族に迎え入れる犬たちと一緒に楽しく生活するためには何が必要なのか今一度考えることが大切です。

私も犬を飼っていますが、愛犬とお互い楽しく生活するためにはどうしたら良いのか考えながら日々暮らしています。最近では、人に危害を加えてしまった犬のニュースも取り上げられますが、犬は動物なので人社会のルールを自分で考えることは難しいことです。飼い主のサポートが必要で、犬たちをサポートするためには犬をしっかりと理解することが重要です。
犬たちとの楽しい生活のために “犬のしつけ” とは何なのか?ということを考えるきっかけになれれば幸いです。
下記にも一部トレーニングの活用方法をご紹介しますのでご参考ください。

ハウストレーニングを活用してみよう!

先住犬にしても新しく迎え入れる犬にしても、それぞれが安心できるスペースを作れる環境が提供できるかどうか一度ご検討ください。先住犬からすれば自分の安心できる部屋に知らない犬が侵入してくると考えるでしょう。新しく迎え入れる犬にしてみれば、新しい環境に馴れていないのに知らない人や犬がいては平常心を保つことはできません。安心してご飯が食べられる、休息することが出来る場所がなくては心身ともに健全な状態を保つことは難しくなります。そんなときに活用していただきたい項目に「ハウストレーニング」があります。

実際に複数頭と一緒に生活をしている飼い主の方にお話を聞くと、ご飯の時に先に食べ終わった方が、食べ終わっていない方のフードを横取りしたり、フードの取り合いになってケンカしてしまったなどお聞きします。「ハウストレーニング」を覚えていることで、健康管理や犬同士の関係性を悪化させることなく、個々でゆっくり食事ができる環境作りが可能となります。

過去の記事でもトレーニング方法は紹介しているので下記をご参照ください。

第1回  ここぞ!! で使えるハウスのトレーニング
第58回 上手なお留守番ができるようになろう
第65回 子犬の接し方①~ハウスのトレーニング~

ここがポイント!

上記の過去記事「ハウストレーニング」の内容にもありますが、ハウスやケージの中に入ることに対して抵抗なくすんなり入ることが出来るのであれば、そのトレーニングにプラスして、朝ごはんや夕ご飯をハウスやサークルの中で食べる習慣をつけてみましょう。方法は簡単で、犬たちの食器にご飯の準備ができたらハウスやサークルに移動して食器を置くだけ。ハウスの言葉を理解しているのであれば、準備している時や移動している最中に「ハウス」の掛け声をかけても良いと思います。我が家の愛犬は、私がご飯の準備を始めると(食器にドライフードを入れるときのカラカラ音が鳴ると)一目散にケージの中へ走り、今か今かと待っています。

ハウスを安心できるスペースとして認識している犬が、ハウスの中でご飯を食べる習慣がつくと、犬は次第に、飼い主さんがご飯の準備をするとハウスに持ってきてくれることを予測できるようになります(餌の準備を始める=ハウスの中に食器を置く)。このように、少し工夫してハウストレーニングを応用することで、個々の犬が自発的に自分のハウスで待つようになるので、健康管理や余計なケンカなど回避することが出来るため犬にも人にも安心で簡単な管理が可能になります。

犬との関係づくりに遊びは重要!

犬の運動不足やストレス発散には、狩猟欲求を満たしてあげることが重要です。犬は欲求を満たしてくれる人が大好きです。犬との遊びでオモチャを使うことにより、追いかけたり、噛みついたりなど狩猟欲求を効率よく発散させることも出来るので、犬との関係性も深められるため遊びは重要です。

前述した調査結果にもありましたが、複数頭で飼育すると犬同士で遊ぶから運動不足を解消できるのではないかと考えることもあると思います。犬同士の相性がよほど合えば、最初から上手に犬同士で遊ぶかもしれませんが可能性としては低いと思います。犬は自分の財産を守りたくなる習性をもっています。それぞれの犬の性格や、犬の習性を考えるとオモチャの取り合いになったりケンカのリスクの方が高まるのではないでしょうか。

犬同士の関係性も重要ですが、まずは、先住犬に対して、新しく迎える犬に対してもそれぞれに飼い主さんと1対1で関係を深める時間が必要だと思います。先住犬からすれば飼い主さんと遊ぶことを邪魔されて良い気分になる犬はいないと思いますし、迎え入れた犬は馴れていない環境では不安もあると思います。リラックスした状態で飼い主さんと1対1で向かい合える環境作りを心掛けてあげましょう。

例えば、お散歩に行くときに時間はかかりますが1頭ずつ行く日を作ってあげることで、じっくりコミュニケーションを取ることが出来ると思います。2頭同時にお散歩に行った時でも、1頭と遊んでいるときには、リードを繋げられるところで大好きなオヤツを詰めたオモチャを与えて気を紛らわせてあげることも出来ると思います。また、雨などでお散歩できない時など、室内で遊ぶときは、上記の「ハウストレーニング」を上手に活用してみましょう。ハウスやサークルの中に大好きなオヤツが詰まったオモチャを数個入れてあげて、夢中になっている間にもう1頭とトレーニングしたり遊んだりしてみてはいかがでしょうか。

頑丈な場所にリードを繋げてもう一方の犬と遊んだり、ハウスに入れて我慢させて待たせることも出来ますが、オヤツが詰められるオモチャやハウストレーニングを上手に活用して、徐々にステップアップできるような方法を考えてあげることで無理なくかつ効率よくルールを教えることも可能だと思います。今回はハウストレーニングの活用方法をご紹介しましたが、犬の習性などを人が十分に理解しトレーニングを通して犬に伝えることが出来れば、工夫次第でより良い犬との生活環境が作れると思います。皆さんも愛犬と相談しながらチャレンジしてみてください!

犬との遊び方に関しては、下記の記事をご参照ください。

第16回 魅力的な遊びを実践!①~おもちゃの管理を心がけよう!~
第17回 魅力的な遊びを実践!②~ワンちゃんとの楽しい遊び方~

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