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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

ワンちゃんに「褒め言葉」を教えてみよう

第48回 ワンちゃんに「褒め言葉」を教えてみよう
2015/03
第48回 講師 鈴木 拓真先生
鈴木 拓真先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

ワンちゃんを褒めるとき「いい子」、「Good」、「おりこうさん」などの褒め言葉をかけている方が多いと思いますが、みなさんのワンちゃんは褒められたとき嬉しそうにしていますか?飼い主さんが一生懸命褒めているつもりでも、ワンちゃんは「何を言っているのかな?」と無視をしたり、全然嬉しそうにしていないなんてことがあるのではないでしょうか。とっても基本的なことですが、ワンちゃんに人の言葉は通じません。つまり、褒め言葉もちゃんと意味を教えてあげないと伝わりません!褒め言葉はトレーニングをする上でも大切な言葉の一つで、ワンちゃんにわかりやすくものごとを教えるためにも必要になりますので、しっかりと教えてみましょう!

褒め言葉を教えるにあたって

褒め言葉を教えると、効率よくトレーニングすることが出来ます。ワンちゃんにものごとを教えるとき、何かしてほしいことをしてくれたタイミングに褒め言葉をかけることによって、ワンちゃんが何を褒められたのか正確に理解することが出来ます。褒め言葉をかけずに、ただご褒美をあげたりするだけでは、褒めるタイミングがずれてしまいワンちゃんが何を褒められたのか、何をすればよいのかわからなくなってしまうこともあるので、トレーニングするときは褒め言葉を最初に教えてあげましょう。

褒め言葉を教えるとき、「いい子、よしよし、Good」などいくつもの言葉があると、ワンちゃんは混乱してしまいますので、まずは褒め言葉を一つに統一しましょう。また、短くて発音しやすい「いい子」や「Good」で教えてあげた方が、トレーニングをする上では効果的になります。

※注意点
「よし」という言葉を「褒め言葉」にする場合。
普段、ワンちゃんにご飯を与えるときに「オスワリ、マテ、『よし』」の合図を出しているとしたら、この時の『よし』は『お預けの状態からゴハンを食べて良いよ』といった、許可の『よし』となります。
つまり、褒め言葉とは少し意味合いが変わってきます。褒め言葉の「よし」≠ゴハンを与える時の『よし』ですので、別の言葉(いい子、Good など)にするように注意してください。

褒め言葉と嬉しい気持ちを結び付けよう

「褒め言葉=嬉しい、楽しい」と教えるために褒め言葉の後にご褒美をあげましょう。この手順を繰り返し行うだけで、ワンちゃんは「褒め言葉」の後にはご褒美が出てくると覚えてくれ、褒め言葉を聞くだけで嬉しい気持ちになります。

最初はご褒美を体の前に出しワンちゃんに見せながら練習をするようにして、周りに気を取られないように教えてみましょう。しかし、いつまでもご褒美を見せながらの練習をしてしまうと、ワンちゃんは「褒め言葉」よりもご褒美を持つ手に注目するようになってしまいますので、徐々に後ろに隠して練習していくことがポイントです。さらに、ご褒美を後ろに隠しながらの練習も上手にできるようになったワンちゃんは、ポーチを使って、褒め言葉を言った後ポーチからご褒美を出してあげるように練習しましょう。

ワンちゃんが飼い主さん以外にふらふらと気を取られているときに「褒め言葉」を言ってみて、「なになに?ご褒美くれるの?」と振り返ってくれるようになれば、褒め言葉がちゃんと伝わっている証拠です。褒め言葉を言ったときに期待感をもって飼い主さんの方を見てくれるように練習してみてください!

褒め言葉のかわりになるようなもの

言葉以外でも「嬉しい気持ち」と結びつけることが出来ます。「カチッ」という音が鳴る「クリッカー」という道具を使い、音を褒め言葉として教えることも出来ます。 褒め言葉を教える方法と同じ手順を繰り返し行いましょう。

人の言葉は「大きさ」や「高さ」などが変わったりしますが、クリッカーのような道具を使えば、いつも同じ音を出すことが出来るので、よりわかりやすく教えることが出来ます。さらに、ワンちゃんが飼い主さんから離れている状況でも聞き取りやすい音で褒めることも出来ますので、ぜひクリッカーもチャレンジしてみてください。