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ペットとの生活

ペットの飼い方 Q&A

第21回 ペットのダイエットについて

第21回 ペットのダイエットについて

ペットはちょっとふっくらしているくらいのほうが可愛く見え、またペットがご飯をおねだりする姿はとてもいとおしく見えるため、ついつい多めに与えてしまい、その結果として肥満ペットを作り出してしまうことがあります。しかし、どんなに可愛く見えても肥満が健康に良くないことは事実で、本当にペットのことを思ったら、太りすぎは何とかして解消しなければなりません。ペットは自分からは決して痩せようとは思わないので、私たち飼い主が正しいダイエットを行わなければいけません。

Q.うちの子にダイエットが必要かどうか、どのくらい痩せさせれば良いかはどうやってわかりますか?

A. まずは適正体重を知ることから始めましょう。
ワンちゃんは犬種によって大きさも骨格も様々なので、数字で適正体重〇〇㎏、と言うことはできません。代わりに見た目と触った時の肉付きで肥満度を評価する“ボディコンディションスコア(BCS)”というものがあります。
理想はBCSの5段階評価の3で、胸を触った時に肋骨をうっすらと触ることが出来て、横から見たときにお腹がやや上がっている体形です。もしもそれがBCS4(肋骨がぎりぎり触れるくらい)の犬のなら現在の体重の10~15%減、BCS5(肋骨は触れず、お腹が垂れ下がっている)の犬なら20~30%減を目指すようにしましょう。

Q.運動で痩せさせることはできないでしょうか?

A. もし、運動のみで体重を減らそうとすると、毎日1~2時間速足程度の散歩をさせなければならなくなりますが、それでは散歩をさせる人が大変です。また、肥満のペットは呼吸器や心臓、関節に問題を抱えている場合が多く、そのときには運動によって却って健康を損ねてしまう可能性もあります。運動だけでペットを痩せさせることはできないと思ってください。
しかし、適度な運動はダイエットの補助となりますので、15~30分程度のお散歩を毎日行うことを習慣とするようにしましょう。

Q.ダイエット計画の立て方を教えてください

A. まず、肥満の原因をはっきりとさせるために動物病院で健康チェックを受けましょう。副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、などの疾患で太っていることもあるので、そういった病気ではないことと、肥満に伴う疾患(糖尿病や高脂血症など)がないかどうかを確認しましょう。
ダイエットの方法は食事療法が基本になります。BCSで適正体重を導き出したら、その体重に対する食事量を決めます。フードパッケージの裏側には体重に合わせた一日量が記載されていますが、これはあくまでも適正体重の量です。今の体重と間違えないようにしましょう。一日量を決めたらその中でおやつも与えるようにし、もしフード以外のおやつを与えた場合はその分をフードから引くようにしましょう。

早く痩せさせたいからといきなり過度の食事制限はかえって筋肉量が減少し、代謝が低下してしまうので良くありません。まずは最初の1週間で体重の1%減を目標に頑張りましょう。長期目標では半年で10%減量を目安とし、2週間おきくらいの頻度で体重測定して、食事量を調整しましょう。
見た目ではすぐに成果がわからないと思いますので、グラフを作って、評価が一目でわかるようにするとモチベーションを維持することが出来ます。

Q.ダイエットのためにフードの量を減らしたら、すぐに食べ終わって次を欲しがり大騒ぎします。要求に負けてしまいそうです。

A. 食欲が旺盛な場合は、一回量を減らして食事の回数を増やしてみましょう。また、ダイエット用のフードや肥満用の療法食は通常のフードよりもグラム当たりのカロリーが低いので、一日量を減らすことなく与えることができ、空腹感によるストレスを緩和することができます。
さらに早食いの場合は、食事に時間がかかるように、わざと食べにくい食器(中央が凸状や凹凸になっているもの)を使ったり、一粒ずつフードが出てくるようなおもちゃを使っておやつを与えたりするのも良い方法です。

まとめ

可愛いペットに食べ物をあげて喜んでもらいたくなる気持ちはわかりますが、ペットのためを思ったらやはり太らせてしまうのはいけないことです。いつまでも健康でいてもらうためには、一日に食べさせる量を守り、正しい食事管理を心がけましょう。