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犬に必要な栄養

犬も人と同じく六大栄養素と呼ばれる、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水が必要です。食べ物からこれらを摂っていますが、どの栄養素をどのくらい摂ればいいのか、その割合は人とは異なります。

犬の祖先はオオカミで、基本は肉食ですが、オオカミも狩りで得た肉類のほかに木の実や果物などを食べていたことが最近の研究でわかってきました。そして、人と暮らすようになった犬は人と同じものを食べるようになって、より雑食に近くなり、次のような栄養的特徴がうまれました。

たんぱく質の必要量は人の2倍
たんぱく質は体を作り、健康を維持するために重要な栄養素であり、肉の主成分です。犬に必要なたんぱく質は体重1㎏あたり1.3~2.8gで、これは人の約2倍に相当します。たんぱく質は約20種類のアミノ酸から作られていますが、アミノ酸には体内で合成することが出来るものと、食物から摂取しなければいけないものがあり、後者のことを必須アミノ酸といいます。必須アミノ酸は動物によって異なり、犬の必須アミノ酸はイソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、バリン、リジン、ロイシン、トリプトファン、ヒスチジン、アルギニン、の10種です。
脂質はカロリー源だけではない
脂肪はカロリーが高い栄養素でエネルギーとして使われるほか、細胞膜や神経、ホルモンの原料としても欠かすことが出来ません。健康な成犬の場合、フード中の脂肪は乾物重量あたり5.5%程度が望ましいとされています。食物からしか補給することが出来ない脂質を必須脂肪酸といい、犬の必須脂肪酸にはリノール酸とα-リノレン酸があります。猫の場合、アラキドン酸も必須脂肪酸ですが、犬はリノール酸からγリノレン酸を経て作り出すことが出来ます。
炭水化物中の食物繊維は必要
犬は元々肉食動物なので、たんぱく質を十分に摂取できていれば穀類などの炭水化物は積極的に摂る必要はありません。しかし、人と暮らすようになった犬は肉以外の食べ物を多く与えられるようになり、オオカミよりも炭水化物をエネルギー源として利用できるようになり、今ではほとんどのドッグフードに炭水化物が入っています。また、炭水化物に含まれる食物繊維は腸内細菌叢を整え、健康な排便を促すため、犬にも積極的に食べさせたほうが良いことが最近になってわかってきました。
ビタミンCは不必要
ビタミンは体内で代謝を調節する有機化合物で、ビタミンBなどの水溶性のものと、ビタミンAやDなどの脂溶性のものがあります。水溶性のビタミンCは、人と異なり犬は体内で作ることが出来るので、食物から必ず摂らなければいけないものではありません。
ミネラルはバランスが大切
体を作るのに大切なミネラル(無機物)としては、リン、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、クロール、イオウ、鉄、銅、ヨウ素などがありますが、これらはお互いにバランスを取り合っているので、どれかが多すぎたり少なすぎたりしないように摂ることがとても大切です。

また、犬も成長期、成熟期、高齢期など、ライフステージによって必要な栄養量が変化します。

成長期

犬の場合、成長期は犬種によって異なり、小型犬は生後8~10か月ですが、グレートデンなどの超大型犬は生後2年くらいまでかかることもあります。どの犬種も生後2か月までに急速に大きくなって、それ以降は緩やかに成長するのが普通ですが、その成長の度合いに合わせて、十分な栄養が必要になります。離乳直後の子犬は成犬の2倍のカロリー、1.25倍のたんぱく質を含んだフードが必要になります。

高齢期

犬はだいたい7歳を過ぎたころから高齢期になります。運動量と代謝カロリーが減るため、カロリーを控え消化の良い食事に替え、体内の老化に対応した抗酸化成分を含んだものにすると良いでしょう。また、心臓病や腎臓病などミネラルのバランスが崩れる病気にもなりやすいので、そのときにはそれらに対応した療法食にする必要があります。

まとめ

犬には犬の栄養バランスがあり、人と同じものを食べていると栄養バランスが崩れてきてしまいます。そのときの犬に必要な栄養を過不足なく食べさせることが、健康でいるためにとても大切です。手作りでご飯を作るときにはどんな栄養がどのくらい含まれているのか、よく調べて材料選びをしましょう。

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