「マット」というコマンドで、ワンちゃんがマットの上まで移動し静かに待つということを教えれば、日々の生活の様々な場面で役立ちます。例えば、掃除・料理などの家事をしているときや来客時など、ワンちゃんに特定の場所で大人しく待っていてほしいときに活用することが出来ます。
お客さんが来たとき、ワンちゃんが大人しくマットの上で伏せていたら、きっとお客さんから「しつけの出来たワンちゃんですねー。」と言われることでしょう。
マットを床に敷き、ワンちゃんにマットの上で伏せの状態をとらせましょう。伏せの状態は、ワンちゃんの鼻先にごほうびを持った手を近づけ、その手を床に降ろすようにして、ワンちゃんを誘導して行います。伏せが出来たらごほうびを与え、マットの上で伏せると良いことがあるとワンちゃんに教えましょう。
マットの上にワンちゃんを連れて行くと何も言わなくても、ワンちゃんが自ら伏せるようになるまで以上の手順を行いましょう。
また、ワンちゃんが伏せの状態から勝手に立ち上がり、マットを離れてしまわないようにするため、ワンちゃんを伏せさせたら、「よし」などの言葉をかけるまでは伏せの状態を維持させるようにしましょう。
最初は短い時間からマットの上で待つことを教え、徐々に待つ時間を長くしましょう。人が離れていてもマットの上で待つことを(第10回「ワンちゃんに“待て”を教えてみよう」を参考しましょう。※ただし今回は「待て」という言葉を使う必要はありません。)以下の写真のように徐々に待つ時間を長くし、最終的には、人が離れていても静かにマットの上で待つことが出来るように教えます。
ワンちゃんが待つことが出来たら、「よし」の言葉でワンちゃんを解放し、ワンちゃんにごほうびをあげて、マットの上で伏せて待つことは良いことだと教えます。
ワンちゃんにマットの上で、「マット」という言葉をかけ、伏せをさせます。ワンちゃんが伏せ、「よし」という言葉をかけるまで動かずに待つことが出来たらごほうびを与えましょう。
ワンちゃんをマットから少し離れたところに連れて行き、「マット」という言葉をかけ、ワンちゃんが自らマットの上に移動し伏せることが出来たらごほうびを与えます。この時も「よし」の言葉があるまではワンちゃんが勝手に動かないようにします。
この手順を繰り返し、マットの位置を徐々に変え、どこの位置にマットがあっても、マットの上に移動し伏せて待つことが出来るように教えます。また、徐々にマットからの距離を伸ばし、遠くからでも「マット」という言葉でマットの上で伏せて待つことが出来るようにするとさらに便利に「マット」を活用することが出来るでしょう。
撮影協力
麻布大学 介在動物学研究室
太陽(たいよう):バーニーズ・マウンテンドッグ 1歳♂