第22回 ペットフードに配合される成分について
第21回 ペットのダイエットについて
第20回 ペットの認知症について
第19回 春の予防(犬フィラリア、ノミ、マダニ)について
第18回 フードのトッピングについて
第17回 シニアフードについて
第16回 夏のお散歩の注意点
第15回 フードボウルの選び方
第14回 ペットがいるおうちで気をつけたい観葉植物
第13回 ペットフードの種類について
第12回 被毛について
第11回 ペットのお留守番
第10回 マイクロチップの重要性 Q&A
第9回 おうちでできるグルーミング
第8回 動物病院でのマナーや注意点
第7回 ペットの服について
第6回 ペットと赤ちゃんの生活
第5回 年齢別の食事について
第4回 ペットの食物アレルギーについて
第3回 ペットの防災対策
第2回 ペットとのお出かけ
第1回 ペットを迎える前の準備
総合栄養食のペットフードにはそれぞれ対応するライフステージが記載されていますが、その中に「高齢期用」「シニア」「エイジングケア」などと書かれているものがあります。これらの高齢ペット用フード(シニアフード)にはどのような特徴があり、与えるときにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。
A.シニアとは加齢による体の変化が現れはじめる年齢を指しますが、具体的には内臓機能が徐々に衰えだす、運動機能が少しずつ低下してくる、以前よりも動きが鈍くなってくる、などの変化が見られるようになってくる年齢のことをいいます。ワンちゃんの加齢速度は体の大きさ(品種)によって異なり、一般的に体の小さい品種の方がシニアになる年齢が遅い傾向があります。個体差もありますが、小型犬のシニアがだいたい6~7歳くらいからであるのに対して、大型犬のシニアは5~6歳くらいからと言われています。
ですから、ワンちゃんがだいたいそのくらいの年齢になって、今までとは違う体の変化が見られるようになったらシニアフードに変えるとよいでしょう。ただ、変えるときはいきなり全量をシニアフードにするのではなく、今までのフードを少しずつシニアフードに変え、様子を見ながらその割合を徐々に増やしていきましょう。
A.シニアになると今までよりも運動量や基礎代謝量が減ってカロリー消費が少なくなるほか、消化機能などの内臓の動きも低下してくるので、多くのシニアフードは成犬用フードよりも低脂肪で高タンパク、高消化率のものになっています。
また、シニアフードの中には心臓や腎臓、消化器、関節などの加齢による変化を考慮した栄養内容になっているものも多くあります。たとえば、高齢になるとお腹を壊しやすくなるのでプロバイオティクスと呼ばれる腸内細菌に有用な物質(乳酸菌、オリゴ糖など)を添加したり、関節の健康に配慮して軟骨成分(グルコサミン、コンドロイチンなど)が配合されているもの、認知症に対応してオメガ3脂肪酸が配合されているものなどがあります。
A.高齢になると一回に食べる量と食べる速度が遅くなります。一回量が減った分、一日の食事の回数を増やすようにして、さらに食餌の時間を長めにとり、ゆっくり時間をかけて食べられるようにしてあげましょう。
また、食べ物を口に入れるとボロボロとこぼしてしまったり、よだれが出ているのにフードを食べないようなら口の中が痛くて食べられないのかもしれません。高齢のペットは口内炎になりやすいので、これらの症状が見られるようなら、フードを柔らかいものにして口の中に当たらないようにするとよいでしょう。そしてなるべく早く動物病院で治療をしてもらいましょう。
もし病気でもないのにフードに興味を示さなくなっているようなら、目や鼻が利かなくなってフードが判らなくなってしまっている可能性もあります。そのようなときには、ウェットタイプのフードを少し温めて良い匂いを出し、声をかけながら口元に持って行ってあげましょう。
A.もし自分で食器からご飯を食べることが出来る場合は、楽な姿勢でも食べられるように食器を少し高い場所に置いて、舌で舐めとることが出来るように少し柔らかくした、もしくはウェットタイプのシニアフードを用意してあげましょう。
自力で食べることが出来ない場合は、シリンジやスプーンで流動食を口に入れてあげることが必要になりますが、流動食は水分が多く一回にたくさんの栄養を摂ることが出来ないので、便の状態を確認しながら、消化の良いカロリー高めのものを一日に4~6回くらいに分けて与えるようにしましょう。
ペットも高齢化して、最近はシニアフードのさらに上の10歳以上用、15歳以上用のスーパーシニアフードと呼ばれるものも出てきました。どれが自分の子に合ったフードなのかは、形状(特に柔らかさ)と栄養成分(必要な有効成分は何なのか)をよく確かめて選ぶようにしてください。