TOP

ペットとの生活

ペットの飼い方 Q&A

第6回 ペットと赤ちゃんの生活

第6回 ペットと赤ちゃんの生活

ペットがいる家庭で赤ちゃんを迎えるとなると、様々な不安がわいてくると思います。ペットにとっても赤ちゃんにとっても安心安全な生活を作るにはまず、正しい知識を学ぶことが大切です。

Q.ペットと赤ちゃんが一緒に暮らすことでどんなメリットがありますか?

A. ペットという人以外の生き物と共に暮らし、成長していくことは赤ちゃんにとって精神面での大きなメリットがあります。人以外の感情のある生き物に触れ合い、心を通わすことによって相手を思いやり命を大切にする感情が芽生えていくことでしょう。
また、ペットにとっても家庭内に赤ちゃんという守るべき存在がいることで“愛情ホルモン”と呼ばれる“オキシトシン”というホルモンの分泌が促進されることがわかっています。

Q.赤ちゃんを迎える前にペットに求められることは何ですか?

A.まず衛生面の問題から、ペットがあちこちで粗相をしないように、人にむやみに飛びついたり舐めたりしないように、日頃から気をつけておきましょう。
また、赤ちゃんのお世話で手いっぱいのときにペットに気を使っている暇はありません。何かあるときにペットが大人しく待てるようにクレートトレーニングができるようになっているとよいでしょう。 さらに、赤ちゃんが家庭に入ってきたときに自分が赤ちゃんよりも地位が高いと勘違いして赤ちゃんを攻撃しないように、家庭内での順位づけはあらかじめきちんとしつけておきましょう。

Q.ペットから赤ちゃんに病気がうつるのではないかと心配なのですが。

A. 確かに「人畜共通感染症」といって、ペットから人へうつる病気も存在します。しかし、ペットの飼育環境と家族の体を清潔に保ち、ベビーベッドなどを使って赤ちゃんとペットの生活圏を仕切るようにすれば必要以上に怖がることはありません。
ペットの予防接種やノミダニの駆虫などは定期的に行いましょう。またペットのトイレやベッド、食器はこまめに掃除し、カーペットやフローリングは拭き掃除をして抜け毛や汚れが舞い上がらないようにしましょう。ソファやカーテンなどのファブリックや洋服にも抜け毛がつきやすいので、粘着テープなどを使ってこまめに取り除きましょう。 ペットから人にうつる病気として「トキソプラズマ感染症」という病気を聞いたことがあるかも知れませんが、これは猫の糞に入っている病原体(原虫)が原因で、妊婦さんに感染した場合胎児に影響を与える恐れがあります。ペットの糞は絶対に素手で触らず、トイレの掃除などをした後は必ず手をよく洗うようにしましょう。

Q.ペットのアレルギーが心配です。

A. 最近の研究では、小さいころからペットを飼っているとアレルギーに強くなる、と言われていますが、やはり赤ちゃんがアレルギー体質だったらどうしよう、と気になると思います。アレルギーはペットの毛やフケが空気中に舞い、それを吸入することでおこります。症状としては咳やくしゃみ、目の充血や痒み、発疹などです。ペットを定期的にシャンプーすることで抜け毛やフケを取り除き、空気清浄器などを活用してなるべくアレルゲンが飛び散らないように気をつけることでアレルギーが発症しにくくなりますが、赤ちゃんがアレルギー体質かどうかわからないうちは、生活環境をわけておくこと(例:ベビーベッドが置いてある部屋にはペットを入れない、など)も必要かもしれません。

Q.ペットが赤ちゃんに焼きもちを焼かないか心配です。

A. 当然、人の意識はペットよりも赤ちゃんに向きがちになるので、ペットが赤ちゃんに焼きもちを焼くことはあります。自分の家庭内での地位と家族からの愛情を赤ちゃんとペットが取り合うようになってしまうと、ペットにストレスが溜まり、今までしなかったマーキングや無駄吠えなどの問題行動をおこすようになります。
ですから赤ちゃんがいてもペットにはなるべく今までと同じように接し、時間があるときにできるだけ愛情を伝えるようにすることが大切です。

まとめ

家庭でペットを飼っていると「赤ちゃんが出来たらペットは手放さないといけないのかしら?」と思うこともあるかもしれません。確かに、ペットと赤ちゃんの両方をお世話するとなれば、それにかかる時間や精神的負担も今までの2倍以上になるでしょう。しかし、ポイントを押さえて双方の健康を保てる環境を整えれば、ペットは育児のストレスを癒してくれる大切なパートナーであることに気が付くはずです。また赤ちゃんがもう少し大きくなってペットと一緒に過ごす時間が増えてくれば、ペットと赤ちゃんが兄弟のように気持ちを通い合わせるようにもなってきます。
赤ちゃんとペットの生活が素晴らしいものになるように、家族みんなで取り組んでみてくださいね。