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皮膚を痒がっているときの対応

ペットの皮膚に何らかのトラブルがあれば、通常まず痒み(かゆみ)が生じます。ペットは違和感に対して我慢をしないため、ちょっとでも痒みがあれば爪や歯を立てて体を掻きむしってしまいがちです。するとあっというまに毛がごっそりと抜けてしまったり、皮膚が傷ついてどんどん状態を悪化させていってしまいます。ですので、たかが痒がっているだけ、と軽くとらえずに普段からペットの様子に気を配り、痒みの原因に応じた対応を素早く始めることがとても大切になってきます。

こんなしぐさに要注意

ワンちゃんやネコちゃんが体を痒がっているときには次のようなしぐさがみられます。

後ろ足で耳の後ろやわき腹をボリボリと掻く
特に耳の中や首回りなど口が届かないところに痒みがあるときは、後ろ足を使って体を掻きます。耳の後ろの毛が薄くなっているようなときには要注意です。
前足で口元や目をこする
ネコちゃんは普段から毛づくろいをするときに、前足を使って顔周りをぬぐうようなしぐさをしますが、痒いときにはもっとごしごしと前足に顔をこすりつけるようなしぐさをします。
口で体のあちこちを咬む
特にノミが寄生しているようなときには、突然振り向いて背中をカシカシと咬むようなしぐさをします。
指の間をぺろぺろと舐め続ける
伏せの姿勢で前足の指の間を一心に舐めているようなときには、指の間が痒いときで、常に唾液で濡れることで、被毛が赤茶色に変色することもあります。
お座りの姿勢でお尻を地面に擦り付ける
肛門の近くに痒みを感じるときには、後ろ足を投げ出したお座りの姿勢のまま、ずりずりとお尻を地面にこすりながら動き回ることがあります。
地面に転がってゴロゴロと背中を地面にこすりつける
体全体が痒いときは、地面にひっくり返ってゴロゴロする動作を繰り返したり、柱や人を使って体をゴシゴシとこすりつけることがあります。

痒みの原因

ペットが激しく痒みを訴えているときには何らかの病気が疑われます。

痒みが主症状となる病気には次のようなものがあります。

アレルギー
  • 食餌性アレルギー:食べたものの中にアレルギーの原因となる成分が含まれており、主に口の周りや肛門周囲、足先や脇の下などを強く痒がります。
  • アトピー:皮膚のバリア機能が低下していることが原因と言われており、皮膚の薄いお腹や脇の下、指の間などを痒がります。
寄生虫
  • ノミ:血を吸うときにノミの唾液がペットの皮膚に入り、それが刺激となって痒みを生じます。
  • 疥癬(カイセン):ヒゼンダニという小さなダニが皮膚の下でトンネルを作って動き回るため激しい痒みを生じます。
  • 毛包虫:ニキビダニ、もしくはアカラスとも言われる目に見えないくらい小さなダニが多数寄生し、皮膚炎をおこすことによって痒みが生じます。
  • 耳ダニ:ミミヒゼンダニと呼ばれる小さなダニが耳の中に寄生し、耳垢などを食べて大繁殖することによって外耳炎となり、耳を痒がるようになります。
感染症
  • 膿皮症:皮膚の表面が細菌感染をおこして化膿しているような状態です。様々な皮膚炎を原因として発症することもあります。
その他
  • 自己免疫性疾患や皮膚がんなどによって痒みが生じることもあります。また、皮膚に病気がなくても強いストレスなどによって体を掻き壊してしまうこともあります。

痒い時にはすぐ病院へ

ペットは痒いのを我慢することが出来ません。痒ければいつまでも掻き続けてしまいます。するとだんだん毛が抜けて皮膚が真っ赤になり、爪で皮膚を傷つけることによって擦り傷になり、出血してしまうこともあります。

傷口が細菌感染を起こすと化膿し、さらに痒みや痛みが増えてしまうことにもなります。ですので、皮膚の痒みが見られるときには、出来るだけ早く動物病院で診察してもらい、原因別の治療をしてもらいましょう。

痒みが出ているときの食餌

もし、痒みの原因が食餌性アレルギーの場合、アレルゲンとなる食材を見つけて、それを含まないフードに変更しましょう。

また、皮膚の健康のためには、ターンオーバーに必要なビタミン(A、B群、ビオチン、など)やミネラル(鉄、銅、亜鉛、など)、炎症を抑える不飽和脂肪酸などを多く含むフードを選ぶと良いでしょう。

まとめ

ペットの皮膚は人以上にデリケートで、たかが皮膚病だと思ってそのままにしていると、あっという間に悪化してとても治りにくいものになってしまいます。体を掻いている仕草はペットからのSOSだと思ってなるべく早く動物病院で診てもらってくださいね。

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