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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

高齢犬との接し方②

第64回 高齢犬との接し方②
2016/07
第64回 講師 鈴木 拓真先生
鈴木 拓真先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

前回の記事では、高齢犬との接し方①として、トイレのトレーニングとおもちゃ(知育玩具)を使った遊びをご説明しましたが、今回は、高齢犬の運動・お散歩についてご紹介します。
犬も人と同様、歳をとれば運動機能が低下し若いころと同じように走り回ったり、長時間お散歩に行くことが難しくなります。足腰が弱くなりお散歩に歩きたがらない子も多く、お散歩に行かないほうが良いのかな、と思われている飼い主さんもいらっしゃるかと思います。
ただ、ワンちゃんからすると、ずっと家にいるだけでは気持ちも晴れませんし、かえって老化を速めてしまう原因にもなります。高齢犬だからといっても適度な運動をさせてあげることがとっても大切です。

高齢犬のお散歩について

いくら高齢犬だからといっても、お散歩に行かない、ずっと家の中にいさせてあげる、ということはよくないです。

運動しないと、

・筋力が低下する
・関節が硬くなる
・血行が悪くなる
・体重が増えて、足腰に負担がかかる
・脳への刺激が減り、老化が速まる

などが言われております。歳をとってもお散歩や運動はとても大切です!
ただ、若いころと同じとはいきませんので、長時間ではなく短い時間のお散歩をしてあげると良いでしょう。


短い時間のお散歩をしてあげ、こまめに休憩を入れつつ、無理をさせないように歩きましょう。


また、お散歩中はワンちゃんの様子を見ながら歩くペースを調整するようにしてください。今までは、人のペースに合わせて歩くようにしつけやトレーニングをしていたワンちゃんでも、人についていけなくなっているかもしれません。ワンちゃんのペースに合わせてあげることも必要です。でも、ワンちゃんが行きたい方向ばかりに人がついて行ってしまえば、道路に出て危なかったり、道の真ん中で他の通行人に迷惑がかかることがあります。すべてワンちゃんの自由にするときは、周りに迷惑の掛からない場所を選んであげましょう。


このように地面の匂いを嗅ぐことはもちろんですが、お散歩に行き、いろいろなものをみたり聞いたりすることが大切です。

お散歩に行く前に気をつけること

①頻繁に獣医師と相談しながらワンちゃんの運動を考えましょう。
ワンちゃんの犬種や年齢、性格などによって、適切な運動量は違います。こまめに獣医師と相談することで、ご自分のワンちゃんの健康状態を把握し、適度な運動量のアドバイスを求めましょう。ワンちゃんの健康を第一に考え、体調が優れない時は無理にお散歩に行く必要はありません。また持病があり、運動を制限される場合もあります。そのような場合は、ワンちゃんをカートにのせてお散歩に出かけたりする工夫も必要になります。

②胴輪(ハーネス)を着用しお散歩に行きましょう。
首輪に比べ、体への負担が少ないですし、上体が安定して歩きやすくなります。ただし、いきなりつけられると違和感を感じ、嫌がるワンちゃんもいますので、ごほうびを食べさせながらつける練習をしてください。

③お散歩コースや行く時間、天気を考えましょう。
お散歩コースは、よく行き慣れた道を選んであげましょう。毎回違う道だと、不安がってしまうワンちゃんもいます。また、急な坂道や階段がなく平坦な道のほうが足腰への負担が少なく、ワンちゃんにとって歩きやすい道です。お散歩途中に休憩できる場所があるとなお良いですね。(※坂道や階段を歩くことは、筋力をつけるためには効果的だと言われています。ワンちゃんの筋トレとしてはオススメです。)
お散歩の時間は、早朝や夕方以降の涼しい時間帯を選び、雨や雪などの日は無理していく必要はありません。天候にも配慮して、お散歩に行きましょう。

お散歩以外の運動について

お散歩以外にも、前回の記事でご紹介したように、知育玩具をつかった遊びなどで運動させることができます。



おもちゃを動かしておいしいごはんを手に入れられる遊びは、年齢に関係なく楽しめる運動ですね。
また、コングやガジィーは食べ物を入れた状態で、家の中にいくつか隠してあげるとワンちゃんは楽しく宝探しゲームができます。歩いたり走ったりするだけが運動ではなく、ワンちゃんの目や耳、鼻を使った遊びは老化防止にぴったりの運動です。ぜひ取り入れてください。
ちょっと高度な宝探しゲームはこちらを参考に、チャレンジしてみてください。
第43回 雨の日でも楽しく遊べる!「宝探しゲーム」を教えてみよう