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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

第69回 ペットとドライブ
2016/12
第69回 講師 岡本 雄太先生
岡本 雄太
岡本 雄太(おかもと ゆうた)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®宇都宮校
栃木県宇都宮市西原町3298-18
■ドッグトレーナー
麻布大学 動物人間関係学分野で博士号取得
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会理事
麻布大学:介在動物学研究室共同研究員
ペットとドライブ

犬との暮らしの中で動物病院やトリミングサロンへ連れていくときなど犬を車に乗せて移動することがあると思います。他にも、家から少し離れたドッグランなどが併設された公園へ行くときや一緒に旅行をするときなども、車に乗せて移動することは何かと便利なので車を利用する飼い主さんは多いと思います。今回は日常生活においても利用することが多い車に関して、ペットとのドライブで知っておきたい重要なポイント注意事項などご紹介いたします。

年末年始のこの時期では、犬と一緒に帰省したり、犬との旅行を楽しむ計画を立てている飼い主さんも多いのではないでしょうか。

下記のアンケート調査からもわかるように旅行などでは車を利用する飼い主の方が多いことがわかりますが、皆様が愛犬との楽しいドライブが満喫できるように何かお役に立てられれば幸いです。

移動手段 (複数回答) 人数(人) 割合(%)
車(マイカー) 2,321 98.2
新幹線、電車 236 10
飛行機 114 4.8
バス 46 1.9
その他 40 1.7

※アニコムホールディングス株式会社Webサイト参照

ペットとドライブする前のチェックポイント!

愛犬の車に対する反応を良く観察してください。車に乗ること自体が初めてで怖がっていたり不安な様子はありませんか?特に子犬の頃は人社会での経験値が不足しているため車のエンジンの音だったり、車自体に不安を感じる子もいると思います。車自体を怖がっている犬に対して、いきなり乗車させること自体が負担になることもあります。

犬と一緒に車に近づいた時、乗った時の反応を良く観察しましょう。尻込みしている、リードを引っ張っても車に近づかないなど不安がる様子であればまずは、車に馴れるところから練習を始めなければいけません。車に乗車する初体験が恐怖体験からスタートしてしまうと、後のトレーニングにも影響しますので最初は肝心です。

車を怖がってしまう以外にも、車に乗っていて興奮する犬、外に向かって吠え続けてしまったり、運転の妨げになっている行動はありませんか?犬を車に乗せる方法に関しても、犬も人も安全に車での移動ができる環境を整えないといけません。意外と知らないことかもしれませんが、道路交通法に違反してしまう犬の車の乗せ方があるのはご存知でしょうか?運転の邪魔になる犬の乗せ方をしていると道路交通違反でつかまってしまうこともあります。

犬も人と同様に車に酔ってしまう動物です。犬の体の具合を観察することも重要です。犬が絶えずよだれがでている、ソワソワしている、呼吸は荒くなっていないですか?犬の体調を管理する上でも車内の温度調整や空気の流れなど換気状態を調整することは重要です。

①車に馴れさせる
車での移動に際して犬に負担をかけないためにも、まずは、車自体に馴らすことを練習しましょう。
車自体を怖いもの、車内が不安になる場所と理解していると、過剰な興奮や不安な心理状態のまま移動先に到着することになります。

移動先が動物病院であったり、トリミングサロンなど注射やシャンプーなどが苦手な犬にとっては弱り目に祟り目、さらに不安は倍増し動物病院やトリミングサロンをますます嫌いになってしまう可能性もあります。

また、楽しい公園などの場所でも、興奮した状態で到着することで他の犬をみたらさらに興奮が増し、ドアを開けた瞬間飛び出してケンカになったり思わぬ事故を起こしてしまうリスクも伴います。
まずは、エンジン音や車を走らせた時の犬の様子などをチェックして、興奮するようなら落ち着かせる練習、怖がっているようなら馴れさせる練習が必要になります。
②安全運転のために
犬と車で移動するときに、どのような状態で乗せていますか?犬は自由ですか?膝の上で抱っこしていませんか?ケージに入れて乗せていますか?

