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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

ワンちゃんに“待て”を教えてみよう!

第10回 ワンちゃんに“待て”を教えてみよう!
2012/01
第10回 講師 長谷川 成志 先生
長谷川成志先生
長谷川 成志(はせがわ まさし)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®(麻布大学との共同事業)
神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71 麻布大学内 TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー (CPDT-KA、JAPDT会員、麻布大学の介在動物学研究室共同研究員)
   動物人間関係学の分野で博士号。
   CPDT-KA:Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed
   JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会

「お散歩中、交差点で信号が変わるのを待っているとき」、「ワンちゃんのご飯を用意するとき」、「配達がきたとき」など、日常生活の中でワンちゃんにその場でちょっと待っていてほしいことがあると思います。そこで今回は“待て”の簡単な教え方をご紹介いたします。

“待て”と“おあずけ”は違います!

器に入ったご飯を、飼い主さんの合図があるまで食べないで待っているのは“待て”とはちょっと意味が異なります。“待て”というのは、飼い主さんから合図をかけられた時の状態を維持し続ける、例えば、お座りをしているときに“待て”と合図を出したら、お座りの状態で待っていられる、伏せをしているときに“待て”と合図を出したら伏せた状態で待っていられるように練習をします。
もし、ご飯をあげるときにしか“待て”“ができないのであれば、もしかすると待つことを覚えているのではなく、食べ物を食べないで我慢する“おあずけ”しか覚えていないのかもしれません。

“待て”を練習してみよう!
動かないでいられることを理解させる

今回は、お座りの状態で待てるようになる方法をご紹介します。まずは、ワンちゃんにお座りをさせて、飼い主さんが1歩下がってから犬のもとに戻ります。このとき、ワンちゃんがお座りの状態で待っていられたら、褒め言葉をかけながらご褒美をあげます。


もし、一歩下がるだけでもワンちゃんが動いてしまうようであれば、片足を下げてもとに戻すところから連取すると良いでしょう。

片足を1歩下がってからもとに戻しても ワンちゃんがお座りの状態で待つことができたら、褒め言葉をかけながらご褒美をあげます

ワンちゃんから離れる距離を徐々に伸ばしていく

Step1で1歩下がって戻ってくる間にワンちゃんが待つことができるようになったら、2歩、3歩、4歩・・・、と徐々にワンちゃんから離れる距離を伸ばしていきます。距離を伸ばしていく間にワンちゃんが失敗をしてしまった場合、例えば3歩で失敗した場合は2歩から、6歩で失敗してしまった場合は5歩からといったように、成功したところまで歩数を減らして練習を再開します。
Step2までの目標としては、ワンちゃんが10歩下がって戻ってくるまで待てるように練習してみましょう。

1歩ずつワンちゃんから離れる距離を伸ばしていき、目標として10歩下がって戻ってくるまで待てるように練習します。

“待て”の合図を理解させる

Step2で、10歩まで下がって戻ってくるまで待てるようになったワンちゃんは、「お座りの状態を維持する」ことを理解できるようになります。そこで次のステップでは、「お座りの状態を維持し続けること」と、「待て」の合図を結びつける練習をします。
練習方法は簡単で、ワンちゃんから離れる前に“待て”と合図をかけ、10歩下がって戻ってきたときにワンちゃんが待っていられたら、褒め言葉をかけながらご褒美をあげます。
お座りで“待て”ができるようになったら、同じ手中で伏せで“待て”を教えてみましょう!