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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

動物病院でのマナー

第62回 動物病院でのマナー
2016/05
第62回 講師 鈴木 拓真先生
鈴木 拓真先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

動物病院は、ワンちゃんやネコちゃんなど大切なペットたちの診療をする場所です。ワンちゃんを飼っていれば、予防接種を受けるときや病気にかかってしまったときの治療など毎年数回は動物病院に行きますよね。 今回は、動物病院でのマナーについてお話しします。

動物病院に行く前に

①動物病院に電話連絡しましょう。
「到着の時間」「ペットの情報」などを事前に連絡をすることで、スムーズに診察が受けられます。

②持ち物を確認しましょう。
首輪、リードをつけていくことはもちろんですが、ごほうび(おやつ)も一緒に持って いきましょう。ワンちゃんが緊張したり不安になっているときはごほうびをあげられるよ うに準備しましょう。ワンちゃんによってはハウス、診察中かみついてしまうようなワンちゃんは口輪を持っていくことも考えましょう。
また下痢などが原因で病院に行く場合はウンチを持参したり、その他、伝えづらい症状の場合は写真や動画を撮って持っていくことも大切です。

待合室では

待合室では、必ずリードをつけて飼い主さんのそばにいられるようにしましょう。
待合室にはご自身のワンちゃんだけではなく、他のワンちゃんや動物たちがいます。
リードを付けずにウロウロとさせてしまえば、周りとのトラブルの原因にもなります。必ずリードをつけましょう。
また、待合室にいる他の動物たちには近づかないことが重要です。
相手の子が何か感染病にかかっているかもしれませんし、犬のことが苦手な性格かもしれません。
いくらご自身のワンちゃんが「おとなしいから」「行きたがっているから」といっても周りに迷惑をかけないようにしましょう。


※待合室で粗相をしてしまったときは、、、
もし待合室でトイレをしてしまった場合には、持参したトイレシーツなどで処理をして、その後病院スタッフに一声かけましょう。
消毒などの処置をスタッフがする場合がありますので、きれいにふき取ったとしても必ず伝えるようにして下さい。

<飼い主さんのそばで落ち着く練習>
さて、待合室の中で落ち着いていられるように飼い主さんの足元で落ち着く練習をしましょう。方法はとっても簡単です。
「リードを短く踏む」ということをします。


ワンちゃんの動ける範囲を制限してあげることで落ち着くことを教えていきます。
人がイスに座ったら、リードを短く踏みます。この時は「フセ」など、声をかけません。犬が伏せて落ち着いてくれたら、褒めてあげましょう。落ち着かせることを教えていきたいので、思いっきり褒める必要はありません。
伏せたときに過剰に褒めてしまうと、嬉しくなってまた興奮してしまうので、やさしく静かに褒めてあげることがポイントです。
ワンちゃんの口元にご褒美を落としてあげて、褒めてあげるだけで大丈夫です。
この練習は日常生活でも繰り返し実践することが大切です。繰り返しすることで、飼い主さんが椅子に座ったら、「落ち着く時間だな」とワンちゃんは覚えてくれます。

足元で落ち着く練習の他にも、ハウスの中で落ち着かせてあげることも一つの方法です。
ハウスに入ることになれているワンちゃんなら、安心してその場にいることができますし、周りが見えづらくなるので、気になるもの(他の動物たち)があっても落ち着きやすくなります。
(ハウスのトレーニングは「第1回 ここぞ!! で使えるハウスのトレーニング」「第 58回 上手なお留守番ができるようになろう」をご参照ください。)


また小型犬の場合、膝の上で抱っこをしてあげても良いでしょう。
飼い主さんのそばで安心できますし、他の動物たちとの接触も防ぐことができます。
ただし、抱っこをしているときもリードは必ずつけましょう。急に飛び降りて逃げてしまうこともあります。
大切なワンちゃんを守る意味でもリードをつけることは大切です。
(抱っこのトレーニングは「第 59 回 抱っこのしつけ!」をご参照ください。)

<周りを気にしないようにする練習>
自分のワンちゃんが落ち着いていても、他の飼い主さんやワンちゃんが入ってくると、気になって興奮してしまったり、苦手な子は吠えてしまったり、怖がって動けなくなってしまうことがあります。
そんなときは自分のワンちゃんに、たくさんご褒美をあげて周りから気をそらしてあげましょう。ご褒美をあげれば、ワンちゃんは飼い主さんの方を見ていればいいんだなと覚えてくれます。
また、近づけすぎないように注意することも大切です。動物病院に入った際に他のワンちゃんがいるときは、近づきすぎないように距離をあけ、ご褒美をあげながら、気をそらしてあげましょう。

※どうしても周りが気になってしまうときは、、、
周りのワンちゃんや動物たちを過剰に怖がってしまう、ずっと吠え続けてしまう場合は、外や車の中で待機しましょう。
動物病院のスタッフに一声かけ、一旦待合室から出ることもマナーの一つです。

診察室では

診察室では、診察台の上にワンちゃんを乗せます。そのとき、飼い主さんはワンちゃんが動かないようにしっかり支えてあげましょう。
診察中、台の上から飛び降りてしまったり、治療中暴れてしまうことはとても危険ですので、注意しましょう。
もし飼い主さんが支えることが難しい場合は、病院のスタッフに任せましょう。
また、診察中は獣医師/動物看護師の指示に従うこと、話しをきちんときくことが大切です。


<体をさわられることを嫌がらないようにする練習>
動物病院では、獣医師や動物看護師などほとんどあったことが無い人に、体をさわられたり、体を抑えられます。
犬にとってみれば、診察室の中にいるだけでも緊張してしまうのに、その上、注射で痛い思いをしたり、爪切り、耳掃除などなど、嫌な経験になってしまうことがほとんどです。
毎年毎年、必ず行く動物病院ですから、人に体をさわられること、体を抑えられること、健康管理をすることは日頃から練習してあげ、少しでも嫌な経験を積まないようにしてあげましょう。
また、獣医師からご褒美をもらう練習をすることも大切です。少しでも楽しい&嬉しい経験になるようにしましょう。


体をさわる練習は「第 51 回:ワンちゃんにホールディングを教えてみよう」参考にしてみてください。
体をさわられることにならすことは、動物病院でも必要ですが、一緒に生活していく上でもとても大切です。
飼い主さんがまずは出来るように、またどんな人でもさわられるようにしていくことが大切です。