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ペットとの生活

ネコちゃんの基礎知識[猫図鑑]

第5回 ロシアンブルーについて

第5回 ロシアンブルーについて

もともと日本には灰色の毛色の猫はあまりいなかったので、ロシアンブルーを初めてみた人はそのエキゾチックな容姿に目が釘付けになってしまったのではないでしょうか。“ロシア”という響きも何となく謎めいていて興味をそそられますよね。

ロシアンブルーの歴史

 ロシアンブルーはロシア北部のアルハンジェル(Archangel)島にいた灰色の猫が起源と言われ、かつてはアルハンジェルキャットと呼ばれていました。1860年ごろイギリスや北欧に渡り、西ヨーロッパで非常に人気となり、1880年にはイギリスのキャットショーにも出ていました。ベルベットのような美しい青灰色の毛色はロシア皇帝やイギリス王室など貴族の間でも愛され、1912年にロシアンブルーとして品種登録されました。しかし、第二次世界大戦になると個体数が激減し、一時は絶滅しそうになりました。そこで戦後、イギリスやアメリカのブリーダーによってシャムネコやブリティッシュショートヘアなどと交配させ復活、今の姿になったと言われています。

ロシアンブルーの体格と体の特徴

 体高25~27㎝、体重3~5㎏ が標準的な大きさで、5kg以上は肥満とされています。
筋肉質なフォーリンタイプで、しっぽは長く、手足もほっそりとしていますが、分厚い被毛のせいでややガッチリとした印象を与えます。頭は楔形で離れた大きな耳が特徴です。横顔が扁平で鼻筋が通っており、コブラが鎌首をもたげたような形をしていることから”コブラヘッド”と呼ばれることもあります。また、口角がやや上向きで笑っているように見える様子は“ロシアンスマイル”とも言われます。
瞳の色は、生まれたときは淡いブルーですが、成長するにしたがって美しいグリーンになっていきます。

ロシアンブルーの毛色

 寒さから身を守る被毛は非常に密度が濃いダブルコートで、ブルー(灰色)の単色(ソリッド)のみが認められています。毛色は白っぽいグレーから濃いグレーまでありますが、シルバーに近いブルーグレイがスタンダードとされています。
毛の1本1本は非常に細くてなめらかで、毛先に銀色のティッピングがあり、これが光に反射して銀色に光り輝いて見えます。
稀にポインテッドカラーと呼ばれる、鼻先、耳先、足先、しっぽのみが濃い色で体は白っぽい、ちょっとシャムネコのような柄の子が現れることがありますが、これはかつてロシアンブルーが絶滅の危機に陥った時にシャムネコと交配させたときのなごりです。血統書としてはロシアンブルーにはなれませんが、その他健康上は全く問題がないので、個性的な子として大切に育ててほしいと思います。
 密な被毛は保温性が非常に高いため、日本の高温多湿の気候はとても苦手です。室内の温度調整はこまめに行ってください。また、季節の変わり目には大量のアンダーコートが抜け替わるので、短毛種ではありますが、日々のブラッシングは欠かせません。

ロシアンブルーの性格

 ロシアンブルーは別名“ボイスレスキャット”と言われ、あまり鳴くことはありません。基本的に大人しい性格ではありますが、神経が繊細で人見知りのため、見知らぬ人には警戒して慣れるまでやや時間がかかります。しかし一旦信頼関係を築くことができると一転、非常に従順で甘えん坊になるようです。主人として認めた人のことが好きになりすぎて、他の猫と仲良くしていると焼きもちを焼くこともあるようですので、1対1で猫と向き合える人が飼うのに適しているでしょう。
動作は俊敏で運動量も多く、遊ぶことが大好きなので、おもちゃを使ってたくさんスキンシップを取ってあげましょう。

ロシアンブルーの食事

 食に対して神経質な面があり、気に入らないフードは全く食べないこともあるようです。美しい被毛を維持するために高タンパクで嗜好性の良いフードを選んであげましょう。また、運動量が多い割には太りやすいので、食事の量には気をつけましょう。猫用のローカロリーフードなどを使ってもいいかもしれません。

まとめ

ロシア貴族を思わせる優美な姿のロシアンブルーは爆発的な人気こそないものの、猫好きを虜にする魅力にあふれているため、人気ランキングでは常に上位をキープしています。多くの猫好きが一度は飼ってみたい猫のようですね!