ダックスフンドの歴史
現在のダックスフンドの祖先にあたる犬は、オーストリアやドイツの山岳地方に存在した中型のピンシェルやジュラハウンドと呼ばれる猟犬で、ダッケル又はテッケルとも呼ばれ、中世の時代より知られてきました。
当初は普通の猟犬と同じ体型でしたが、アナグマやキツネ・野ウサギなど穴に潜む動物の猟で、巣穴に潜って獲物を追い出すことに適した体型が求められるようになり、少しずつ胴長短足に変化していきました。
最初は、現在のスタンダードサイズよりやや大きく、スムースタイプのダックスフンドでしたが、獲物の大きさに合わせてスタンダード、ミニチュア、カニンヘンの3つのサイズになり、さらにテリアと交配させてワイアーヘアを、スパニエルと交配させてロングヘアーを作り出してきました。
1888年には、ドイツにダックスフンドの最古のクラブ「Deutscher Teckelklub」が創立されました。
ダックスフンドのサイズ
ダックスフンドには3つのサイズと3パターンの被毛があります。大きな方からスタンダードダックスフンド、ミニチュアダックスフンド、カニンヘンダックスフンドとなります。
ダックスフンドのサイズは、体高ではなく胸囲で決められます。
- スタンダード(体重9kg~12kg) 胸囲35cmを超える。
- ミニチュア(体重~5kg) 生後15カ月を経過した時点で測定し、胸囲30~35cm。
- カニヘン(体重3.2~3.5kg) 生後15カ月を経過した時点で測定し、胸囲30cm以下。
サイズが小さくなったのは、獲物の種類や大きさと巣穴の大きさが基準となっています。スタンダードがアナグマ猟に使用されたのに対して、ミニチュアやカニンヘンはウサギやネズミなどの穴にも入れるように小さくなったのです。
原産国ドイツのダックスフンドクラブでは、一番小さいカニンヘンが「猟に対して最も情熱的」とされているほどですから、小さいから愛がん用ということではありません。
ダックスフンドのサイズ
- 単色
- レッド、レディッシュ・イエロー、イエロー。全色において黒毛が散在しているもの(シェーデッド)とそうでないものがあります。白い斑は望ましくないとされています。
- 2色
- 濃いブラック又はブラウン(チョコレート)。それぞれにタン又はイエローの斑が、目の上、マズル及び下唇の側面、耳朶の縁の内側、前胸部、脚の内側及び後部、足の上、肛門の周り、そこから尾の下側の3分の1又は半分に見られます。
- その他の色(ダップル、タイガーブリンドル、ブリンドル)
- ダップル(まだら模様)はダーク(ブラック、レッド又はグレー)のベースに不規則なグレー又はベージュの斑(大きい斑は望ましくない)があるものです。ブリンドル(縞模様)はレッド又はイエローで濃い縞があります。
ワイアー・ヘアーの場合、上記のほかに、明色または暗色のワイルドボア(イノシシ色)ないし枯葉色(ドライ・リーフ、デッド・リーフ)があります。
ダックスフンドは毛色が多いのですが、白っぽい珍しい毛色には注意が必要です。ダップル同士を交配させると(ダブルダップル)、視覚、聴覚、心臓や内臓欠陥という障害を持って生まれてきてしまう確率も高く、遺伝性疾患が起こるなどダックスフンドの健康に重大な影響が起こることもあります。
ダックスフンドの特長
ダックスフンドの一番の特長は何と言ってもあの体型でしょう。足が短くても動作は俊敏 で、足腰の筋肉は固く引き締まっています。口先はやや長く、耳は長く垂れ、目は大きく ぱっちりとしています。
被毛の種類によって次のように性格が異なると言われています。
- スムース・ヘアー
- 猟犬として活躍していた初期のダックスフンドの特徴を、一番濃く残しており、好奇心旺盛で、明るく活発です。
- ワイアー・ヘアー
- テリア系の気性の強さが表れることがあります。やや頑固な面があり、きちんとしつけをすることが大切です。
- ロング・ヘアー
- 穏やかなスパニエル系の性格を受け継ぎ、猟犬よりは愛玩犬としての性格が見られます。優しく、甘えん坊で人が大好きな子が多いようです。
ダックスフンドの食事
胴が長いので椎間板ヘルニアの好発犬種であることが知られています。
発症を予防するためには太らせないことが最も大切なので、体重管理に気をつけながら一日の食事量とカロリーに気をつけてあげましょう。体幹を支える筋肉をつけるためには良質のたんぱく質をしっかりと摂ることを心あげてください。
長生きの犬種なので、7歳を過ぎたらシニア用のフードにしてあげましょう。
まとめ
ダックスフンドは胴長短足の容姿ばかりが注目されがちですが、優秀な猟犬として長い間人と共に暮らしてきたため、家族に対する思いやりが非常に深い犬種です。
しかし、それが裏目に出て他人に対して気が強く、大きな声でよく吠えることから様々なトラブルをおこしてしまうこともあるようです。体が小さくて可愛らしくても基本的なしつけをきちんと行って飼うようにしましょう。