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ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

第71回 成犬からのトレーニング
2017/02
第71回 講師 岡本 雄太先生
岡本 雄太先生
岡本 雄太(おかもと ゆうた)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®宇都宮校
栃木県宇都宮市西原町3298-18
■ドッグトレーナー
麻布大学 動物人間関係学分野で博士号取得
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会理事
麻布大学:介在動物学研究室共同研究員

皆さんの愛犬たちはどれぐらいの言葉を知っていますか?写真の犬はチェイサーというボーダーコリーですが、実は1,000を超える単語を理解している犬として世界記録を持っています。チェイサーの飼い主の心理学者ピリー博士は、チェイサーに言葉を教えるときに「遊び」を通して教えていたそうです。特に、牧羊犬として改良されたボーダーコリーは、「追いかける」「取ってくる」「集める」といった行動が大好きです。チェイサーはピリー博士からボール取ってきてなどの遊びを通して、オモチャに価値を見出しそのオモチャに付随する固有名詞や動詞、形容詞も覚えていて、「フリスビーのところへ、ボールを、持っていく」などの3単語からなる文章の意味も理解できるそうです。

このように、犬に何かを教えるためには、犬の大好きなことを把握している必要があります。ただし、大好きなオヤツをもっているからといって最初から言葉を理解してコミュニケーションが取れる犬はいません。今回は、犬にも人にもわかりやすくコミュニケーションを深められるポイントをご紹介!どのようにすれば犬にこちらの意図を伝えられるのか、トレーニングを通して少しずつ犬とコミュニケーションが取れるように練習しましょう。トレーニングは何歳からでも始められます!トレーニングを通して愛犬たちとのコミュニケーションを深めてみてください!

トレーニングをする前のチェックポイント!
①犬の好きな物って何?
犬はもともと狩猟をしていた動物です。毎回獲物を仕留められるわけではないので、食べられるときに限界まで食べる(食いだめ)習性をもっています。なので、オヤツやご飯は大好きでいつでも食べる準備は出来ています。また、追いかけたり、噛みついたり、引っ張ったりする動作は狩猟しているときの動作と一緒なので、オモチャを獲物に見立てて遊ぶことは大好きです。犬の犬種や性格によっても好きなものは違うので、色々な食べ物や物を試してみることがポイント!愛犬の大好きなものをまずは調査してみましょう!

前回の記事でもご紹介しているのでご参照ください。 「第70回 オヤツを使った上手なしつけ方」

②手についてくる練習をしてみましょう
大好きなオヤツを見つけたら、犬とのコミュニケーションをとるための基本を練習。犬同士のコミュニケーション方法はボディランゲージが主流です。自分の体の動きなどを変化させて声なども交えて他個体とコミュニケーションを取ります。人もそうですが、言葉がわからない外国の人たちにジェスチャーを使えば、ご飯を食べたいとか飲み物飲みたいくらいは伝えられると思います。まずは、言葉が通じ合わないもの同士、動作を通じてお互いのコミュニーションが取れるように練習する事が必要です。

そこで、今後のトレーニングにもとても役に立つ「ハンドサイン」を練習してみましょう!人の手の動きに合わせて行動を変化させるとご褒美がもらえることが理解できると色々なことが出来るようになります。「座れ」、「伏せ」、「待て」などはこの方法で覚えることが出来るので是非チャレンジ!過去の記事にも紹介しているので参考にしてください。

第30回 ワンちゃんと楽しむトリック〜スピンを教えてみよう〜
第44回 基本的なコマンドの理解度をチェックしてみよう!
言葉を教えてみよう!

ハンドサインが理解できるようになったらハンドサインと言葉のサインを結び付けていきましょう。まずは、「座れ」、「伏せ」、「待て」を言葉で出来るように練習してみてください。犬はトレーニングをしていく中で、飼い主さんの特定の言葉にきちんと反応すれば大好きなものをくれることを学習します。この作業を繰り返し練習すると、飼い主さんと一緒に何かすることが楽しくなってくるため飼い主さんへの期待感が高まります。犬のトレーニングをする時には、人との作業を楽しめるイメージを持たせることがポイントです。トレーニングの段階で楽しくなければ、普 段の生活の中で「座れ」をさせようとしてもなかなか言うことを聞いてくれません。まずは、座れ(他のサインも含め)は楽しいこととして犬にイメージさせておくことが重要です。

