メインクーンの歴史
メインクーンの名前は、アメリカ、ニューイングランド地方のメイン州に由来しています。クーンとはアライグマ(lacoon)のことで、アライグマと猫の混血と思われていたこともあるようです。しかし実際にはそのようなことはあり得ないため、おそらくヨーロッパから連れてこられた長毛種の猫(アンゴラ種もしくはペルシャ種)とアメリカ土着の猫との混血だろうと言われています。 ヨーロッパから連れてこられた猫については諸説あり、11世紀にバイキングが船に乗せていたネズミ取りの猫とか、フランス革命時にマリーアントワネットがアメリカに逃がそうとしていた愛猫とか、ロシアの船長が連れていた猫、などの説がありますが、はっきりとしたことはわかっていません。寒い地方の農場でネズミなどから作物を守るための猫として長く飼われていく間に、大型でがっしりとした体格、雪や寒さから身を守るための分厚い被毛などが発達していきました。
品種としては1890年頃から知られ始め、1895年にはニューヨークで行われたキャットショーでベストキャットにも選ばれました。その後一時人気は下火になりましたが、1968年にメインクーンの専門クラブが設立され、1976年にはチャンピオンとなり、1985年にCFA(Cat Fanciers’ Association)に認定、今では世界中で人気の品種となっています。
メインクーンの体格とサイズ
体格はロング&サブスタンシャルタイプと言って全体に筋肉質で骨太なタイプです。成長はとてもゆっくりで3歳になるまで体が大きくなり続け、成猫の標準は体長が約1メートル、しっぽの長さは胴の長さと同じくらいあります。現在「世界で最も長い猫」としてギネスに認定されている猫はイタリアに住むメインクーンで、その長さは120㎝もあるそうです。体重はオスで6~8㎏、メスで4~6㎏くらいと言われていますが、中には10㎏を超える子もいるようです。
メインクーンの毛色
メインクーンの被毛の特長は何と言っても柔らかく密生したダブルコートです。水をはじき、寒さにも耐えることができるようなっており、首回りから胸にかけてたてがみのような長い飾り毛があります。肉球の間にも長い毛が生えており、雪などから指先を守るようになっています。
よく知られている柄はブラウンタビー(茶色の縞模様)ですが、その他にもさまざまな毛色が存在します。 色はブラウンのほかにもブラック、ホワイト、レッド、ブルー、クリームがあります。また、パターンはタビー(縞模様)、ソリッド(単色)、タビー&ホワイト、スモークシェーディッド(毛の半分から先に色がついている)、パーティカラー(白ぶち)、キャリコバイカラ―(三毛ぶち)、などがあります。
メインクーンの性格
メインクーンは別名を“ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)”と言われるくらい、とても大人しくて賢く、しつけもしやすい猫です。飼い主に忠実で、「取ってこい」などのゲームも好きなことから「犬みたいな猫」と称されることもあります。人見知りもあまりせず、子供や同居犬とも仲良くできるので、理想的なペットと言えます。ただし、遊ぶことが大好きで力も強いので、勢い余って家具を壊されたり、棚の上にあるものを落とされないように十分気をつけましょう。
キャットタワーを設置するときにはジャンプに耐えられるように大き目のステップをしっかりと固定しましょう。また、手先が器用なので窓や扉を勝手に開けたり、エサ入れや水入れから中身を掻き出してしまうこともあるようです。脱走などにもくれぐれも気をつけましょう。
メインクーンの食事
大型猫であっても、生まれたときの大きさは普通の猫と同じくらいです。そこから1歳くらいまでに急激に大きくなるので、高タンパク、高カロリーでバランスが取れたものをあげるようにしましょう。さらにその後も、緩やかにはなりますが3歳くらいまでは成長が続くので、栄養が不足しないように気をつけましょう。豊かな被毛を維持するためには、タンパク質のほかにもビタミンB群や不飽和脂肪酸などが十分含まれているフードを選ぶと良いでしょう。
まとめ
通常の猫は必要以上に人に構われることをあまり好みませんが、メインクーンは寂しがり屋で常に人といることを好みます。長毛種の猫なのでブラッシングやグルーミングも必要となりますので、「猫と毎日もふもふしたい!」という人は是非メインクーンを家族に選んでみてはいかがでしょうか。