- 留守番をさせるときの室内について、どんなことに気をつければいいでしょうか?
- ペットに留守番をさせるときに大切なことは、安全で快適な室内にしておくということです。
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- 戸締りをきちんとしておく
- 留守番中ペットが窓から外やベランダに出てしまう事故が多発しています。鍵のかかっていない窓や網戸はペットも開けることが出来るので、人が出入りできない大きさの窓でも戸締りはきちんとしてから出かけましょう。また、危険な場所に入れないように屋内でも台所や風呂場などの扉は閉めておく、またはゲートなどを使って入れないようにしておきましょう。
- ペットが口に入れそうなものは片づけておく
- 留守番中に変なものを食べて中毒や喉詰まりを起こしたり、カジって物を壊されたりしないように、なるべくペットの口が届くところには物を置いておかないようにしましょう。
- 室内の温度や湿度には気を付ける
- ストーブなど、無人では危険な暖房器具はもちろん消しておくべきですが、暑すぎたり寒すぎたりする環境では留守番も苦痛になってしまいます。エアコンなどを上手に使ってペットがリラックスできる環境を整えてあげましょう。
- 留守番の練習方法を教えてください
- いままで家の人とずっと一緒にいたペットをいきなり留守番でひとりぼっちにさせてしまうと、後述の“分離不安症”という病気になってしまうかもしれません。留守番は普段から少しずつ訓練をしてひとりで過ごす時間に慣れさせていく必要があります。
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- 短時間の留守番から徐々に時間を伸ばしていく
- まずは声をかけずに1分間だけ玄関から外に出て戻ってきます。戻ってきた後も特に声はかけません。これを数日繰り返し、ペットが気にする様子がなかったら徐々に時間を伸ばしていきます。そのときに重要なのが『同じことを繰り返さない』ということです。毎日同じ時間に出かけるとか、出かけるときに必ず同じ上着を羽織る、など出かける前触れを示すとそれが不安の引き金になってしまうことがあるので、あくまでさりげなく少しの間席を外し、静かに戻ってくる、ということを繰り返してひとりでいることに慣れさせます。
- クレートトレーニング
- クレートトレーニングとは、クレートに自分だけの居場所を作り、ここにいれば安心ということを覚えさせる訓練で、これが出来ていると留守番だけでなく旅行や入院、災害避難時などにもとても役に立つので、日ごろから是非行っておきましょう。「ハウス!」の合図でクレートに入ったら、中でおやつをあげたり、毛布やお気に入りのおもちゃを入れて、寝たりリラックスする習慣をつけ、その間に短時間外出するようにします。クレートを居心地の良い場所だと覚えれば、中で静かに留守番することができるようになるでしょう。
- 留守番をさせるとなってしまうという“分離不安症”とはどんな病気ですか?
- 家族のことが大好きで、家族と一緒にいることが当たり前だと思っていたペットが突然ひとりぼっちにさせられてしまうと、寂しさでパニックになってしまい、不安から様々な問題行動を起こしてしまう症状を“分離不安症”と言います。
- もともと群れで生活をしていた犬に多く見られていましたが、最近は家の中で家族だけと暮らしている猫でも増えているようです。
- 留守番中に次のような行動がみられた場合は“分離不安症”の疑いがあります。
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- 家の中の物が壊れている(おもちゃがバラバラになっている、布や紙類がびりびりになっている、など)
- ずっと鳴いている
- トイレ以外で粗相している
- 下痢や嘔吐など体調を崩している
- また、人が外出しようとすると落ち着かなくなり、全力で阻止しようとするなどの行為が見られることもあります。
- “分離不安症”は留守番に慣れさせ、「待っていれば必ず家族が帰ってくる」と教えていくことで徐々に治していくことが出来ますが、重症の場合は向精神薬などの薬を使うケースもあります。まずは動物病院かドッグトレーナーに相談してみましょう。
- 留守番に便利なグッズは?
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- コングのようなおもちゃ
- ペットがひとりで留守番をしている間、何もすることがなくて退屈だったら、やはり留守番は「嫌なこと」になってしまいます。遊びながらおやつがもらえるような長時間遊べるおもちゃを用意してあげるといいでしょう。
- 自動給餌機
- 半日以上留守番をさせるような場合、自動でご飯が出てくるような装置があれば、空腹でペットがごみ箱をあさったりすることはなくなるでしょう。
- 監視カメラ
- 室内に設置し、外出先からペットの様子を見ることが出来るペット用カメラは各社で売られています。最近は見るだけでなく、こちらからペットに話しかけたり、ペットにおやつをあげたりすることが出来るものもあるようです。
まとめ
ペットに留守番をさせるときについやってしまいがちな間違いとして、出かける前に『しばらくの間一人でいい子でいてね』と言い聞かせたり、帰宅したらすぐに走り寄って『ひとりぼっちにしてごめんね。さみしかったねえ』と話しかける、というような行為があります。
これらの行為は留守番を特別なこと、すごく大変なこと、とペットに意識させてしまい、いつまでたってもひとりで待つことに慣れることができません。留守番は気負わずさりげなく、ペットの自立心を育てながら上手にできるようにしていきましょう。