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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

外でしかトイレをしない

第76回 外でしかトイレをしない
2017/07
第76回 講師 鈴木 拓真先生
岡本 雄太先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

 外でしか排泄をしないワンちゃんはなかなか多いです。ただ、外でしか排泄ができないと、台風や大雪の日もお散歩に行かなくてはいけなくなって困ってしまいます。「うちのコは絶対家の中ではしないから」と、どんな日でもお散歩に連れていく飼い主さんもいらっしゃると思いますが、室内で済ませることが出来たら、楽ですよね。また、ワンちゃんによっては、雨に打たれて体調を崩してしまうかもしれません。特に老犬の場合は、天候に配慮したお散歩をしないと危険なこともあります。 室内でも排泄ができるようにして、もっとワンちゃんと一緒に生活しやすいようにトレーニングしてみましょう。

トイレを準備しましょう


 ベランダなど半屋外にトイレを設置しましょう。いつも排泄をしているところに似せた環境を作ることが大切です。
※ベランダではなく、家の庭先でも構いません。家の外でしていたトイレをご自宅の中でできるようにするには、家の中にトイレを近づけるようなイメージをもってトレーニングをしましょう。


いつも排泄してるような状況を作るために、トイレシートだけでなく、土や草木を準備して、できるだけお散歩道(外)と似ているトイレを用意しましょう。


もし、足をあげてオシッコをする犬の場合は、ペットボトルにシートを巻き付けて、電信柱のようなものを作ってあげても良いでしょう。


トイレを成功させるために


 お散歩に行く前(普段オシッコをする時間)に、ベランダのトイレスペースに連れていき、排泄を促しましょう。排泄することができたらたくさん褒めてごほうびをあげてください。そして、排泄ができたらお散歩に行くようにしてあげましょう。 また、排泄をしているときは、「ワンツーワンツー・・・」や「トイレトイレ・・・」、「シーシー・・・」などの声をかけてあげ、排泄の合図を教えましょう。 トイレは、場所、匂い、足の裏の感触、音(人の指示の声)などを組み合わせて教えることができます。


最初は排泄するまで時間がかかるワンちゃんが多いですが、このトレーニング中は、設定したトイレで排泄するまではお散歩には行かないで我慢させることも練習のポイントになります。しかし、排泄を我慢させすぎることで体調を崩さないように十分に気をつけてください。すでに泌尿器系の病気を持っているワンちゃんは、絶対に無理をさせないようにしてください。もしトレーニングがうまく進まない場合は、オシッコ吸い取ったシートを置いてあげると、匂いの刺激によってスムーズにしてくれることがありますので、準備してみましょう。
排泄がスムーズにできるようになったら、トイレシートの上に置いていた土や草木などをなくしていきましょう。トイレシートのみでできるようにします。


お散歩のとき自由に排泄させすぎてしまうと・・・


 どんな人でも、家の前にオシッコやウンチがしてあったら嫌な気分になりますよね。犬を飼っていない人、苦手な人がいる社会の中でも受け入れられるように、きちんと決められた場所で排泄できるようにすることが大切です。
 犬は自分の縄張り(=テリトリー)を持つ動物です。そしてその縄張りを主張するためにオシッコ(やウンチ)の匂いを残すマーキングを行います。散歩中、自由ににおい嗅ぎをさせ続けてしまえば、マーキングが癖になり色々な場所で何回もオシッコを繰り返してしまいます。今回のテーマでもある「室内での排泄」もうまく覚えてくれなくなってしまうので、注意しましょう。
お散歩のときは、ワンちゃんの自由気ままに歩くのではなく、基本的にリードは短く持つようにして、いたる所でオシッコ、ウンチをしないようにしてください。いつでも排泄ができる訳ではなく、飼い主が指示したときだけ排泄することを犬に意識させるためにも重要なことです。また、上手なお散歩やワンちゃんの安全管理にもつながりますので、長~く持たないように注意しましょう。

外でしか排泄しないワンちゃんは、自由に色々な場所でさせるのではなく、まずは、1~2カ所決めた場所でおしっこをさせるようにしてみましょう。場所は「ひと気がない土の上」などを選ぶと良いでしょう。アスファルトに比べ、土はおしっこが染み込むため、匂いは残りにくいです。すでにマーキングをよくする犬の場合、初めは排泄の機会をたくさん与え、徐々にその回数を減らしていくようにしましょう。

トイレの場所を変えていく


 ベランダや庭に置いたトイレを家の中に移動していきましょう。
今まで置いてあった場所から遠い距離に設置してしまうと、わからなくなってしまうので、徐々に変えていくことが大切なポイントになります。
 ベランダに置いた場合は、ベランダの入り口に置く、ベランダから一番近い室内に置く、、、といったようにスライドさせてください。庭に置いた場合、は家の方に近づける、庭の近くの窓の前に置く(外)、庭の近くの窓(中)、、、といったように行ってみましょう!