知らない犬の目をジーと見つめたら、目を逸らされたり吠えられたりという経験はありませんか?犬にとって目を合わせるということは、相手に対する威嚇を意味します。そのため、知らない犬と触れ合うときは、目をそらしてから徐々に触れ合うようにしましょう。また、日頃から目を合わせる練習を行うことで、知らない人に目を合わせられることに対する警戒心を和らげることができます。
そこで、今回は人とのアイコンタクトを教え、人と目が合うことが良いことだと学習させる方法、「Watch:ウォッチ」のコマンドをご紹介します。飼い主さん以外の人にも協力してもらえれば、目が合った他人に対して警戒して吠えることを予防することもできます。
まずは、両手にご褒美を持ち誘導する手とご褒美をあげる手を区別しましょう。(区別することによって、手にご褒美を持たなくとも、手で誘導できるように教えます。)
誘導する手を、顔の前の方に移動し、ワンちゃんと目が合うようにします。ワンちゃんと目が合ったら褒め言葉をかけて、反対の手からご褒美をあげましょう。
Step1を繰り返し行うと、誘導する手にご褒美を持たなくても、手の動き(ハンドサイン)でアイコンタクトが出来るようになります。
もしご褒美を持たないとアイコンタクトが出来ないのであればStep1に戻って練習を行いましょう。出来ないことを何度も行って失敗を繰り返してしまうと、ワンちゃんも混乱してしまうので、最初のステップに戻って成功を繰り返すことがポイントです。
ハンドサインでアイコンタクトが出来るようになったら、最後に言葉を教えます。ワンちゃんに言葉を教えるには、
「言葉(ウォッチ) ⇒ ハンドサイン ⇒ 目を合わせる ⇒ ご褒美」
の手順で教えます。
はじめは、言葉を発した直後にハンドサインを出し、ワンちゃんが目を合わせたらごほうびをあげます。それから徐々に言葉からハンドサインまでの時間を延ばしていきましょう。するとワンちゃんは、言葉と目を合わせる行動を結びつけるようになり、「ウォッチ」という言葉だけでアイコンタクトができるようになります。
今回は、ワンちゃんと向き合った状態で行いましたが、前回(第31回「人の左につく「ヒール」と、右につく「サイド」を教えよう」)ご紹介した「ヒール・サイド」の位置でも出来るように練習を行うと良いでしょう。お散歩中など、様々な状況でもアイコンタクトができるように挑戦してみてください。 また、他の犬や人が気になり吠えてしまうワンちゃんは、今回練習した「ウォッチ」を活用し他の犬が視界に入らないように対処すれば吠えを予防することが出来るので、ぜひ日常生活で活用してみましょう。