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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

歯磨きに慣らす練習をしてみよう!

第22回 歯磨きに慣らす練習をしてみよう!
2013/01
第22回 講師 鹿野 正顕先生
鹿野 正顕先生
鹿野 正顕(かの まさあき)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®(麻布大学との共同事業)
神奈川県相模原市中央区淵野辺1-17-71 麻布大学内 TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
(CPDT-KA、JAPDT理事/事業企画実行委員長、麻布大学の介在動物学研究室共同研究員)
動物人間関係学の分野で博士号。
CPDT-KA:Certified Professional Dog Trainer - Knowledge Assessed
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会

歯周病などを予防し、ワンちゃんの口の中を健康に保つためにも歯磨きは欠かすことはできません。特に歯石を予防するためには、それぞれのワンちゃんによって歯石がつきやさが異なるため、ドライフードやウエットフードなどの食事の種類の違いにはあまり大きな差はなく、その子に応じた適切なケアが必要になります。しかし、中にはワンちゃんが歯磨きを嫌がってしまい、なかなか上手にケアをしてあげられない飼い主さんもいらっしゃると思います。 そこで今回は、歯磨きに慣らす練習をご紹介します。

口の周り(マズル)を触れることに慣らす

本来、犬にとって口の周り(マズル)を触られたり、口の中に食べ物以外の物を入れられたりすることはあまり好ましいことではありません。
そのため、ワンちゃんが歯磨きを不安に感じないように、少しずつワンちゃんのマズルを触る練習から始めましょう。
初めは、ワンちゃんのマズルを一瞬触ったら大好きなご褒美をあげます。
マズルを触られることを嫌がるワンちゃんは、少し触っただけで顔を背けますが、この練習を続けていくと一瞬触られることに慣れてきて顔を背けなくなってきます。
一瞬触られることに慣れてきたら、次は少しずつ触っている時間を延ばしていきます。
初めは、1秒触っていられたらご褒美をあげるといった感じで、少しの時間から練習を始めてください。
慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきますが、時間を延ばした際に顔を背け嫌がってしまう場合は伸ばす時間が長すぎる可能性があるので、伸ばす時間をもう少し短くするか、もう一度もとの時間で練習をし直します。  
次のステップに進むために、目標として30秒程度触っていられるように練習してみましょう。

苦手なものを慣らす練習は、無理をせず、少しずつ練習を進めることがポイントです

マズルめくる練習をする

Step1でマズルを触られることになれてきたら、次はワンちゃんのマズルをめくる練習をしましょう。
マズルをめくる練習も、Step1と同じように初めは一瞬めくったらご褒美をあげる練習から始め、徐々にめくる時間を延ばしていきましょう。
目標として30秒程度めくっていられるように練習してみましょう。

前歯や歯肉に触る練習をする

マズルをめくることになれてきたら、次はマズルをめくりながら、前歯や歯肉を飼い主さんの指で触る練習をしましょう。
この練習も、初めは前歯や歯肉を一瞬触ったらご褒美をあげ、触ることになれてきたら徐々に前歯や歯肉を指でこする練習をしてみましょう。

ガーゼや歯ブラシの練習をする

Step3で前歯や歯肉を触ったりこすれるようになったら、いよいよ歯磨きの際に使うガーゼや歯ブラシの練習を行います。
この練習も、初めは前歯や歯肉にガーゼや歯ブラシを一瞬あてたらご褒美をあげ、あてることになれてきたら徐々に前歯や歯肉をガーゼや歯ブラシでこする練習をしてみましょう。
Step3までは、飼い主さんの指を使って徐々に練習してきましたが、Step4ではガーゼや歯ブラシなど今まで練習に使っていない道具を用いるので、無理をせずワンちゃんの様子を見ながら徐々に練習を続けてください。

※マズルを触られたり、口の中に手を入れられることに対し、極度に怖がったり恐怖心から咬みついてこようとするワンちゃんの場合は、決して無理な練習は行わず、必ず専門家に相談するようにしてください。

※苦手なものを慣らす練習は、無理に行ってしまうと余計嫌がるようになってしまうことがありますので、焦らずに少しずつ練習するように心がけてください。