①ハンドサインで「座れ」を覚えているワンちゃんは、ハンドサインの前に言葉のサインを出してください。
②言葉のサインとハンドサインを出す時間の間隔を伸ばしていきます。座れ⇒1秒待つ⇒ハンドサインを出す のように間隔を開けていき、座ることが出来たらオヤツをあげましょう。練習するうちに、言葉の後にはハンドサインがくることを予測するようになるので、ハンドサインを出す前に言葉のサインで座るようになっていきます。言葉のサインで座るようになってきたらそこが褒めるタイミング!
③言葉のサインで出来るようになってきたら、ハンドサインは言葉のサインで出来なかったときにヒントとして出してあげましょう。練習を重ねるうちに言葉のサインだけで出来るようになるので、ハンドサインを出さなくても良くなります。
過去の記事を参考にしてください。
第5回 ワンちゃんとのコミュニケーションを深めるために言葉を正確に理解してもらう方法!

ここがポイント!

トレーニングの時に与えるオヤツですが、毎回同じものが続くと飽きやすいこともあります。なので、普段から5種類くらいは犬の好きなものを把握しておいて、トレーニングの時にはその中の3種類くらいを選んで、ローテーションしてみてください。トレーニングの途中に飽きそうになったら違う種類のオヤツを出したりして、犬のモチベーション(ヤル気)を維持できるように工夫します。トレーニングは楽しく終わりたいので、犬のモチベーションが落ちる前に気持ちを切り替えてあげるか、または、止めてしまっても良いと思います。犬も生き物なので、その日その日でコンディションは違います。やる気のない時にトレーニングしてもダラダラして終わってしまうので、犬のモチベーションを見極めることもトレーニングには重要です!

遊びの中で教えた言葉を使ってみよう!

冒頭でもお伝えしましたが、ボーダーコリーのチェイサーが遊びを通して1000以上の単語を覚えました。遊びの中には、犬の大好きな狩猟欲求を満たしてくれる動作が一杯です。この狩猟欲求を満たすことは犬にとって大好きなことで、飼い主さんがこの欲求を満たしてくれるとなるとさらに飼い主さんへの期待感は高まります。やり方は簡単で、普段のボール投げや引っ張りっこの遊びの中に覚えたサインを使って、遊びのリズムを変化させます。例えば、ただボールを投げるだけではなく、“待て”をかけてから取りにいかせたり、“伏せ待て”をかけてから犬の目の前にボールを落として足でボールを蹴るふりをしていきなり蹴ってみたり、緩急をつけて獲物を捕らえさせる動作を作ってあげます。

他にも、引っ張りっこの遊びなどで、ひも付きボールなどを追わせて遊ばせますが、獲物を追っている感覚を体感させるために、足元をくぐらせるスルーや、ジャンプさせたり足を障害物にしてボールを追わせた後に、投げて取りに行かせたり、“待て”をかけて犬から離れたところで呼んで走ってくる勢いを利用して足を出してジャンプさせてボールを取らせたり、教えたことを工夫して遊びに取り入れることで、言葉のサインは遊びの楽しいことと結びつき、また、狩猟体験を演出してくれて欲求を満たしてくれる飼い主さんを大好きになっていきます。

このように、犬のトレーニングをする時には、まず、STEP1のような基本的なトレーニングを通して、人とのコミュニケーションスキルや人への期待感を増加させていきます。さらに、STEP2のトレーニングを通して犬の期待感をあげることが出来るようになれば、より高度なトレーニングが出来るようになります。STEP1のトレーニングで、人の言葉を理解する過程を学習し、STEP2のトレーニングで期待感をさらに上げることが出来れば、愛犬の潜在能力をもっと引き出すことが出来るようになります。犬とのコミュニケーションを深めるトレーニングでワンランク上の飼い主さん目指してチャレンジしてみてください!
スルーやジャンプなどのトレーニングに関しては、過去の記事でも紹介しているので下記をご参照ください。

第11回 愛犬と楽しむトリック「スルー」を練習してみよう!
第14回 愛犬との遊びがもっと楽しくなる「ホップ」

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