- 食事性アレルギーの症状とはどのようなものでしょうか?
- 食事性アレルギーの症状は大きく「消化器症状」と「皮膚症状」の2つに分けられます。
- 消化器症状では主に吐き気や下痢が見られますがあまり多くはありません。
- どちらかと言えば皮膚症状が見られることが多く、その症状は主にかゆみです。
- 特に一歳未満から症状が強く現われ、外耳炎を繰り返し、抗ヒスタミン薬やステロイド剤にあまり反応しない季節に関係なく見られる痒みの強い皮膚炎が続く場合には食事性アレルギーの可能性が高いと言えるでしょう。
- 食事性アレルギーはどのような食べ物が原因になるのですか?
- 食事性アレルギーは食べ物の中に含まれる主にタンパク質がアレルゲンとなっておこるため、タンパク質を含むさまざまな食材が原因となります。
- 主なものでは肉類(鶏肉・牛肉など)や穀類(小麦・豆類・トウモロコシ・米など)、魚介類、乳製品、卵などが挙げられますが、これらの食材をそのまま食べるだけでなく、これらを原料としたフード類などもすべてアレルギーの原因となるため、注意が必要です。
- 残念なことに、食事性アレルギーを持つペットの多くは一般的なペットフードの原料になっているもの(鶏肉・牛肉・小麦・トウモロコシなど)がアレルゲンとなっているようです。
- ただし、どの食材に対して強くアレルギー症状を出すのかはペット個々で異なりますので、まずはアレルゲンを特定する必要があります。
- アレルゲンはどのようにするとわかるのですか?
- 何がアレルギーの原因になっているのかを確認するには、動物病院で血液を採取して、それを検査センターに送って調べてもらう方法があります。
- 血液中の物質を調べることによって数十種類挙げた候補の食材のどれに対してアレルギー反応を起こしているのかを見つけるのです。
- また、もし家で調べるのであれば、食物除去試験、という方法があります。
- これはペットのごはんを一旦、処方食の低アレルギー食に変えるか、すべて今まで食べたことのない食材に変えて手作りのご飯にして、まずアレルギーが出ない食事をしばらく続け、症状がでなくなったところで、そこから1種類ずつ食材を足してみて、何を食べさせたら症状が出るようになるのか、というのを調べる方法です。
- 食事性アレルギーと診断されたら、どのようなことに気をつければいいですか?
- 食事性アレルギーの症状を悪化させないためには、原因となる食べ物を今後一切口にせず、アレルギーを起こしにくいものを原料とした食事に変えることが最も重要になります。
- アレルギーを起こしにくい原料とは、今まで食べたことがないものが多く、たとえば肉類でも鹿や七面鳥、カンガルーといったものです。
- また、加水分解タンパク質といってあらかじめタンパク質を細かく分解してある物が原料になっているフードも低アレルゲンのフードとして使用することが可能です。
- そして、それと同時にかゆみや皮膚炎といったアレルギーの症状をなるべく早く抑える治療を開始します。
- 食事性アレルギーと診断されたら、もうおやつは一切食べさせることができなくなってしまうのでしょうか?
- ペット用のおやつの中には、干し肉のような1種類の素材だけを使ったものもあります。
- もし、その素材がアレルゲンとならないのであれば、おやつにしても構いません。
- ただし、それはあくまでもおやつなので、それだけでおなかがいっぱいにならないように、栄養のバランスを考えてあげるようにしましょう。
- 食事性アレルギーのペットのために、ごはんを手作りしてあげたいと思うのですが、どのようなことに気をつければいいですか?
- もし、アレルゲンとなる食材を含まないフードがなかなか見つからない時には毎食飼い主さんが手作りをしてあげるのも一つの方法です。
- その時に大切なポイントは2つです。一つは当たり前のことですが「アレルゲンとなる物を入れない」ということです。
- この時にアレルゲンを含む食材にもくれぐれも気をつけなければいけません。
- たとえば乳製品のアレルギーの子に牛乳が入っているパンを使う、というようなミスを犯しがちなので、なるべく食材は素材がはっきりしている物を選びましょう。
- もう一つのポイントは「全体の栄養バランスに気をつける」ということです。
- 本来、栄養の過不足なくペットの食事を作り続けるということは非常に大変です。
- このようなときには内容のしっかりした市販の栄養補完食を使って、一部を手作りにするというのも一つの方法です。