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ペットとの生活

ドックトレーナー直伝! しつけのコツ

上手なお留守番ができるようになろう

第58回 上手なお留守番ができるようになろう
2016/01
第58回 講師 鈴木 拓真先生
鈴木 拓真先生
鈴木 拓真(すずき たくま)
犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクール®
神奈川県相模原市中央区氷川町3-3 コーポオクモリ1F  TEL:(042)-712-9148
■ドッグトレーナー
麻布大学 獣医学部 動物応用科 卒業
JAPDT:NPO法人日本ペットドッグトレーナーズ協会 所属

みなさんのワンちゃんは上手にお留守番ができますか?家に帰ってきたら、「家具が噛まれていた」「オシッコやウンチをいたる所でしていた」なんてことがないように、今回はお留守番についてのトレーニングをご紹介します。 最近はマンションやアパートなどの集合住宅でもワンちゃんと一緒に暮らしている方が増えています。お留守番が上手に出来ず、ずーっと吠え続けてしまうことで近隣の迷惑となってしまったり、そのせいで苦情がきてしまうこともあります。しっかりと練習して、 ワンちゃんと楽しい生活を送れるようにしましょう!

お留守番トレーニングのポイント

ワンちゃんのお留守番の目標は、飼い主さんがいなくなっても大人しくしていることです。いつでも誰かしら一人は家に飼い主さんがいるようなご家庭でも、ちょっとした買い物や来客の際など、ワンちゃんの視界から人がいなくなる事は必ずあります。その他にも冠婚葬祭などで家族全員が出かけなくてはいけなくなってしまったり、飼い主さんが病気 や怪我で家を離れなくてはいけなくなるなど、お留守番が必要になるときはさまざま考えられます。そのたびに、困ってしまうことがないように「お留守番」のトレーニングは必ず練習しましょう。

■トレーニング前に気を付けるポイント
①しっかりとお散歩(運動)をする
お留守番のときは特に、ワンちゃんのエネルギーを発散させてあげることがとても大切です。しっかりと運動し疲れさせることでワンちゃんが落ち着きやすい状況を作ってあげましょう。適切な運動ができればお留守番中もすやすやと眠って休んでくれるようになります。
2 回の記事を参考にするとよいでしょう。
・第 16 回 魅力的な遊びを実践!①~おもちゃの管理を心がけよう!~
・第 17 回 魅力的な遊びを実践!②~ワンちゃんとの楽しい遊び方~

②安心できるスペースづくりをする
お留守番のとき家の中を自由にしていると、家具をかんでしまったり、窓から見えるものに吠える、排泄を失敗してしまうなどの困ったことに繋がりやすくなります。また、ワンちゃん専用の居場所を作らないことで落ち着かず不安になってしまうことがあります。 サークルで囲ったスペースの中に、ハウス(寝床)とトイレ、お水を入れてあげましょう。
また、おやつが詰められるようなおもちゃを準備して、ワンちゃんが暇つぶしできるようにおやつを詰めて一人遊びができるようにしましょう。

③不安な気持ちにさせないようにする
普段の生活の中で、常に飼い主さんと一緒に生活し、「寝るときも一緒」「飼い主さんが お風呂やトイレに行くときもついてきて待っている」など飼い主さんと離れた経験が少ないワンちゃんは、離れることを不安に感じてしまいお留守番が苦手です。飼い主さんに戻ってきてほしくて吠え続けたり、不安な気持ちから物を壊す、自分の足や体をなめ続けるなどをしてしまうことがあります。
不安な気持ちを作らないためにも、普段からワンちゃん一人で生活する時間を作りましょう。飼い主さんが部屋にいる状況でもサークルやハウスに入る練習をしたり、別々の部屋にしてお留守番の疑似体験をさせていきましょう。はじめは数分で戻ってあげて、「飼い主さんは戻ってきてくれる」こと教えてあげましょう。繰り返し練習して、だんだんと一 人の時間を伸ばしていきます。お洗濯や近くのコンビニに行っている時間など、ちょっとした機会に一人にする練習をしましょう。
練習のはじめは、電気やテレビをつけたままにして、一人ぼっちになったという意識をワンちゃんに持たせないようにしたり、やわらかい毛布などをハウスに入れてあげると落ち着きやすくなります。おやつをいれたおもちゃも必ずあげましょう。

ハウストレーニングをしましょう

Step1 でワンちゃんが安心できるスペースづくりを説明しました。サークル中にあるハウス(寝床)を安心して落ちつける場所として教えてあげましょう。短いお留守番なら、ハウスの扉を閉めて休ませてあげても問題ありません。 ワンちゃんを狭いところに閉じ込めてかわいそう、と感じるかもしれませんが、ワンちゃんは本来、四方が囲われて身を隠すことができ外部の刺激(音や光)などが少なく、身を守りやすい場所を好みます。人も体育館のようなだだっ広い空間よりも、ある程度制限 された自分の部屋の方が安心できますが、ワンちゃんにとっても同じなのかもしれません。 それでは実際に、ハウスの中に入る練習をしてみましょう。ハウスは、悪いことをした ときや怒られたときに閉じ込める「嫌な場所」ではありません。犬が安心して落ち着ける「大好きな場所」として教えてあげます。


ハウスの中にご褒美を入れワンちゃんをハウスの中に誘導しましょう。 中に入ることができたら、ハウスのいたるところの隙間からご褒美を 入れ続け、ワンちゃんがハウスの中にとどまるようにしましょう。 ※扉は閉めません。


ワンちゃんが自発的にハウスに入りたいと思わせるために、ご褒美を中にいれた状態で扉を閉め、じらします。 扉を開け、ワンちゃんが入ったら①と同様にいたるところの隙間からご 褒美を入れましょう。 ※扉は閉めません。


ご褒美をいれなくてもハウスに入れるようにするため、ご褒美をいれたふりをして扉を閉めます。 扉を開けワンちゃんが中に入ったらご褒美をあげましょう。




ハウスに入ることに慣れてきたら、ワンちゃんが入った後、扉を閉めてみましょう。 最初は、ご褒美を食べ終わるのを見計らって、すぐ出してあげましょう。この時「閉じ込められた!」とネガティブな感情を持たせないように気を付けます。 また、入ると同時に「ハウス」と言って、コマンドを付けていきます。


ご褒美が詰められるおもちゃを使って長時間ハウスの中で楽しめるようにしましょう。 最初は、ご褒美がなくなったら扉を開けて出してあげましょう。おやつの詰め方を工夫し、長時間入っていられるようになるまで練習を繰り返します。

はじめは短い時間から練習しましょう。
無理をせず、できる範囲から徐々に時間をのばしていき、最終的には自ら進んでハウスを寝床として選ぶことを目標にしましょう。