ベンガルの歴史
ベンガルはごく最近、人が作り出した猫で、家猫とアジアン·レパード·キャット(ベンガルキャット)という野生の猫を交配して作りました。1963年にアメリカの繁殖家、ジーン·サグデン·ミルズがアジアン·レパード·キャットと自分が飼っていたオスの黒猫を交配させて作ったのが最初といわれていますが、そのときはそこまでで終わっているようです。その後、アメリカのカリフォルニア大学で白血病の研究者が、アジアン·レパード·キャットが白血病にならないことに注目し、研究のため家猫と繁殖させて増やすことを試みました。そのとき再びミルズにその繁殖が任され、その後エジプシャンマウやアビシニアン、アメリカンショートヘアなどの純血種と何代にもわたって交配を重ねた結果、ベンガルという血統が確立しました。
1983年にはTICA(The International Cat Association)に予備登録が認められ、1985年に初めてキャットショーに出展されました。現在はアジアン·レパード·キャットとの交配から4世代以降の猫が正式なベンガルとして認められています。またCFA(The Cat Fanciers’ Association)では、野生ネコとの交配を禁じているためベンガルの登録は認められていません。
ベンガルの体格とサイズ
胴体がやや長く、体重は5~8㎏くらいの中型~大型のロング&サブスタンシャルタイプで、オスのほうがメスよりもやや大きい傾向があります。全身が筋肉質でがっちりとしており、しなやかで引き締まった印象を与えます。頭部は小さく、大きなアーモンド形のつり目に黒いアイライン、鼻筋の通った顔はほかの猫とは違った野性味を感じさせます。
ベンガルの毛色
被毛は密で光沢にあふれた、柔らかな短毛のシングルコートです。色はブラウン、シルバー、スノー(ホワイト)があり、これらの色を基調とした独特の3種類の柄(パターン)があります。スポッテッドはぶち模様が不規則に並んでいて、もともとの野生の猫の柄に似ています。マーブルはクラシックタビーのような渦巻き模様で、ロゼット(ロゼッタ)はヒョウ柄そっくりな濃淡のある斑模様のことを指します。
クラシック・タビーは左右の脇腹に大きな渦巻き模様があり、背中から見ると肩甲骨のところに『アメショ・ウィング』と呼ばれる蝶々の羽のような模様があるのが特徴です。また、顔を見ると額にM字模様があり、目じりからは横にまっすぐ伸びた濃いライン(クレオパトラライン)があります。
ベンガルの性格
品種として確立させる際に、なるべく野生の荒々しさを消すようにしてきたため、ベンガルは見た目に反して穏やかで賢く、しつけも楽です。人のことが大好きで、特に子猫のときには常に飼い主さんと一緒に遊びたいので、なるべく独りぼっちにしないようにしましょう。運動量が非常に多く、活発でエネルギーにあふれているため、走り回れる環境とたくさんのおもちゃ、キャットタワーは必須になります。
家族やほかのペットとも仲良くできる反面、感覚器が鋭敏で物音や動くものに対して敏感に反応するため、神経質な性格にならないように、おうちに迎えてしばらくは静かに様子をみてあげましょう。猫には珍しく水遊びも好きで、水場を怖がらないため、キッチンやお風呂場には勝手に入られないように気をつける必要があります。
ベンガルの食事
大きくなるベンガルは、成長期にはたくさんの栄養が必要です。離乳期から1歳くらいまではバランスの取れた子猫用のフードを用意してあげましょう。
大人になってからは、運動量が減ってくるので若いころと同じ量のご飯をあげていると肥満になってしまうので気を付けましょう。また、好き嫌いで食欲にむらが見られるようになることもあるので、味に変化を付けることが出来るようなフード(ウェットフードやふりかけ)を数種類用意しておくといいかもしれません。
まとめ
ベンガルは品種が確立されてからまだわずか20年の猫ではありますが、人気が急上昇しています。元となっているアジアン·レパード·キャット(ベンガルヤマネコ)は日本の固有種であるツシマヤマネコやイリオモテヤマネコとも近い仲間なので、私たち日本人はワイルドな中にも不思議な親しみ深さを感じているのかもしれませんね。