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ペットとの生活

ネコちゃんの基礎知識[猫図鑑]

第8回 ペルシャについて

第8回 ペルシャについて

今でこそ多くの猫の品種が知られていますが、ちょっと前まで日本で長毛の猫と言えばペルシャを置いて他にはいませんでした。ゴージャスな毛並みに堂々とした佇まいのペルシャは、まさに”猫の王様”と言われるのにふさわしい風格を備えています。

ペルシャの歴史

猫の中では最古の品種ともいわれており、あまりに古すぎてその起源ははっきりとはしていません。ペルシャ地方(中東)が原産と思われており、イランからイタリアに持ち込まれた猫が元になっているとも、トルコからフランスへ連れてこられた長毛種の猫が祖先であるとも言われていますが、最近の遺伝子解析では実は西ヨーロッパの猫が起源ではないかと言われています。

18世紀にはヨーロッパ各地の上流家庭でのペットになり、1871年にはイギリスのキャットショーにも出るようになりました。その後さらに品種改良が行われ、アメリカに渡った後は世界中で人気の品種となりました。
今では様々な長毛種猫のベースにもなっており、ヒマラヤンはシャムとの交配、ミヌエットはマンチカンとの交配で生まれています。

ペルシャの体格とサイズ

手足は短めで胴体もそれほど長くはない骨太でずんぐりとした中型のコビータイプです。
毛が多いので大きく見えますが、体重は3.0~5.5㎏で標準的な猫のサイズと言えるでしょう。顔は丸く、目は大きく、耳は小さめで少し離れており、鼻は低めで鼻筋がくぼんでいます。一時期、極端に鼻が潰れた“ペキフェイス”と呼ばれる個体が増やされたこともありましたが、涙が鼻に抜けないなどの弊害が生じたため、現在はそこまで潰れた鼻のペルシャは少数になっています。

ペルシャの毛色

非常に密なダブルコートの長毛で、アンダーコートもトップコートも細くて柔らかい毛がびっしりと生えています。抜け毛が非常に多く、毛玉になりやすいので毎日のブラッシングと部屋の掃除は欠かせません。
毛色としては、単色ではホワイト、クリーム、レッド、ブルー、チョコレート、ブラック、ライラックなど各色があり、それらのバイカラー、または三毛のキャリコ、さらにそれぞれの色でタビー(縞模様)やスモーク(やや薄い色)なども認められています。
チンチラ・ペルシャはシルバー、ゴールデン、シェーデットシルバー、シェーデッドゴールデンの4色の毛色がそう呼ばれ、それぞれチンチラ・シルバー、チンチラ・ゴールデンなどと呼ばれています。ペルシャよりも被毛が軽くてアイラインがくっきりとしているのが特徴です。

ペルシャの性格

ペルシャはその見た目から気難しい猫と思われがちですが、家族とは絶妙な距離感で生活してくれるので意外に初めて猫を飼う人にもお勧めです。非常に穏やかで落ち着きがあり、大声で鳴いたり、走り回って高いところに上ったりすることもほとんどありません。人や他の猫に対しても寛容で、子供に触られても平気ですが、抱っこされたり一緒に遊んだりすることはあまり好みません。家族のことは好きですがマイペースな性格で、一人でのんびりと過ごすことを好むため、留守番も問題がありません。
オスのほうがやや活発で甘えん坊の面があり、メスは自立心が旺盛なツンデレタイプの子が多いようです。

ペルシャの食事

あまり活動的ではないので太りやすいのですが、毛がモコモコして体形がよくわからないことが多いので、毎日スキンシップを兼ねて体つきをチェックしながら食事の量とカロリーに気を付けましょう。
美しい被毛を保つためには不飽和脂肪酸が多く含まれたフードがお勧めですが、この細く長い毛は抜けやすく、こまめにブラッシングをしないと毛づくろいのときに飲み込んでしまって毛球症になりやすいので、毛玉を排出しやすい食物繊維の多いフードなどを選ぶとよいでしょう。
あと鼻が潰れている子は顔のしわの間に汚れが溜まりやすいので、食事の後はウェットティッシュなどで口の周りをよく拭いてあげましょう。

まとめ

ペルシャ猫は一言で言ってしまうと「品の良い猫」です。声も小さく、バタバタと走り回ることも少なく、ワガママもあまり言わず、おっとりといつも同じ場所に座っているような、まさに猫らしい猫です。そんな子と毎日を一緒に過ごしていたら、自分もちょっと優雅な気分になれるかもしれませんね。