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犬種図鑑

ゴールデン・レトリーバーについて

近年、日本の人気犬種のほとんどは中~小型犬ですが、その中で唯一、大型犬で安定した人気を維持している犬種がいます。それはゴールデン・レトリーバーです。大きな体に金色に輝く美しい毛並み、優しいアーモンド形のまなざしを持った犬はペットというよりも、家族の一員としてどこの家庭内でも愛されています。

ゴールデン・レトリーバーの歴史

“レトリーバー”という犬種はもともと、水鳥猟のとき銃で撃ち落としたカモなどの鳥を、泳いで回収してくる(retrieveレトリーブする)ための狩猟犬を意味し、19世紀ヨーロッパでは盛んに品種改良が行われましたが、ゴールデン・レトリーバーもそのうちの一つです。

もともとは黒い犬種ばかりのレトリーバーでしたが、19世紀後半、狩猟犬の繁殖に熱心だったスコットランドのトゥイードマウス卿が、ウェービーコーテッドレトリーバーとニューファンドランド犬を掛け合わせて生まれた黄色のレトリーバーに、トゥイード・ウォーター・スパニエルを掛け合わせて黄色で長毛種のレトリーバー、ゴールデン・レトリーバーのベースを作ったと言われています。

はじめはフラットコーテッド・レトーリーバーのゴールデンタイプとして犬種登録されましたが、その後イエローレトリーバー、またはゴールデン・レトリーバーと呼ばれ、1920年になってゴールデン・レトリーバーという名前で統一されるようになりました。

その後、カナダ経由でアメリカに渡り、大人気になったのちに日本にやってきて、1982年にJKC(ジャパンケンネルクラブ)に登録されました。日本では1990年代になると飼いやすさと美しさから“大型室内犬”として急激に人気が出てきて、それが今でも続いています。

ゴールデン・レトリーバーのサイズ

ゴールデン・レトリーバーは大型犬に分類され、オスでは、体高56~61㎝、体重29~34㎏が、メスのほうがやや小柄で、体高51~56㎝、体重25~30㎏が理想とされています。

頭部はやや大きめですが、全体的にバランスの良いがっしりとした体格をしています。

系統としてはブリティッシュタイプとアメリカンタイプの2つがあり、ブリティッシュタイプはややずんぐりとして色が白っぽく、アメリカンタイプはスマートな感じで茶色っぽい毛色をしています。

ゴールデン・レトリーバーの毛色と種類

毛色は白っぽいクリーム色から濃いゴールドまでさまざまです。胸元に少しだけ白い毛が入っていることもあります。

ダブルコートの長毛で、手足としっぽ、胸前、お腹にはふさふさとした飾り毛があります。トップコートは撥水性があり、密なアンダーコートは保温性が高いため、寒さには強いのですが、夏場は熱中症になりやすいので注意が必要です。

一年を通して抜け毛が多くみられ、特に換毛期の春には大量のアンダーコートが抜けます。健康な皮膚と美しい被毛を保つためには毎日のブラッシングと定期的なシャンプーは欠かせません。

ゴールデン・レトリーバーの特徴

性格は温和で従順、他の動物や子供にも明るく友好的に接することができます。また、とても賢く、人の言うことをよく聞いて理解することもできるため、介助犬や警察犬などの使役犬で活躍している子もたくさんいます。

常に人と共に行動したいと思っているので、長時間留守番をさせたり屋外で飼うような、人とのコミュニケーションが取れない飼い方はしないようにしましょう。番犬には向いていません。

もともとは猟犬なのでスタミナがあり、取ってこいなどの走り回る遊びが大好きなので、お散歩の時間は長めにとってあげましょう。水遊びも好きなので、夏にはプールなどに連れて行ってあげてもいいでしょう。

ただし、そのときに好き勝手にさせてしまうと力まかせに振り回されて、わがままな子に育ってしまうこともあるため、子犬のころからしつけをしっかりとしておきましょう。

ゴールデン・レトリーバーの食事

大型犬なので、成長期には体が急速に大きくなるため、しっかりとバランスの取れた栄養を摂ることが大切です。

また食べることが好きで何でも口に入れて飲みこんでしまったり、一気に大量に食べて胃捻転をおこしてしまうこともあるので、食べ方や食べる速度には気をつけて、食後しばらくはゆっくり過ごすようにしましょう。

さらに食べ過ぎて肥満になりやすく、関節に負担がかかりやすいので、体重チェックはこまめに行うようにしましょう。

まとめ

かつてゴールデン・レトリーバーはその人気から無理な交配が行われ、その結果、癌や関節疾患など遺伝疾患が多い犬種として獣医師から注視されていました。

しかし、最近はそのようなことは減少しつつあります。もともと大型犬は早く歳をとりやすく、高齢による病気になりやすいため、7歳を過ぎたら定期健診をして、いつまでも健康でいるように気を配ってあげましょう。

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