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ペットとの生活

ネコちゃんの基礎知識[猫図鑑]

第9回 ソマリについて

第9回 ソマリについて

ソマリは別名を“ロングヘアード・アビシニアン”と言い、アビシニアンの長毛種です。ですので、大きさや性格などはアビシニアンとよく似ていますが、金色に輝くふさふさとした首回りや狐のような太いしっぽがさらにゴージャスな印象を与える、とても魅力的な猫です。

ソマリの歴史

ソマリの元となっているアビシニアンは19世紀中頃にイギリスに連れてこられた猫が由来となり、その後1917年にアメリカで認定され、世界中で繁殖が行われていました。そのような中、時折〝やや毛の長いアビシニアン″が突然変異として生まれてきましたが、アビシニアンの純血種として扱われることはありませんでした。しかし1963年ごろ、カナダのキャットショーで一人のブリーダーが長毛のアビシニアンを出品したところ、その美しさからアビシニアンとは別の品種に固定しようという働きかけがあり、アメリカなどでも長毛の子を選択してブリーディングが行われ、1970年代にはアビシニア(エチオピア)の隣国であるソマリアという国名にちなんで“ソマリ(Somali)”という公認血統種となりました。

ソマリの体格とサイズ

体長は40㎝前後、体重は2.6~4.7㎏でメスのほうがやや小ぶりです。フォーリンタイプの筋肉質でほっそりした体形をしていて、手足やしっぽはすらりと長く、アビシニアンと同じく、つま先立ちで歩く猫“バレエキャット”と呼ばれることもあります。
丸みのある三角形の顔に房飾りのある大きな耳が特徴で、大きなアーモンド形の目尻には“クレオパトラライン”と呼ばれる褐色のアイラインが入ります。

ソマリの毛色

ソマリの被毛はアビシニアンと同じく、“ティッキング”と言って一本の毛が何色もの縞模様で毛先に行くほど濃い色になっていて、全体で見たときに独特で複雑な美しさを持っています。 毛色はレッド、ルディ、ブルー、フォーン、の4種類です。
レッド:ソレルとも言われ、赤系の濃淡が入っている毛色です。
ルディ:オレンジブラウンのベースに黒いティッキングが入ります。
ブルー:子猫のころは薄い灰色ですが、大きくなるにつれて背中からしっぽに濃い青灰色のティッキングが入ります。
フォーン:ごく最近になって認められた毛色で、レッドを薄くしたベージュに茶系のティッキングが入ります。
被毛は長さ3㎝くらいの密な柔らかいダブルコートですが、ほかの長毛種ほどは長くないので、ブラッシングは難しくはありません。ただ抜け毛は多めなので、スキンシップを兼ねて毎日行ってあげましょう。

ソマリの性格

活発で身のこなしが軽く、高いところにジャンプしたり走り回ることが好きなので、キャットタワーは必須です。家具の上には落とされて困るようなものは置かないようにしましょう。
また、甘えん坊で家の人といつも一緒にいたいと思っているので、毎日必ず短時間でも一緒に遊ぶ時間を作ってあげましょう。犬のよう、と称されるほど人懐こい反面、知らない人や新しい環境などのストレスにはやや弱く、神経質な面もあるので、家周囲の騒音や来客などには気を付けてあげたほうがよいでしょう。
猫にしては水を怖がらないので、シャンプーは子猫のころから慣れさせることができますが、逆にトイレや風呂場などに勝手に入り込んで事故になることも多いので、入ってほしくない場所のドアはきちんと閉めておきましょう。

ソマリの食事

運動量が多く、筋肉質の体つきをしているので、良質のたんぱく質がしっかり摂れるご飯を選んでください。美しい被毛を維持するにはオメガ₋3などの不飽和脂肪酸も欠かせません。ただ、食欲旺盛なので欲しがるままに食べさせてしまうと肥満になりやすいので、おやつも含めた一日の摂取量はきちんと守るようにしましょう。

まとめ

家族とコミュニケーションをとることが大好きなソマリは、人の言うことをよく理解して“鈴を鳴らすような”澄んだ声で話しかけてきます。猫のほうから甘えてきて欲しい人で、多くの時間を猫と一緒に過ごすことのできる人にとってはたまらないペットになるでしょう。