お腹を見せる体勢は犬同士の挨拶のなかで相手側に敵意がないことを示す行動の一つです。
この行動は、敵意がないことを示す行為とはいえ自分の弱点を見せることになるため、特に、初めての人や慣れていない環境などでは緊張するものです。
家の中ではお腹を見せるのに外では意地でも見せないワンちゃんもいるのではないでしょうか。
お腹を触ってもらうことが好きなワンちゃんもいますが、お腹を見たり触ったりする状況は、日常生活の上でもなかなか遭遇することはありません。
例えば、雨の散歩から家に帰ってきてお腹を拭いたり、動物病院で診察するときなどごく稀ではないでしょうか。
このように、お腹を触ったり見たりする状況は少なく、また、たいていの場合が我慢させている状況が多いため、場合によってはお腹に触れられたりすることが「嫌なこと」に発展しやすく、苦手になってしまうこともあります。
そこで、今回はお腹を見せたり触ったりするときに便利なトレーニングをご紹介します。
ポイントは、誘導する手を体からあまり離さないこと。 あまり離しすぎると立ち上がってしまいます。 頭を後ろへ回転させるように誘導します。前足と後足を踏ん張って倒れないように頑張りますが、首が回らないので体勢を崩します。
まずは体勢を崩すことに慣れさせてあげましょう。 ハンドサインで楽に体勢を崩すようになるまで続けます。 トレーニングの最初のころはご褒美をもらったらすぐに立ち上がってしまうかもしれませんが、そのような時は横の体勢になってから2〜3秒程度時間をおいてからご褒美を与えます。横の体勢になって少しじっとしているとご褒美がもらえることを徐々に教えていきます。
第5回で紹介されている方法と同じように行っていきます。
コマンド → ハンドサイン→ 横向きになったら褒めてご褒美を与える
① 言葉のサイン→(0.5秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
② 言葉のサイン→(1秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
③ 言葉のサイン→(1.5秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
④ 言葉のサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
コマンドで横になることができてきたら、その体勢を維持できる時間を徐々に伸ばしていきます。
コマンド → ゴロンの体勢 → 3秒待つ → ご褒美
3秒ができたら5秒…10秒…30秒のように徐々に秒数を増やしていきます。
体勢を維持している間にお腹を触っていきます。ついでに体の各部位も触りましょう。ジェントリングで紹介された部分は触れるようにしておきましょう。
触っても動かないようだったらご褒美を与えます。
ゴロンを使う状況は工夫次第で色々な場面で役に立ちます。下に健康診断の例を紹介しますが、大型犬を飼っている飼い主の方には是非覚えてもらいたいコマンドです。