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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

お腹を見せることが平気になるトレーニング方法

第6回 お腹を見せることが平気になるトレーニング方法
2011/09
第6回 講師 岡本雄太先生
森山先生
岡本雄太(おかもとゆうた)
犬のしつけ方教室 スタディ・ドッグ・スクール®(麻布大学との共同事業)
神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71 麻布大学内 TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
(JAPDT事業企画実行委員、麻布大学の介在動物学研究室共同研究員)
動物人間関係学の分野で博士号。
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会

お腹を見せる体勢は犬同士の挨拶のなかで相手側に敵意がないことを示す行動の一つです。
この行動は、敵意がないことを示す行為とはいえ自分の弱点を見せることになるため、特に、初めての人や慣れていない環境などでは緊張するものです。
家の中ではお腹を見せるのに外では意地でも見せないワンちゃんもいるのではないでしょうか。  
お腹を触ってもらうことが好きなワンちゃんもいますが、お腹を見たり触ったりする状況は、日常生活の上でもなかなか遭遇することはありません。
例えば、雨の散歩から家に帰ってきてお腹を拭いたり、動物病院で診察するときなどごく稀ではないでしょうか。
このように、お腹を触ったり見たりする状況は少なく、また、たいていの場合が我慢させている状況が多いため、場合によってはお腹に触れられたりすることが「嫌なこと」に発展しやすく、苦手になってしまうこともあります。  
そこで、今回はお腹を見せたり触ったりするときに便利なトレーニングをご紹介します。

step1手の誘導(ハンドサイン)で寝そべる体勢を教えます。
犬に伏せの体勢をとらせてご褒美を手のひらに親指で押さえて持ち、鼻先に持っていきます。
首の後ろのほうへゆっくり移動させます。

ポイントは、誘導する手を体からあまり離さないこと。 あまり離しすぎると立ち上がってしまいます。 頭を後ろへ回転させるように誘導します。前足と後足を踏ん張って倒れないように頑張りますが、首が回らないので体勢を崩します。

体勢を崩して横向きに寝そべる体勢を取らせます。
横になったらご褒美を反対の手から与えます。

まずは体勢を崩すことに慣れさせてあげましょう。 ハンドサインで楽に体勢を崩すようになるまで続けます。 トレーニングの最初のころはご褒美をもらったらすぐに立ち上がってしまうかもしれませんが、そのような時は横の体勢になってから2〜3秒程度時間をおいてからご褒美を与えます。横の体勢になって少しじっとしているとご褒美がもらえることを徐々に教えていきます。

step1「言葉のサイン」を教える。

第5回で紹介されている方法と同じように行っていきます。
コマンド → ハンドサイン→ 横向きになったら褒めてご褒美を与える

① 言葉のサイン→(0.5秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
② 言葉のサイン→(1秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
③ 言葉のサイン→(1.5秒)→ハンドサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美
④ 言葉のサイン→教えたい行動(ゴロン)→ご褒美

step1「ゴロン」ができたらその体勢を維持させる

コマンドで横になることができてきたら、その体勢を維持できる時間を徐々に伸ばしていきます。

コマンド → ゴロンの体勢 → 3秒待つ → ご褒美
3秒ができたら5秒…10秒…30秒のように徐々に秒数を増やしていきます。 体勢を維持している間にお腹を触っていきます。ついでに体の各部位も触りましょう。ジェントリングで紹介された部分は触れるようにしておきましょう。 触っても動かないようだったらご褒美を与えます。

「ゴロン」の応用編

ゴロンを使う状況は工夫次第で色々な場面で役に立ちます。下に健康診断の例を紹介しますが、大型犬を飼っている飼い主の方には是非覚えてもらいたいコマンドです。