前回は、ワンちゃんの飛びつき防止として「ON」「OFF」といったコマンドでコントロールする方法をご紹介いたしました。(リンク先:http://www.dbfpet.co.jp/life/trainer/201307/)今回は、日頃よく使うコマンドの「オスワリ」を活用して、ワンちゃんの飛びつきを防止する方法をご紹介したいと思います。
人の前で座ると良いことがあるとワンちゃんに教えていきましょう。まずは、人の前でオスワリをさせ、オスワリすることが出来たら、褒めてご褒美をあげましょう。
続いて、オスワリした状態から、飼い主さんは一歩後ろに下がり、ワンちゃんが目の前に来たら再びオスワリをさせ、出来たら褒めます。この手順を繰り返し練習しましょう。
Step1の方法を繰り返し行っていくと、ワンちゃんは徐々に人の前にきたら座るということを理解しはじめ、人に「オスワリ」といわれなくても座るようになります。
Step1では、コマンドをかけてワンちゃんを座らせましたが、Step2では、後ろに下がってワンちゃんが正面に来たときにすぐにコマンドをかけず、ワンちゃんの様子を見ましょう(2~3秒)。何も言わなくても座ったら、褒めてご褒美をあげますが、座らなかった場合は再びコマンドをかけて座らせてください。この手順を繰り返し練習し、人がコマンドをかけなくても人の前では座ることを教えましょう。
Step1.2は、お散歩後などワンちゃんがリラックスしているときに行いましょう。また、ワンちゃんの気持ちを落ち着かせるために、周りが気にならないような静かな場所で行うと良いでしょう。
ワンちゃんが人に飛びつきそうな日常の状況の中でオスワリを活用しましょう。ワンちゃんが飛びつくのは、飼い主さんが家に帰ってきたときや散歩に行くとき、ご飯をあげるときなど興奮したときが多いです。まずは、それぞれのワンちゃんが日常生活のどのような状況・場面で人に飛びつくのかを飼い主さんがしっかりと把握しましょう。
把握した状況では、飛びつく前にオスワリをさせて、飛びつきを防止しましょう。最初はコマンドをかけてワンちゃんにオスワリをさせ、出来たら褒めてあげましょう。それぞれの状況で、初めはStep1のように繰り返しオスワリを行い、徐々にStep2を参考にしてコマンドをかけなくても座れるようになることを目指しましょう。
人好きなワンちゃんは飼い主さんだけではなく、飼い主以外の人にも飛びついてしまう場合があります。他の人への飛びつきがさまざまなトラブルの原因となりますので、飼い主以外の人でも練習しましょう。
飼い主以外の人の前で、オスワリをさせて、出来たら褒めてご褒美をあげましょう。褒めるのは飼い主さんでも、練習してくれる人でも良いでしょう(※人に触られることが好きなワンちゃんは、触ってもらえることがご褒美になります)。この際、注意しなければならないのは、リードを長く持っているとワンちゃんが飛びつきやすくなってしまうので、短めに持って練習しましょう。
まずは、Step1のようにコマンドをかけてオスワリを行い、この手順を繰り返しましょう。続いて、Step2を参考にしてコマンドをかけなくても座れるようになることを目指しましょう。1人の人だけで練習するのではなく、さまざまな人で根気よく繰り返し練習すると、誰の前でもオスワリが出来るワンちゃんになるでしょう。
コマンドでコントロールする方法や、今回のオスワリを活用する方法を練習していても、ワンちゃんが飛びついてしまうことがあります。その際には、前回紹介した「OFF」が出来る場合はこのコマンドを使い、教えていなくて出来ない場合はワンちゃんを無視するようにしましょう。
無視する場合は、声をかけたり目を合わせることでかまってくれたとワンちゃんが感じてしまうこともあるので、ワンちゃんに背を向けてこれらの対応をしないようにしましょう。
撮影協力
「ティアラ」
ラブラドール・レトリーバー 4歳♀
麻布大学 介在動物学研究室