第22回 ペットフードに配合される成分について
第21回 ペットのダイエットについて
第20回 ペットの認知症について
第19回 春の予防(犬フィラリア、ノミ、マダニ)について
第18回 フードのトッピングについて
第17回 シニアフードについて
第16回 夏のお散歩の注意点
第15回 フードボウルの選び方
第14回 ペットがいるおうちで気をつけたい観葉植物
第13回 ペットフードの種類について
第12回 被毛について
第11回 ペットのお留守番
第10回 マイクロチップの重要性 Q&A
第9回 おうちでできるグルーミング
第8回 動物病院でのマナーや注意点
第7回 ペットの服について
第6回 ペットと赤ちゃんの生活
第5回 年齢別の食事について
第4回 ペットの食物アレルギーについて
第3回 ペットの防災対策
第2回 ペットとのお出かけ
第1回 ペットを迎える前の準備
観葉植物はインテリアとしてだけでなく、癒しや空気清浄効果があることから、おうち時間が増えたこともあって人気が高まっています。しかし、その植物が時としてペットにとっては危険なものになることをご存知でしょうか? 観葉植物の中には食べたり、茎から出る汁に触れることで害となるものが実は多くあるのです。
A.代表的な観葉植物であるポトス、モンステラ、スパティフィラム、アンスリウム、カラジウムなどはすべてサトイモ科の植物であり、これらの葉や根にはシュウ酸カルシウムの結晶が含まれています。シュウ酸カルシウムの結晶は尖っているため、もしペットが齧ったり汁を皮膚につけたりすると皮膚や粘膜を刺激して口内炎や皮膚炎を引き起こします。
また、アロエやアイビー、ドラセナにはサポニンという下痢や嘔吐を引き起こす物質が含まれています。アデニウムには呼吸麻痺を引き起こすアルカロイド化合物が、カランコエには心臓麻痺を引き起こすブファジエノリドという物質が、ポインセチアにも下痢嘔吐を引き起こすホルボールエステル類といった有毒物質が含まれており、観葉植物の多くはペットがいる家庭ではお勧めできません。
A.観葉植物以外にも口にすると毒となる植物は身近にたくさんあります。
鉢植えではグラジオラスやクロッカスなどのアヤメ科の植物はイリジンやテクトリジンという有害物質を含んでおり、食べると胃腸炎などを起こすことが知られています。また、クリスマスローズも食べてしまうと嘔吐や下痢、血圧低下などをおこすことが知られています。ヒガンバナ科のアマリリスやスイセンはリコリンという強い毒を持っており、大量に摂取すると死亡することもあります。
さらに、切り花として売られている植物にも危険なものがたくさんあります。
ユリ科のスズランやチューリップ、キキョウやアジサイ、フリージアなどきれいな花も食べると毒となる植物ですので、ペットのいる家庭ではなるべく飾らないようにしましょう。
A.観葉植物の中にもペットが多少齧っても有毒物質を含まず、比較的問題がないものがあります。
アオイ科のパキラ、コショウ科のペペロミア、クワ科のベンジャミンやガジュマル、モクセイ科のオリーブ、イノモトソウ科のアジアンタム、キク科のカモミール、シソ科のキャットニップ、ヤシ科のテーブルヤシ、リュウゼツラン科のサンスベリアやユッカ などです。
A.ペットが食べ物でもない観葉植物を齧る理由はいくつかあり、それらを解決することで興味を示さなくなることがあります。
【土を触れないようにする】
犬や猫は観葉植物本体ではなく、植えてある土に興味をそそられて近づき、目の前にある葉を齧ってしまうことがあります。そのようなときには土の上に板のようなものをかぶせて蓋をしてしまいましょう。
【代わりに齧ることのできる植物(猫草)を用意する】
肉食獣である犬や猫が植物を食べたがるのは毛玉を吐きたいときや、ミネラルが不足しているときなどがあります。そのようなときには猫草と呼ばれる麦の若芽などの安全な植物を用意しておいてそれを自由に齧ることが出来るようにするといいかもしれません。
【葉が揺れないようにする】
外からの風やエアコンの空調で観葉植物の葉が揺れると、特に猫は狩猟本能が刺激されて飛びついて齧ってしまうことがあります。ですので、植物の鉢を空気が動かない場所に移動させるだけで齧らなくなることがあります。
それでも危険なときにはペットが入らない部屋に移動させるか、ハンギングバスケットに吊るすなどして、ペットが届かないようにしましょう。
ペット、特に猫は植物に含まれる成分を体内で分解する能力が低く、食べると中毒を起こす植物が数百種類もあると言われています。食べたものの種類と量によっては命にかかわることもあるので、もし飾っている植物を齧ってペットの状態が急変したときは、すぐに動物病院に連絡をして齧った植物の名前を告げ、なるべく早く連れていくようにしましょう。