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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

ペットの防災対策〜いざという時のために〜

第72回 ペットの防災対策〜いざという時のために〜
2017/03
第72回 講師 鈴木 拓真先生
岡本 雄太先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

災害時、いざという時の備えは大丈夫ですか?人間のための準備はしているけど、ワンちゃん用のものは準備していない…なんてことはありませんか?地震や津波、台風による洪水被害などの災害が起きた際、飼い主のみなさんは、ワンちゃん(ペット)と一緒に避難する「同行避難」をすることが原則とされています。災害はいつ起こるかわかりません。日頃からいざという時の準備をするということ、備えておくことが大切です。

飼い主が備えておくもの

災害に向けて、人間のものを備えておくことはもちろんですが、大切なワンちゃん(ペット)のものも準備しましょう。

東日本大震災の直後に準備された方が多いかもしれませんが、人間用の食料の賞味期限が切れているケースが多いそうです。ドッグフードなどをすでに準備されている方は、賞味期限を確認する必要もあります。

<備えておくもの>
・フード、水(少なくとも5日分)
・療法食や薬
・リード、首輪
・食器
・ゲージ(クレート)、キャリーなどのハウス
・ペットの写真
・トイレシート、ビニール袋など

備えるものとして、フードの量はわかりやすいと思いますが、水の量がわからない方が多いかもしれません。ワンちゃんの1日の必要量を知り、まとめておくと良いでしょう。犬の1日の給水量として体重(kg)あたり50ml〜(70mi)が目安と言われていますので、覚えておきましょう。また、計算式もありますので、あてはめて調べてもいいでしょう。

<計算式>
「132×体重(kg)の0.75乗」ml
※「1日に必要なエネルギー量(kcal)=1日に必要な水(ml)」という考え方もあり、エネルギー量を求める計算式を使っても知ることができます。

ここがポイント!

人用のみならず、防災グッズは犬用のものも多く販売しております。いくつか紹介いたしますので、参考にしてください。ご自身のワンちゃんに必要なものをしっかりと準備しておきましょう。

●ペット用の靴
災害時、地面が荒れたり、ガラスの破片などが散乱する可能性があります。日頃からいやがらないようにトレーニングしておくのも良いでしょう。靴にもいくつかタイプがあり、ゴム製のもの、マジックテープで固定できるものも販売しています。

使い捨てのものも販売しています。
PAWS(ポウズ)ラバーブーツ
※写真はPAWS HPからお借りしています。

●防災グッズセット
防災グッズをまとめて販売しているものがあります。
予めセットになっているものを準備しておき、備えをまとめておくといいですね。

ペピイオリジナル防災スターターセット
※写真はPEPPY HPからお借りしています。

●防災用洋服
ワンちゃんの身を守るものとして、防災用洋服があります。

石頭くん 特許防災マント
※写真はアイアンバロン HPからお借りしています。

避難場所を確認する

災害時に向けてご自宅から最寄りの避難場所の確認をするようにしましょう。ご自身が住んでいる自治体が公表しています。学校が避難場所になっているケースが多いですが、間違えのないようにしましょう。また、ペットが受け入れ可能なのかを確認することが大切です。原則、ペットは飼い主と一緒に同行避難することが決められていますが、受け入れていない避難所もあるそうです

また、避難所までの道筋を一度歩いてみると実際に避難する際、落ち着いて行動がとれます。ただし、電柱が倒れたり、地割れ、住宅火災などによって、想定していた道が通れない場合もあるかもしれません。いくつかの道を知っておくと理想的ですね。

避難所で人と犬が生活できるように

避難所ではたくさんの人がいます。その中には犬が苦手な方やアレルギーを持っている方がいるかもしれません。色々な人がいる中でも出来る限り、ワンちゃんが苦しい思いをしないように、周りの人たちに迷惑をかけないように、しつけやトレーニングをしておく事が必要になります。

●ハウストレーニング
普段からハウス(クレート、キャリーなど)に入る練習をしておきましょう。
ハウスの中でリラックスできるようにしておけば、避難所でも落ち着きやすくなります。

●トイレトレーニング
至る所でオシッコ、ウンチをするのではなく、決められた場所で排泄ができるようにしておきましょう。ペットシートでできれば、処理も楽ですし理想的です。避難所には犬を飼っていない人も集まります。周りの人の事も考え、排泄物のにおいには気をつけ、処理やマナーを守りましょう。

●基本的なコマンドトレーニング
名前を呼んだら振り向く、オスワリ、マテなど基本的な指示ができるようにしておくといいでしょう。特に「オイデ」は、万が一ワンちゃんが離れてしまった時に呼び戻せるように練習しておきましょう。

その他に、日ごろからブラッシングやシャンプーなど衛生的にワンちゃんを飼育することも大切です。多くのペットが避難所に集まると、匂いが気になります。定期的にシャンプーなやブラッシングのケアを行って、抜け毛や匂いに注意しましょう。また、不衛生にする事でワンちゃん自身の体調を崩す事もありますので、健康維持のためにも重要になります。