こんなところに要注意
ペットが家庭内でやけどを負う状況はいろいろです。
- 本体が熱くなるものや熱い蒸気が出る物に触ってしまった、近づきすぎてしまった
- ストーブやヒーターなどの暖房器具、アイロン、IHコンロ、アウトドアグリル、炊飯器や電気ポットの蒸気孔など。
- 熱い油やお湯に触れてしまった
- 調理中のてんぷら油や熱湯、沸かしているお風呂など。
- 低温の暖房器具に長時間直接触れてしまった
- ペットが寝ている場所に設置したゆたんぽ、ホットカーペット、カイロなど。
- 通電中の電気コードを咬んでしまった
- 感電による口腔内のやけどなど。
様々な場所に危険が潜んでいます。
ペットは全身を被毛で覆われているがゆえに熱い場所に近づきすぎていることが自分でわからないことがあり、特に寒い日などはストーブの火などに近づきすぎてしまいます。
また、ペットの寝床にペットヒーターなどを設置した時に、低い温度だから大丈夫と直接ペットの皮膚に触れるようにしてしまうと低温やけどを起こしてしまいます。
特に高齢のペットは長時間同じ体勢で寝ることにより広範囲で深い組織までダメージを受けてしまうことがあり、非常に危険です。
やけどはとても怖い事故
やけどはその程度によって大きく3段階に分けることが出来ます。
- 1度
- 皮膚に赤みが出る程度。毛が生えているので皮膚の変化を見つけるのが難しいが、痛みがあるので気にして舐め壊してしまったりすることもある。
- 2度
- 皮膚に水泡が生じる程度。毛も抜けてしまい、痛みが強い。1か月近く治療が必要で、治っても痕が残ることがある。
- 3度
- 皮膚の下の筋肉近くまで組織が焼けてしまう状態。表面が黒いかさぶたのようになってしまうこともある。皮膚が再生しないので表面がケロイド状となり、痕が残る。場合によっては皮膚移植が必要になることもある。
やけどの程度が浅くても範囲が広ければ、脱水や血圧の低下、細菌感染による敗血症などから命に危険が及ぶこともあります。
やけどをしてしまった時の応急手当
ペットのやけどに気づいたら、まずはすぐに患部を冷水で冷やしましょう。直接冷水シャワーをかけたり、水桶に患部を浸してしっかりと熱を取るようにしましょう。
もし皮膚が大きく損傷していて流水が刺激になりそうなら、ビニール袋に氷水を入れて、濡らしたガーゼ越しに患部を冷やしても良いでしょう。
そして濡らしたガーゼで軽く覆ったまま、なるべく患部には触れないようにして出来るだけ早く動物病院に連れて行きましょう。
ペットが気にして患部を舐めてしまうと患部に雑菌が入り状態を悪化させてしまうので、なるべく舐めさせないように、出来ればエリザベスカラーのようなものを一時的につけておいたほうが良いかもしれません。
また、病院での治療の妨げとなりますので市販の軟膏や油類などは自己判断でつけないようにしましょう。
まとめ
ペットのやけどは飼い主でも気づかないことがあり、数日たってからいきなり毛がごそっと抜けて気が付く、ということもあるようです。
やけどをしないように普段から熱が出る物に対しては気をつけることが大切です。ストーブやヒーターなどには接触防止の囲いを設置したり、ペットヒーターはなるべく低い温度で必ずマットの下に敷いてペットが直接触れないようにし、さらにタイマーを使って暖房器具がつけっぱなしにならないように気をつけましょう。
十分な配慮で事故のない冬を過ごしてくださいね。