実は犬の車の乗せ方を間違えると道路交通法違反になってしまうこともあるのはご存知でしょうか。
意外と知らない道路交通法ですが、犬を運転手の膝の上に乗せて運転したり、車の窓から犬が顔を出して運転している状況の時には、「乗車積載方法違反(道路交通法 第 55 条)や安全運転義務違反(道路交通法 第 70 条)」という違反が適用されることがあります。

この道交法は、車を安全に運転することに支障をきたすような状況で車を運転していると違反となるわけで、膝の上に犬を載せていればハンドル操作や視界を遮ったりして危険ですし、窓から顔を出している犬が何かの拍子に飛び出しそうになった時に犬に意識が向くことで安全に車の運転が出来ないと判断されるわけです。

他にも、犬を車の中で自由に乗せていて急ブレーキをしたときにフロントガラスにたたきつけられて頭を骨折した犬の事故の話も聞いたことがありますし、車をとめてドアを開けたときにいきなり犬が飛び出して車に轢かれてしまった事故もあります。小型犬などは運転席の下に潜り込むことも出来るので、アクセルとブレーキが操作できずに事故を起こしてしまうことも考えられます。人も犬も安全にドライブを楽しむためには、適切な方法で適切な場所に犬を載せることが重要に なります。
③車内の環境に関して
次に、車内の環境に関して注意したいポイントがあります。
犬も人と同様に車酔いになってしまう子も居ます。
犬の呼吸が荒くなったり、涎をたらしていたり、ソワソワしていたりする場合は、車に酔っているときにみられる特徴で、気分が悪くなっている状態です。

車内の温度調整や外の空気をいれて換気調整をすることで車酔いを紛らわすことも出来るかもしれませんが、どうしても車に酔いやすい子もいるので動物病院で酔い止めの薬を処方してもらうように獣医師と相談することをお勧めします。
また、この寒い時期でも車に直射日光があたれば車内の温度は高温になりますので、長時間の放置は犬の脱水症状を引き起こし命に係わることになりかねません。寒い季節といえども車内放置は危険が伴います。

ペットとのドライブに関して、気を付けたいポイントがいくつかありましたが、快適に犬とドライブを楽しむためには、

①犬がリラックスして車に乗れる
②安全な場所に犬を載せる
③犬の体調を考慮した環境作り

が必要になります。下記に犬と一緒に車に乗る練習方法をご紹介しますのでご参照ください。
犬と車で移動できるようになると、犬と楽しめる色々な施設に遊びに行けるようになります。新たな犬との楽しみ方が発見できるかもしれません、愛犬の新たな一面が見られるはず!せっかく犬と一緒に暮らしているのですから、もっといろいろなことにチャレンジしてみましょう!
車に馴れさせたらハウストレーニングを活用してみよう!

最初はエンジンをかけないまま犬を車に乗せてみましょう。車の中でオヤツを与えても良いと思います。
車は怖いものではない事、怖い場所ではないことを学習させます。お家の中でいつもやっている座れや伏せなどのコマンドをかけても良いと思います。
いつもと変わらない様子で、特に不安や怖がったりしている様子が無いようであれば、エンジンをかけてみてください。怖がるようであれば、エンジンをかけた車から少し離れた場所でオヤツを与えたり、遊んであげることで怖いものへの意識を逸らしてあげましょう。エンジンがかかっている車は自分にとって何も害を及ぼさないことが理解できると、車にもスムーズに乗ることが出来ると思います。

車に馴れたら、ハウストレーニングを活用してみましょう。車に対する警戒心など無く、いつもと変わらない様子であれば、今度は車の中にケージを設置して中に入れてみましょう。ハウストレーニングが完成している状態でケージの中を安心できる環境として認識していて、車に対する警戒心が無いようであればゆっくり落ち着いて休むことが出来ると思います。

ケージの中でゆっくり休めるようであれば、今度は少しずつ車を走らせていきましょう。急発進、急ハンドル、急停止はケージの中で休んでいる犬にとって態勢も崩しやすいので注意が必要です。まずは車で5分などの短距離から始めて、徐々に距離を伸ばしていきましょう。

