第22回 ペットフードに配合される成分について
第21回 ペットのダイエットについて
第20回 ペットの認知症について
第19回 春の予防(犬フィラリア、ノミ、マダニ)について
第18回 フードのトッピングについて
第17回 シニアフードについて
第16回 夏のお散歩の注意点
第15回 フードボウルの選び方
第14回 ペットがいるおうちで気をつけたい観葉植物
第13回 ペットフードの種類について
第12回 被毛について
第11回 ペットのお留守番
第10回 マイクロチップの重要性 Q&A
第9回 おうちでできるグルーミング
第8回 動物病院でのマナーや注意点
第7回 ペットの服について
第6回 ペットと赤ちゃんの生活
第5回 年齢別の食事について
第4回 ペットの食物アレルギーについて
第3回 ペットの防災対策
第2回 ペットとのお出かけ
第1回 ペットを迎える前の準備
ペットフードのパッケージには、よく“〇〇配合!” と書かれていて、この〇〇の部分に惹かれて購入を決める方も多いと思います。それぞれの目的に応じて様々な“〇〇”がありますが、今回はこのちょっと特別な成分について詳しく説明をしたいと思います。
A. DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸と言い、どちらもオメガ3不飽和脂肪酸と呼ばれる油の一種です。この油は必須脂肪酸と言って、ペットや人の体内では作ることが出来ず、外から食べ物で取り入れる必要があり、イワシやマグロなどの魚の油に多く含まれています。体内では、DHAは脳や目を構成する要素であり、EPAは血液をサラサラにしたり炎症を抑える効果があります。脳細胞を活性化したり、皮膚を健康に保つ作用があることから、シニアの認知症や皮膚炎を予防する効果を期待して、シニア用フードに多く配合されています。
A. ご存知の通り、乳酸菌は腸内の善玉菌の代表的なもので、オリゴ糖はその善玉菌のエサになるものです。乳酸菌は生きた菌でも死んでいる菌でも、摂取することでお腹の調子を整える作用がありますが、最近の研究では、善玉菌を増やして腸内細菌叢を整えると全身の臓器にも良い影響を及ぼすことがわかってきました。腸管は実は全身の免疫に関する重要な臓器で、腸内細菌叢を整えると免疫力が上がってアトピー症状が減ったり、ストレスに強いからだになったり、悪玉菌が産生する毒素が減って腎臓の機能を整える、などの働きがみつかっています。
ですから、乳酸菌やオリゴ糖はお腹を壊したとき以外にも積極的に食べさせたい栄養成分です。
A. 関節は骨同士が接する部分が軟骨で覆われていて、その周囲を関節包と呼ばれる膜が包んでおり、関節包の内側には関節液という潤滑液で満たされている、という構造になっています。軟骨は水分を含んだ弾力性のある組織で70%が水分、残りはグルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸、コラーゲンなどでできています。
加齢や事故などで関節が変形すると、動くたびに関節包内の軟骨同士がぶつかるようになり、それを繰り返すことでだんだん軟骨が擦り減って痛みが出るようになってしまいます。そこでグルコサミンやコンドロイチンなどの軟骨を構成する成分を補給して、関節の動きをスムーズに保てるようにするのです。
A. ラクトフェリンは母乳、特に初乳に多く含まれるたんぱく質の一種です。外部から進入する細菌やウイルスからの攻撃を防ぐ防御因子のひとつと考えられており、生まれたばかりの赤ちゃんを感染から守っているのがラクトフェリンなのです。
ラクトフェリンは鉄と結びやすい性質があり、この性質が有害な微生物の生育を抑制する働きになっています。
ラクトフェリンは他にも、摂取することで体内の免疫物質を増やしたり、貧血を予防したり、病気を引き起こすウイルスや菌が腸の細胞に付着することを防ぐ効果などがあることがわかっています。
A. 確かに、犬や猫のような肉食獣は食物繊維を消化することが苦手で、食物繊維は体を作る栄養にはなりません。しかし最近になって、適度な食物繊維はペットの消化管の健康にもよいことがわかってきました。
食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、ペクチンやアルギン酸などの水溶性食物繊維は腸内細菌によって短鎖脂肪酸に分解され、腸内環境を整える働きがあります。また、セルロースなどの不溶性食物繊維は食事のかさを増すことができるので、ダイエットや便通の改善のときなどに有用になります。
今はさまざまな栄養成分を強化しているフードがありますが、なんでもかんでも単に多く摂ればいいというものでもありません。うちの子には今何がどのくらい必要なのかよく考えて、配合されているものをよく見て、最適なフードを選んであげましょう。