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マイクロチップの重要性

令和2年6月1日に「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律」が施行され、ペットショップやブリーダーなどの動物取扱業者にはマイクロチップ装着が義務付けられました。また、すでに犬や猫を飼っている人もなるべくマイクロチップを装着するように努力義務が課せられました。しかし、実際にマイクロチップとはどのようなものか、よく知っている、見たことがある、という方はそんなに多くはないのではないでしょうか?
マイクロチップってそもそもなんですか?
マイクロチップとは動物の個体を識別し、その動物の所有者が誰であるかを明らかにする電子標識器具のうち、小型で体内に埋め込むタイプのものを指します。電子標識器具には耳タグや鑑札など体外の標識に張り付けるタイプのものもありますが、ペット用のマイクロチップは直径2ミリ、長さ12ミリ程度の円筒形をしており、容易に体内に挿入できる形状をしています。
既にヨーロッパやアメリカなどでは多く使用されており、スイスやフランス、ベルギー、オーストラリアなど装着が義務化されている国もあります。
見た目ではわかりにくい動物でも個体識別をすることが出来るため、爬虫類や鳥類などに使われることもありますし、海外から日本に犬や猫を連れてくるときにも装着が義務付けられています。
マイクロチップを入れるメリットとは何ですか?
マイクロチップのデータは外からは書き換えることが出来ません。ですからマイクロチップの情報とデータベースに登録されている情報を照らし合わせることによって、飼い主が誰であるかを確実に知ることが出来ます。迷子や自然災害、事故などによって飼い主と離ればなれになってしまっても、再び飼い主の元に戻ってくる可能性が高くなるだけでなく、ペットが盗難や遺棄されても飼い主が誰だったか知ることができるのです。
またマイクロチップは埋め込み式なので、首輪のようにどこかに引っかかってしまったり、外れてしまう心配がないため、迷子札などよりも安全で確実な個体識別標識となります。
マイクロチップには何が入っているのですか?
マイクロチップの中には電子回路とコンデンサおよび電磁コイルが入っています。電池は入っていませんが、外から「読み取り機(リーダー)」を使用することによって読み取り機から発信される電波がマイクロチップ内の電磁コイルから電力を発生させ、15ケタの数字を発信するようになっています。
15ケタの数字からは国と動物、販売会社、個体識別コードを読み取ることが出来、これをデータベースと照らし合わせることによって飼い主が誰であったかを知ることができるのです。
読み取り機は全国の動物保護センターや保健所、動物病院が持っています。
どうやってマイクロチップを入れて、データを登録するのですか?
マイクロチップの埋め込みは獣医療行為にあたるため、獣医師が専用の器具(インジェクター)を使って皮膚の下に埋め込みます。ちょっと太めの注射器のような形状で、背中側の首のやや下、左右の肩甲骨の間に針を刺して挿入します。注射と同じくらいの痛みだと言われており、通常、麻酔などは使用しません。
犬は生後2週齢、猫は生後4週齢以降から埋め込みが出来ると言われています。
マイクロチップを入れたら、そのあと飼い主が「動物ID普及推進会議(AIPO)」のデータベースにマイクロチップ番号や飼い主の情報などのデータを登録します。登録料は1050円です。もし、既に登録されたマイクロチップを挿入された犬や猫を飼う時には、データの変更を届け出ることが義務付けられています。
ペットの体の中にずっと入っていて大丈夫なんですか?
マイクロチップの外側は生体適合ガラスという、異物反応をおこさないような物質で覆われているので、一度入れてしまえば痛みや違和感はほとんどありません。
挿入後の故障や外部からの衝撃による破損などの報告もいまのところありません。
マイクロチップ自体に電池が入っているわけではないので、半永久的に使うことが出来、入れなおしたりする心配もありません。
まれに挿入後に体内を移動してしまい、お腹のほうにまで動いてしまう例もあったようですが、健康面での問題は報告されていないようです。

まとめ

近年、地震や集中豪雨など甚大な被害を伴う自然災害があちこちで起きています。

このようなときにはペットの行方が分からなくなる、迷子のペットが保護される、という事態が発生しやすく、もしペットにマイクロチップをつけていれば…、と後悔するケースが多いと聞きます。

「動物の災害対策はマイクロチップ装着から」ということを今一度よく考えてみましょう。

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