過去の記事でもトレーニング方法は紹介しているので下記をご参照ください。

第 1 回 ここぞ!! で使えるハウスのトレーニング
第 58 回 上手なお留守番ができるようになろう
第 65 回 子犬の接し方①~ハウスのトレーニング~

最後に車の中でケージを置く場所に関して、犬の安全性、外にいる人や犬などの刺激を気にしないでゆったりできるスペース、空調や換気調整がしやすい場所を作ろうと考えると、後部座席もしくは後部座席の足元が一番理にかなっていると思います。不慮の事故が起きても写真のようにシートベルトなどで固定しておけば重大なケガに繋がるリスクを低くすることはできます。

また、タオルなどで目隠しをしてあげることで外の刺激をシャットダウン出来るのでケージを覆うことも効果的だと思います。大型犬の場合は後部座席にスペースを作ることが難しく、トランク部分にケージを設置するようになると思いますが、その場合には、空調や換気調整に関して熱がこもったりしやすい場所なので注意が必要です。

ここがポイント!

犬は、特に、空腹時、満腹時に車に乗ると酔いやすく、吐き戻してしまう可能性が高くなります。
犬は食事をしてから 2 時間程度で胃袋から小腸などへ食べ物が移動すると言われています。
個体差や食べ物の種類によ っても様々ですが食事直後のトレーニングは避けましょう。食後は胃袋が蠕動運動をして食べ物を液状化しようと消化活動をしているので、激しい運動などで胃捻転を引き起こすこともあります。食事後 1 時間以上は経過してから車に乗せると比較的空腹でもなく満腹でもない状態になっているので車酔いを徐々に克服させるためには良いと思います。

外の刺激に対して過剰に反応してしまう犬に関しては、刺激を出来る限り与えないようにすることが重要です。ハウストレーニングでしっかりとケージの中で落ち着くことが出来るようになってから、車に乗せる練習をすることで、刺激に過剰に反応せずにおとなしくケージの中で休めるようになります。どうしても興奮が収まらない場合には、満腹にならない程度のオヤツをオヤツが詰めることのできるオモチャに入れて、クレートの中で与えることで落ち着かせることも練習次第では可能になります。

移動先では犬にとって楽しいことをしてあげよう!

犬は欲求を満たしてくれる人が大好きです。
特に狩猟欲求を満たしてあげることで犬の運動不足やストレスを発散させることが可能で、犬との遊びでオモチャを使うことにより、追いかけたり、噛みついたりなど狩猟欲求を効率よく発散させることも出来るので、犬との関係性も深められるため遊びは重要です。
犬を車好きにさせるためには、車で出かけた先で楽しい思いを体験することがポイントになります。

日常生活の中で、お散歩に行く前に飼い主さんがリードを準備したり、お散歩行くよーなどの声掛けをすると、特に教えてもいないのに自分でリードを持ってきたりしてテンションが上がる犬たちもいるのではないでしょうか。
これは大好きな散歩と散歩に行くときに必ず装着するリードが、「リード」=「大好きな散歩」という関連性を犬が覚えているために起こります。

このリードの部分を車に置き換えて、例えば、「車」=「楽しい公園」などと関連付けてあげることで車に乗ることが好きになっていきます。
ただし、逆に車に乗って怖い思いをしたとか痛い思いをした経験を繰り返してしまうと、車に乗ること自体が嫌いになってしまうので、嫌なことを経験してしまった時には楽しい場所へ車で出かけることをお薦めします。
最近では犬と一緒に楽しめる施設もどんどん増えてきているので、犬と一緒のドライブ旅行を是非計画してみてはいかがでしょうか! 犬との遊び方に関しては、下記の記事をご参照ください。

第 16 回 魅力的な遊びを実践!①~おもちゃの管理を心がけよう!~
第 17 回 魅力的な遊びを実践!②~ワンちゃんとの楽しい遊び方~

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