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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

ワンちゃんとの生活の基盤!「お散歩」について考えてみよう

第54回 ワンちゃんとの生活の基盤!「お散歩」について考えてみよう
2015/09
第54回 講師 鈴木 拓真先生
鈴木 拓真先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

ワンちゃんとの生活の中で欠かせないものとして「お散歩」があります。皆さんは日頃どのようなお散歩をしていますか?「うちの子は小型犬だからお家の中の運動だけで充分」「うちは大型犬だから朝晩 1 時間ずつ」など、それぞれのご家庭で色々なお散歩のスタイルがあると思います。 さて、そもそも「お散歩」は何のために行くのでしょうか?「運動のため?」「排泄のため?」「気分転換?」まずは、そこから考えてみましょう!

お散歩の目的を考えてみよう

ワンちゃんとのお散歩は何のために行くのでしょうか?

・運動
・排泄
・気分転換
・ワンちゃんの社会経験
・人の運動


以上の事などが考えられると思いますが、中でも「運動のため」という方が多いのではないでしょうか。
さて、ここで考えられることとして、ワンちゃんにとって「散歩=運動」となっているのでしょうか?
小型犬でおっとりな性格のワンちゃんや高齢の子は十分運動として楽しいお散歩ができると思いますが、もともと狩りをするために改良された犬種のワンちゃんなどは、活発な性格で運動が大好きな子が多いです。
そんなワンちゃん達は、お散歩だけでは、犬の「運動の欲求」は満たすことは難しいことがあります。
ワンちゃんは、大きさによって運動量が決まるわけではありません。必ず犬種の特徴、それぞれのワンちゃんの性格を考えて、お散歩・運動をしてあげましょう。

理想的なお散歩(人にとって、犬にとって)

人が考える理想的なお散歩は「ゆったりと楽しく」「人の横について顔を見て歩く」と考えている方が多いのではないでしょうか。なおかつ、他の人に迷惑にならないように、おしっこは決まった場所でだけさせたかったり、動くもの(車、自転車、小動物)などを見ても落ち着いて、引っ張らずに歩いてほしいものです。
しかし、犬にとっての理想のお散歩、外に出てしたいことを考えてみると「匂い嗅ぎをしていたい」「自由に走り回りたい」「マーキングしたい」「小動物を追いかけたい」など、多くの人が思っているお散歩とは程遠いものがあげられます。犬はもともと持っている本能的な欲求を満たしたいという気持ちが強いです。
犬のしたいことだけを考えたお散歩をしてしまえば、他の人の迷惑になってしまったり、実際にお散歩している人も引っ張られてしまいます。逆に人の考える理想的なお散歩では、「匂い嗅ぎをさせない」や「排泄をさせない」など犬にとって楽しくないお散歩となってしまいます。
それでは、どのようなお散歩をすれば良いのでしょうか。

どのようなお散歩を行うか?

「人も犬も楽しいお散歩をする」ことを目指しましょう。そのために、以下のようなことを行ってみましょう。

・犬が人と一緒に歩くようにトレーニングをする
・犬の運動欲求は遊びを通して満たす
・排泄は決まった場所で済ませること


お散歩は、色々なものを「見たり、聞いたり、確かめたり」するワンちゃんの社会的な欲求を満たす軽い運動として考えてあげ、「走りたい、追いかけたい」などの欲求はお散歩の途中で、公園やドッグランなどに行きおもちゃ遊びなどを行って満たしてあげるのが良いでしょう。引っ張りっこや持って来いあそびなど、それぞれのワンちゃんが大好きな遊びをしてあげましょう。これらを加えるだけでも、お散歩がワンちゃんにとって楽しい時間に変わっていくでしょう。
また、お散歩のときはフードやおやつを持っていき、人と一緒に歩いている時も、褒めながら、コミュニケーションを取ることが大切です。そうすることで、人も犬も一緒に歩くことが楽しいものに変わっていきます。詳しい練習方法は次回ご説明したいと思います。

ワンちゃんとの楽しい遊び方は「第17回 魅力的な遊びを実践!②~ワンちゃんとの楽しい遊び方~」を参考にしてみてください。
また、家でも出来る遊びとして、「第43回 雨の日でも楽しく遊べる!「宝探しゲーム」を教えてみよう」を試してみましょう。

次回は、ゆったりと楽しくお散歩ができるトレーニングをご説明いたします。