何か食べている時のペットは本当に幸せそうですよね。 でも、それを見て「これって本当に食べさせてよかったかしら?」「うちの子、いつもこんな風に食べているんだけど大丈夫かしら?」などと思ったことはありませんか? 今回はペットの食にまつわるさまざまな疑問にお答えしていきましょう。
A.
ペットも人と同じように味に対する感覚、味覚のセンサーを舌の上に持っています。
舌の表面は細かないぼいぼで覆われていますが、その根元に味蕾(みらい)と呼ばれるセンサーがあり、水に溶けた化学物質を感知して塩味、酸味、甘味、苦味、旨味などを判断しているのです。
しかし、その数は人が5000~6000個あるのに対して、犬や猫は約1000個ほどと言われています。
つまり、ペットも味を感じることはできるものの、人よりもやや鈍感なのかもしれません。
そして最近の研究によると、どうやら猫は甘味を感知するのに必要なたん白質がなく、全く甘味を感じることができないようです。時々お菓子やクリームなどの甘いものを好んで食べようとする猫もいるようですが、それはどうやら甘味よりも匂いや脂肪分などに魅力を感じているようです。
A.
牛乳は栄養的に優れた食品で、成長期には積極的に飲んだ方が良いといわれていますよね。
ですから、犬や猫にもつい牛乳を飲ませたくなってしまう人も多いと思います。
しかし、犬や猫は牛乳の中に多く含まれる「乳糖」と呼ばれる糖分を消化する酵素、ラクターゼをほとんど持っていません。
ですから、牛乳を飲ませると消化不良をおこして、下痢になってしまうのです。
もし、ペットにミルクを飲ませたい場合には必ず犬には犬用ミルクを、猫には猫用ミルクを与えるようにしましょう。
A.
犬や猫の歯をよく見てみましょう。小さな前歯と鋭く長い犬歯の奥には、さらに鋭い歯ばかりが並んでいますよね。
このような歯は小動物のような獲物を狩っていた時に、獲物を仕留め、肉を引き裂くために使われていたため、もともとフードをもぐもぐとよく噛んで食べるようにはできていません。
ですから、ドッグフードやキャットフードを食べる時でもあまり噛まないで飲み込んでしまうことが多いようです。
それで消化不良になってしまうことはまずありませんが、犬の場合は、肉やガムなどの塊を大きなまま飲み込もうとしてのどにつかえてしまうことがあるため、与える場合には必ず人が付き添って丸呑みしなかったことを確認するようにしましょう。
A.
犬と猫は同じ肉食動物のペットですが、それぞれに必要な栄養素の割合はかなり異なり、また体内で代謝できる栄養素の種類も異なります。例えば犬は猫よりも雑食に近く、猫のほうがたん白質を多く必要とします。
ですから、キャットフードにはドッグフードよりも多くのたん白質が含まれています。
もし、犬がキャットフードを食べ続けたら、確実に肥満になってしまうでしょう。
また、猫はタウリンというアミノ酸を自分で作ることが出来ないため、もし猫がタウリンの少ないドッグフードを食べつづけると、視力が低下したり、発育障害を引き起こす「タウリン欠乏症」になってしまうことがあります。
このようにドッグフードとキャットフードは色や形・大きさが違うだけでなく、内容にも大きな違いがあります。
ですから必ず犬にはドッグフード、猫にはキャットフードを食べさせるようにしましょう。
A.
犬と猫で必要な栄養素の割合が違うように、人とペットでも必要な栄養素の割合が大きく異なります。
ですから、人と同じ物を同じように食べさせていると、ある栄養は過剰に、ある栄養は足りないということになってしまいます。
また、人が食べて美味しいと思う食事はどれもペットにとっては味が濃すぎます。
特に塩分が濃すぎる食事を続けていると心臓や腎臓に負担をかけて健康を損ねることもあります。
もし、自分が食べているものと同じ物を食べさせたいのであれば、原料の段階で取り分けておき、ほとんど味をつけないで調理し、栄養バランスの取れたペットフードと組み合わせて与えるようにしましょう。
A.
ペットに食欲がない時は、まず病気かどうかをきちんと検査をしましょう。
おなかの病気だけでなく、さまざまな病気でペットは食欲を失います。食欲がなくなると体力が低下してしまい、病気の治りも悪くなるため、いつもより食べないなと思ったらなるべく早く動物病院に連れて行くことが大切です。
もし、消化管の病気ではなく、なるべく早く食欲を回復したほうがよいのであれば、次のことを試してみましょう。
・ フードを温める:人肌程度に暖めることで匂いが強くなり、食欲を促します。
・ フードをお湯で少しゆるくする:固形物よりも舐めて食べられる流動食のようなもののほうがペットにとって食べやすくなります。
・ 大好きなおやつをトッピングする:普段ごほうびとして与える大好物を少量ごはんに混ぜて匂いをつけると食欲が増すことがあります。