- ペットにとってトッピングをするメリットと、逆にしないほうがいいときを教えてください
- “総合栄養食”と書かれているペットフードはそれと水だけで必要な栄養が過不足なく摂れるように作られているため、栄養学的には何かをトッピングする理由はありません。しかし、食が細かったり、食欲にむらがあって十分なペットフードを食べない場合にはトッピングをすることでしっかり食べてくれるようになることがあります。また、例えばスポーツドッグなど通常のペットよりも栄養が必要な場合や、ダイエットが必要なペットのためにローカロリーの食材で“かさ増し”したいときなどにもトッピングは有効です。
- 逆にトッピングをしてはいけないのは、慢性的な疾患があって療法食を食べているときです。療法食とは栄養バランスを整えることで疾患に対応するための食事、いわば食べる薬なので、ほんの少しのトッピングでも療法食の効果が失われてしまうこともあります。持病があるときには、食事にトッピングしてもいいかどうかをかかりつけの獣医師に相談してみてください。
- おススメのトッピングとその特徴を教えてください
- 基本的なルールとして、トッピングに使う食材は人も食べることが出来るもので、味付けをしていないものにしてください。その中でお勧めのトッピングには次のようなものがあります。
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- 乳製品(動物用チーズ、動物用粉ミルク、ヨーグルトなど)
- 乳製品はほとんどのペットが大好きでたんぱく質やカルシウムも多く含んでいるので、食欲増進としてお勧めです。チーズは塩分が多いものがあるので、必ず味見をしてごく少量を与えるようにしましょう。また牛乳は含まれている乳糖が消化できずお腹を壊すことがあるので動物用粉ミルクを使うようにしましょう。ヨーグルトや乳酸菌飲料はペットのお腹にも有用ですが、糖分が入っていないものを選びましょう。
- 野菜や果物(サツマイモ、バナナ、カボチャ、キャベツ、ブロッコリー、リンゴなど)
- 野菜は食物繊維が豊富でローカロリーなので、おなかを整えたりダイエット中のペットに有効です。サツマイモやカボチャなど加熱すると甘みが出る野菜や果物は特にワンちゃんが好きですが、カロリーが高めなので量にはくれぐれも注意しましょう。また、後述のペットが食べられない野菜もいくつかあるので気を付けてください。
- 肉
- 嗜好性が高く、ついたくさん食べさせたくなってしまいますが、なるべく脂の少ない部分をごく少量与えるようにしましょう。生肉を与えるときには衛生面に注意し、必ず生食用のものを与えるようにしてください。
- 魚
- 不飽和脂肪酸を含み、体に良いタンパク源ですが、干物になっているようなものは塩分を多く含んでいるので注意してください。骨など食べられない部分は必ず取り除いてから与えてください。
- 豆製品
- 納豆や豆腐はカロリーが低くたんぱく質も豊富です。おからも食物繊維が豊富なのでダイエット時のかさ増し食材になります。
- 逆にトッピングを避けたほうが良い食材にはどのようなものがありますか?
- 基本的に人が食べないものは与えないようにしましょう。例えば加熱していないイモ類や果物の種、茹でていないえぐみのある野菜、などです。
- また人が食べるものであっても、塩分や糖分、香辛料の味付けがしてあるものや添加物が多く含まれている加工品などもトッピングに使わないようにしましょう。ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ、ニンニク)やブドウ、アボカドはペットにとって有害なので与えないように気を付けてください。
- トッピングをすると栄養に偏りが出てしまいそうで心配です
- トッピングをするときには与える量に注意しましょう。嗜好性を上げるためだけならば、匂い付け程度ごく少量をフードに振りかけるだけで十分です。もしも美味しいトッピングだけを食べてしまって下のフードを残してしまうようなら、トッピングとフードを良くかき混ぜて全体をしっかり食べてもらうようにしましょう。
- また、ダイエットなどで茹でた野菜などを与える場合でも全体の2割を超えない量にしましょう。それ以上与えるとベースとなるフードの栄養バランスを壊してしまうことがあります。
まとめ
何種類もの食材をカラフルにトッピングしたフードは見た目に美味しそうですが、ペットが何らかの食物アレルギーを持っている可能性もあるので、一度にのせるトッピングはまずは1~2種類にして、新しい食材を与えるときにはごく少量から始め、すこしでも体調に変化(下痢、嘔吐、皮膚炎など)が見られるようならそれは与えないようにしましょう。