第22回 ペットフードに配合される成分について
第21回 ペットのダイエットについて
第20回 ペットの認知症について
第19回 春の予防(犬フィラリア、ノミ、マダニ)について
第18回 フードのトッピングについて
第17回 シニアフードについて
第16回 夏のお散歩の注意点
第15回 フードボウルの選び方
第14回 ペットがいるおうちで気をつけたい観葉植物
第13回 ペットフードの種類について
第12回 被毛について
第11回 ペットのお留守番
第10回 マイクロチップの重要性 Q&A
第9回 おうちでできるグルーミング
第8回 動物病院でのマナーや注意点
第7回 ペットの服について
第6回 ペットと赤ちゃんの生活
第5回 年齢別の食事について
第4回 ペットの食物アレルギーについて
第3回 ペットの防災対策
第2回 ペットとのお出かけ
第1回 ペットを迎える前の準備
食物アレルギーとは、特定の食べ物を食べたときに、痒みや炎症といったアレルギー反応が起きてしまうことです。人では良く聞かれる言葉だと思いますが、人と同じように犬や猫にも見られ、最近ではその症例数も増えています
A. アレルギー反応とは、体の中に入った異物や病原体を排除するための “免疫”という働きが過剰に起きてしまうことで、食物アレルギーはある種の食べ物を
異物として体が反応してしまうために引きおこされます。
通常、食べたものは消化管内で細かく分解されたのちに栄養として吸収されますが、 免疫反応に問題があったり、食べ物を消化・吸収する働きが未熟だと 免疫を担当する細胞が食べ物の成分(主にタンパク質)を
異物(抗原=アレルゲン)として認識、攻撃するためにアレルギー反応が起きてしまうのです。
一度アレルギーの原因になった食べ物は、食べたときだけでなく 触ったり粉末を吸い込んだりしただけでもアレルギー反応が起きてしまいます。
A. 一般的にはアレルゲンを含んだ食べ物を食べた直後、 発赤や痒みなどの皮膚症状が出ます。
特に目や口の周り、おしり、わきの下、指の間などに出やすく、 赤く腫れたり掻き壊して皮膚を傷つけてしまうこともあります。 また、皮膚病の他にも外耳炎や、鼻水が出るなどの呼吸器症状、
下痢や嘔吐などの消化器症状が見られることもあります。
もし、原因不明の軟便が慢性的に見られるときには皮膚の症状がなくても食物アレルギーを疑ってみましょう。
A. どの食べ物がアレルギーの原因になっているかどうかは血液検査をするとわかります。
血液検査には大きく2種類あり、一つは“IgE”と呼ばれる抗体(アレルゲンと特異的にくっつく体内の物質)を測定する検査、もう一つは“リンパ球”という免疫に関与する細胞を測定する検査です。
両方を調べることで原因となる食べ物を特定することができますが、原因となる食べ物は1つだけなく、同時に何種類もの食べ物に対してアレルギーを持っていることもあります。
ほかに“除去食”と呼ばれる、これまで食べたことのない原料で出来たフードを食べさせる方法もあります。
通常、食べたことがないものに対してはアレルギー反応が出ないため、除去食でアレルギーが出ないことを確認したのち、一食材ずつ追加してアレルギー反応が出るかどうか調べてみるのです。
A. 食物アレルギーは特定のタンパク質に反応しておこります。
ですから、食物アレルギーの原因となる原料を特定し、 それを含まないフードを選ぶことが大切です。
一般的なペットフードは鶏肉、牛肉、ラム肉、マグロやカツオなどの
動物性タンパク質が主原料となっているため、これらをチェックするのはもちろんですが、そのほかにも、乳や卵などの副原料、大豆、トウモロコシ、小麦などの穀物、 リンゴ、ニンジン、ピーナッツなどの果物や野菜なども
アレルギーの原因となることがあるため、フードのパッケージに記載されている原料名をよく見てアレルゲンを含まないフードを選ぶようにしましょう。
また、食物アレルギーは未消化な食べ物によって発症することがあり、
分子量が細かくなるまで消化された物質はアレルギーに関する免疫細胞に認識されにくくなるので、なるべく良質の原料を使った消化の良いものを選ぶことも大切です。
アトピー性皮膚炎など慢性的な皮膚の疾患の背後には食物アレルギーが潜んでいることがあります。 アレルギーはなってしまったものを治すよりも、ならないように気をつけることが重要です。最近は食物アレルギーに対応したフードもたくさんありますので、原材料をよく読んでおうちの子に合ったフードを選ぶようにしましょう。