今回は、ワンちゃんと楽しむトリックとして、人の正面からワンちゃんが後ろに下がる「バック」をご紹介します。今までご紹介した「スピン」や「ラウンド」などは、ワンちゃんが人の近くで行うものでしたが、今回の「バック」は人から離れる動きになります。
少し難しいトリックかもしれませんが、丁寧に根気よく教えればワンちゃんは覚えてくれますので、楽しみながらチャレンジしてみてください。
まず、イスや壁を使って、ワンちゃん1頭が通れる一本道を作りましょう。ワンちゃんが方向転換できないくらいの通路を作ることがポイントとなります。
※通路を作ることで、ワンちゃんはまっすぐ後ろに下がるように覚えてくれます。
まず、通路内にワンちゃんを移動させ人がワンちゃんの正面に立ちます。写真のように、人はワンちゃんがいる方向に歩き、ワンちゃんを体で押すような形でバックさせます。また、この時右手を前にかざすように出しながらバックさせるようにしましょう。最初は少しでも(2~3歩)下がることが出来たら、褒め言葉をかけてご褒美をあげましょう。
その後、以下のような流れで後ろに下がる歩数を増やしていきましょう。
①1歩後ろに下がった → ご褒美
②3歩後ろに下がった → ご褒美
③5歩後ろに下がった → ご褒美
④10歩後ろに下がった → ご褒美
Step1と同様に、ワンちゃんがいる方向に歩きバックをさせるのですが、何歩か歩いた後、人は止まります。人が止まった状態で、ワンちゃんが一歩でも後ろに下がることが出来たら、褒めてご褒美をあげましょう。人が止まった状態で徐々にワンちゃんが後ろに下がる歩数を伸ばしていきます。
以上のように、徐々に人から離れるようにバックすることを教えていきましょう。 また同時に、人がワンちゃんの方向に歩かなくてもバックが出来るようにするために、人は段々と歩数を減らしていきましょう。最初は5歩ワンちゃんの方向に歩いてから止まっていたことを、5歩 → 3歩 → 1歩 → 0歩という形で減らしましょう。
最終的に、上の写真のように人が右手をかざすような動きで、ワンちゃんがバックするようになるまで繰り返し練習しましょう。
Step1,2では、ワンちゃんがまっすぐバックできるように、イスや机を使って通路を作っていましたが、徐々にこの通路を無くしていきましょう。
通路を無くしてもハンドサインでバックが出来るように、色々な通路のパターンを用いて練習してみましょう。もし、通路がなくなっていくうちにバックができなかった場合は、今まで出来ていたレベルを再び練習してから、次のレベルに挑戦してみましょう。 Step1,2と同様に、ワンちゃんがバックすることが出来たらしっかりと褒めてご褒美をあげましょう。最終的に通路が何もない状態で、バックが出来るようになるまで練習しましょう。
ワンちゃんに「バック」と言い、ハンドサイン(右手をかざす)を出し、後ろに下がることが出来たら褒めてご褒美をあげましょう。
①言葉 → (0.5秒) → 右手をかざす → 後ろに下がる → ご褒美
②言葉 → (1秒) → 右手をかざす → 後ろに下がる → ご褒美
③言葉 → (1.5秒) → 右手をかざす → 後ろに下がる → ご褒美
④言葉 → (2秒) → 右手をかざす → 後ろに下がる → ご褒美
⑤言葉 → 後ろに下がる → ご褒美
以上のような流れで、徐々に「バック」という言葉からハンドサインまでの時間を延ばしていき、ワンちゃんが言葉だけで後ろに下がるようにしましょう。この手順で丁寧にトレーニングすればワンちゃんに言葉を理解させることが出来ます。