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ペットとの生活

ペットの飼い方 Q&A

第16回 夏のお散歩の注意点

第16回 夏のお散歩の注意点

体温調節が苦手なワンちゃんはもともと暑さに弱い動物です。全身に汗をかくことが出来ないので、特に日本のような高温多湿の気候では熱を体に溜め込みやすく、暑い日にお散歩をするときにはよくよく気をつけないと、出先で体調を崩してしまうことになります。

Q.夏のお散歩で一番気をつけなければいけないことは何ですか?

A.とにかく、“暑い時間帯には外出しない”ということです。

暑い日の地面(特に舗装された道)は日が当たるとみるみる温度が上昇します。日中のアスファルトなどは60度を超えることもあり、そのような場所を歩かせると肉球をやけどする危険があります。
また、熱せられた地面から反射した熱気は低い位置にいるワンちゃんを直撃して、“熱中症”をひき起します。熱中症は全身の体温が上がりすぎることによる体の不調で、すぐに対処しないと命の危険も伴います。もし次のような症状が見られたら熱中症が疑われます。お散歩中であっても、すぐに動物病院に連れていきましょう。

・パンティング(舌を出してハアハアと激しく呼吸する)
・チアノーゼ(舌の色が紫色になっている)
・歩行困難(意識がもうろうとして足元がふらつく、座り込んで歩かなくなる)
・体温上昇(体を触ると明らかに熱い。体温が40度以上になることも)


以上のことを考慮すると、夏のお散歩は涼しい早朝(5時くらい)、もしくは地面が十分に冷めた夜に行くことが勧められます。

Q.夏のお散歩コースはどのような場所がお勧めですか?

A.上記のように夏の地面は非常に高温になるため、日の良く当たるアスファルトやコンクリートの道、砂場などはなるべく避けましょう。同じようにマンホールや側溝の蓋などの金属も熱くなっていて、触れたとたんにやけどする危険があるので要注意です。
夏にお散歩をするなら、木立や建物の日陰で休憩出来るところがあちこちにある、湿った土のところで、風通しがよい場所(樹木の多い公園など)を選ぶようにしましょう。
海辺や河原は風通しがよく水遊びも出来るから良いのでは?と思うかもしれませんが、日陰が少なく湿度が高いので熱中症になりやすく、あまりお勧めはできません。

Q.特に夏は注意が必要、という犬種がいるのですか?

A.パグやフレンチブルドッグ、シーズーなどの短頭種と言われる鼻の潰れた犬種は呼吸がしづらく、口から熱を逃がすことが不得手なので熱中症になりやすいと言われています。
また、ハスキーやサモエド、ポメラニアンなど北方出身の犬種は被毛が密で夏でも下毛が多く、体に熱を溜めやすいので暑さはとても苦手です。
体に熱を溜めやすいという点では、犬種を問わず真っ黒い犬や肥満した犬も同様で、夏は体調を崩しがちです。
かといって、暑そうだからと全身をツルツルにバリカンをかけてしまう人もいますが、ワンちゃんの皮膚は人以上にデリケートです。地肌をむき出しにしてしまうと直射日光が皮膚を傷つけ、日光性皮膚炎を起こしてしまうこともあるため、お勧めできません。

Q.夏のお散歩で便利なグッズがあれば教えてください

A.
・携帯用の水:ワンちゃんがいつでも飲めるように、水の入ったボトルと携帯用の容器は必須です。最近はペットボトルのキャップにワンちゃん用のコップをくっつけられるグッズもあります。

・クールウェア:濡らして着せると涼しく感じるTシャツや、遮熱効果や紫外線カットをする服などはいくぶん体を涼しく保ってくれるでしょう。また、小さな保冷剤を入れることが出来るポケット付きのハーネスやバンダナなども熱中症予防には有効です。

・夜のお散歩を安全にするグッズ:地面の熱が十分に冷める時間はかなり暗くなっていると思います。夜間の交通事故を予防するために、リードやハーネスに反射板を着けたり、首輪に点灯するアクセサリーを付けるなどして、車からワンちゃんの存在を見えやすくしましょう。

・虫よけ:夏は暑いだけでなく虫も多い季節です。ペット用虫よけスプレーだけでフィラリアを予防することはできませんが、携帯しておけば草藪の多い公園などでも不愉快な思いをしなくて済みます。

まとめ

最近の夏は酷暑と呼ばれるような暑さなので、あまりに暑い日は無理にお散歩に行かなくてもいいと思いますが、どうしてもお出かけをするときにはワンちゃんだけでなく、人も十分気を付けてください。首に保冷剤を巻いたり、携帯扇風機や凍らせたペットボトルなども持っていけば、いざというときにワンちゃんにも使えますよ。