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ペットとの生活

ワンちゃんの基礎知識[犬図鑑]

第7回 シーズーについて

第7回 シーズーについて

シーズーは日本における2019年の犬種別登録数が第9位ですが、ここ20年以上必ず犬種ランキングトップ10内に入る、不動の人気犬種です。抱っこするのにちょうどいい大きさと柔らかさ、おだやかな物腰、しなやかな毛並が美しくリボンやトリミングで好みの容貌にすることができる、とペットを可愛がりたい人を満足させる要素をすべて兼ね備えているのがその人気の理由です。

シーズーの歴史

シーズーはチベットの僧院で飼われていたラサ・アプソと、中国のペキニーズを交配させて作られた犬種である、と言われています。ラサ・アプソはチベットでは魔除けの犬とされており、友好のしるしとしてたびたび中国に献上されていました。また、ペキニーズももともとチベットのチべタンスパニエルを起源に持ち、中国宮廷内で愛玩犬として品種改良されて作られた犬種です。今でもシーズーとラサ・アプソは非常によく似ていますが、ラサ・アプソの方がマズルが長いのでこれで区別します。
シーズーは漢字で書くと「獅子狗」と書き、獅子(ライオン)の風貌をした犬ということで、宮廷内では守り神として大切に飼われ、特に当時の権力者である西太后が寵愛していたことで有名です。19世紀後半の第二次アヘン戦争で宮廷が崩壊したとき、宮廷内のシーズーは殺戮や略奪されてしまいましたが、それ以前にヨーロッパに渡ったシーズーがイギリスに残っており、繁殖が行われました。その後1940年頃にイギリスで一犬種として登録、1946年にスタンダード犬種として認められるようになりました。 日本にやってきたのは1960年代ですが、そこから徐々に人気が高まり今に至っています。

シーズーのサイズ

体高は23~27センチと小型犬に分類されますが、体重は4.5~8.0㎏ちかくあり、意外に骨太な体型をしています。
中国では「体はクマのようで足はラクダのようである」と称されており、やや太めで長い胴体と短くがっしりとした足が特徴です。 チベット高原という寒冷地出身の犬なので、足先から肉球の間まで密な毛が生えており、それがさらに足を太く見せています。

シーズーの毛色と種類

シーズーはすべての毛色が公認されていますが、ソリッドカラー(ブラックやホワイトなどの単色)は日本ではあまり見ることがありません。 日本で一番よく見られるのはゴールド&ホワイトやブラウン&ホワイトなどのパーティーカラーで、このとき前頭部としっぽの先の毛が白いのが良いとされています。
抜け毛はそれほど多くはありませんが、非常に細くて絡みやすい被毛であることに加え、上毛と下毛のあるダブルコートが伸び続けるので、毎日のブラッシングと定期的なトリミングは欠かせません。

シーズーの特長

おっとりとした性格で無駄吠えも少なく、家族に対して非常に深い愛情を示しますが、その反面、やや頑固なところがあるので、プライドを傷つけないように気をつけながらしつけを行う必要があります。 運動量も多くなく一人遊びもできる性格なので、一人暮らしや高齢の方にもお勧めできる犬種です。
鼻を中心に放射状に毛が生えており、これが“菊の花のよう”だと言われ、魅力の一つとなっていますが、中途半端な長さだと毛先が大きな目に当って角膜を傷つけやすいので注意が必要です。 また、もともと寒冷地出身の犬なので高温多湿の気候は苦手です。鼻が短いので熱中症になりやすいため夏は十分に気をつけてあげましょう。

シーズーの食事

被毛が密で皮膚が蒸れやすく、皮膚炎になりやすいため、皮膚や被毛の健康維持にタンパク質や不飽和脂肪酸が豊富に含まれる食事を選ぶようにしましょう。
また運動量が少ないので太りやすく、毛が多いため肥満に気づきにくいので食事の量やおやつのあげすぎには注意が必要です。 さらに鼻が短いため歯の噛み合わせが悪い(アンダーバイト)子が多く、しっかりとものを咬めないので、固すぎるドライフードや大きすぎるキブルは咬みきれずに丸呑みしてしまう危険があるので気をつけましょう。

まとめ

シーズーの人気はもはや中国や日本だけでなく、現在は台湾やフィリピンなどでも広まっているそうです。このアジア生まれの愛らしい犬は、これからもずっと私たちの心を魅了し続けることでしょう。