ミニチュア・シュナウザーの歴史
ミニチュア・シュナウザーには、その元となるスタンダード・シュナウザーという犬種がいます。スタンダード・シュナウザーはドイツの中型犬で、14世紀頃に農場や牧場で牧羊犬や番犬として働いていました。
当時はワイアーヘアード・ピンシャーと呼ばれていましたが、その後改良を重ね19世紀にはドッグショーにも出場するようになり、ドイツ語で口ひげを意味するシュナウザーをつけてスタンダード・シュナウザーという名前になりました。
スタンダード・シュナウザーは非常に賢く優秀な犬で、警察犬や軍用犬としても活躍しましたが、それを小型化してネズミなどの小動物を駆除する犬を作出するためにアーフェン・ピンシャーやプードル、ミニチュア・ピンシャーなどを掛け合わせて改良が行われ、19世紀末にミニチュア・シュナウザーが作られました。
その後ドイツからアメリカに渡り、さらに改良が行われ今の姿に落ち着き、世界中で人気の家庭犬となりました。日本には戦後すぐにやってきましたが、その当時はミニチュア・シュナウザー特有のトリミングができる人がいなかったため流行ることはなく、多くの人に飼われるようになったのは1960年以降のことになります。
ミニチュア・シュナウザーのサイズ
サイズはオス、メスで差はなく体高30~35cm、体重4~8kgを標準としています。
横から見たときはほぼ正方形で、均整のとれた筋肉質の体型をしています。
狩りなどの使役目的で飼われていたときは断耳、断尾を行ってきましたが、最近では動物愛護の観点から、断耳はほとんど行われていません。ちなみにスタンダード・シュナウザーは体高45~50cm、体重14~20kgもあり、さらに大きなジャイアント・シュナウザーという犬種もいます。
ミニチュア・シュナウザーの被毛と毛色
被毛は柔らかくて密な下毛とワイヤーコートの上毛のダブルコートで、抜け毛はあまり多くありませんが、独特の外観を維持するためには定期的なトリミングが欠かせません。
毛色はブラック(上毛下毛ともに黒)、ソルト&ペッパー(シルバー)、ブラック&シルバー、ホワイト(上毛下毛ともに白)の4色ですが、日本ではソルト&ペッパーが多いようです。
硬い上毛とはっきりした毛色を維持するためには、ストリッピングと呼ばれるむだ毛を引き抜くトリミング法が行われますが、これは非常に時間がかかるため、家庭犬では通常バリカンで刈って短くする方法(クリッピング)が行われています。
ミニチュア・シュナウザーの特長
とても賢く、好奇心旺盛で活発に行動しますが、長時間の散歩を必要とするというほどではありません。遊びがヒートアップすると興奮しすぎることもありますが、通常は穏やかで家族の言うことはよく聞きます。
人の感情を読み取る能力に長けているため、空気を読んで行動する知恵もあります。番犬として飼われていた歴史があるので、知らない人や物にはやや神経質になることもありますが、無駄吠えや他者に対する攻撃はいけないことであるということを子犬のころからきちんと躾けることが出来れば問題ありません。
ミニチュア・シュナウザーの食事
活発で運動量も多く、全身が筋肉質なので、良質のタンパク質がしっかり摂れるフードを選ぶようにしましょう。ただ、欲しがるままに与えていると肥満になりやすいので、体形を常にチェックしながら食事量をコントロールしましょう。
またミニチュア・シュナウザーの特徴でもある口ひげは食事のたびに水分やフードがついて汚れるので、食後はウェットティッシュなどできれいにしてあげましょう。
まとめ
ミニチュア・シュナウザーは家族を大切にして子どもとも仲良くできることから“最良の家庭犬”と言われています。日々の被毛のお手入れはやや大変な部分もありますが、飼いやすさという点では、初めて犬を飼うという人にもお勧めできる犬種です。