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マルチーズについて

真っ白でサラサラの毛並みに真っ黒な瞳と鼻、じっとしていたらぬいぐるみと区別がつかない愛らしさのマルチーズは、かつてポメラニアン、ヨークシャーテリアと共に「室内小型愛玩犬御三家」と言われ、一世を風靡していました。現在の飼育件数はさすがに他の小型犬にやや押され気味ですが、それでも人気の品種であることは間違いがありません。

マルチーズの歴史

マルチーズは英語で“Maltese”と表記され、“マルタの犬”という意味があります。紀元前1500年頃に地中海のマルタ島に出入りするフェニキア人の船乗りがペットとして飼っていた犬を持ち込んだのが元となっているからです。

犬としては珍しく、使役を目的としなかったため、世界最古の愛玩犬と言われ、ギリシャやエジプトなどでも飼われていた記録が残っています。その後、シシリア島を経てヨーロッパに広がり、14世紀にはフランスやイギリスの貴婦人の“抱き犬”としてブームとなりました。

1813年にマルタ島がイギリスの属領となったときにはヴィクトリア女王にも献上され、イギリスのドッグショーにも出るようになりました。その後、一般市民の間にも広がり、1888年にはアメリカのケンネルクラブにも認定され世界での人気が不動のものとなりました。

日本では1960年ごろから飼われるようになりましたが、お座敷犬としてすぐに人気となり、1968年から1984年まで飼育ランキングの1位を守ってきました。

マルチーズのサイズ

雄雌共に同じくらいの体型で、体重はオスメス共に3.2㎏以下、2.5㎏を理想とし、体高については規定がありませんが20~25㎝くらいとします。

骨が細く、華奢な骨格なので、抱っこして落とすと骨折をしやすく、十分に注意する必要があります。

マルチーズの毛色と毛質

マルチーズと言えば純白の犬というイメージで、ほとんどのマルチーズは白一色の毛色ですが、やや黄色がかった色(タンもしくはレモンイエロー)が部分的に出ることもあるようです。

毛質は柔らかなシングルコートで、光沢のある美しさからシルキーコート(絹糸のような)と呼ばれることもあります。非常に細い被毛は伸び続け、毛玉になりやすい毛質でもあるので、家庭犬では手入れがしやすいように顔周りを丸くカットしたテディベアカットや、全身を短くカットしたボブカットなどのトリミングを定期的に行うことが多いのですが、ショーでは全身を地面に届くほどの長さ(フルコート)にすることが一般的です。

アンダーコートがないので、暑さ寒さには弱く、特に冬には防寒着を着せたほうが良い場合もあります。

マルチーズの特徴

基本的には人懐っこく明るい性格をしています。活発で好奇心が旺盛ですが、落ち着きがないと言うほどでもなく、やや内弁慶ではありますが、社交性もあります。飼い主に対しては従順で家庭的ですが、家族を守ろうとして知らない人や犬に向かっていってしまうこともあるため、来客時にはやや注意したほうが良いでしょう。

運動はあまり必要ではありませんが、おとなしくて手がかからない室内犬だからと言って、あまり外に連れて行かなかったり、家族以外の人に会わせなかったりすると神経質な性格になることもあるので、子犬のころからいろいろな場所に連れて行って、多くのことを経験させてあげましょう。

マルチーズの食事

口元が小さく華奢なので、あまり大きなキブルや固いものは食べられません。しかし、柔らかいものばかりでは歯石が付きやすくなるので、小さいころから食後の歯ブラシを習慣づけてあげましょう。

また、口回りの毛が伸びてくると食べ物の汚れが付きやすく、不潔にしていると皮膚炎などをおこしやすいので、食後は顔周りをきれいにしてあげましょう。

まとめ

最近“ミックス犬”という、人気犬種同志を掛け合わせたものがブームとなっていますが、その片割れとしてマルチーズがよく選ばれています。マルプー(マルチーズ×プードル)、チワマル(チワワ×マルチーズ)、ポメマル(ポメラニアン×マルチーズ)などなど…

想像してみると確かにマルチーズの血が入っていれば、その可愛さは保証されているように感じますね!

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