第23回 ペットに与えてはいけない人の食べ物
第22回 白内障について
第21回 夏の食中毒について
第20回 腎臓病について
第19回 “パテラ”ってなに? ~膝蓋骨脱臼について~
第18回 うちの子“でべそ”なんだけど…~臍ヘルニア、鼠径ヘルニアについて~
第17回 トゲを踏んでしまったときの対処法
第16回 ペット用救急箱を作ろう
第15回 シニア犬のケア
第14回 皮膚を痒がっているときの対応
第13回 トイレの状態をチェックしよう! ペットのおしっことうんちについて
第12回 おうちでのお薬の与え方
第11回 爪の切り方と深爪をしたときの対処法
第10回 ペットが溺れたときの対処法
第9回 どうして食べてくれないの? 食欲のない猫について
第8回 冬場に多い、ペットのやけど
第7回 垂れ耳の子は特に要注意!ワンちゃんの外耳炎について
第6回 歯みがきの重要性
第5回 心臓マッサージを知っておこう
第4回 電気コードをかじって失神! ペットの感電事故について
第3回 夏に気をつけたい ペットの熱中症について
第2回 何度も戻しちゃうんだけど、どうしよう?ペットの嘔吐について
第1回 何か変なもの食べちゃったかも! 愛犬の誤飲・誤食について
いざというときに慌てずに応急手当てが出来るように、必要なものがまとめてあるのが救急箱ですが、ペット用のものは準備していますか? 動物専用の救急用品というものはあまりありませんが、衛生面からも人のものと兼用することはお勧めできません。普段からペット専用の救急箱をきちんと分けて作っておきましょう。
【保定用具】
● 軍手もしくは皮手袋
怪我をして痛みから興奮しているペットは、飼い主であっても攻撃してくることがあります。
● 清潔なバスタオルもしくはハンドタオル
ペットをくるむことが出来るサイズのものを用意しましょう。暴れるペットを抑えたり、動物病院に運ぶときの担架代わりや、体を拭いたり、保温や止血などにも使うことが出来ます。
● 洗濯ネット
猫の場合、痛みから興奮して暴れて手が付けられないことがあります。処置を行う前にまず洗濯ネットに入れて落ち着かせましょう。動物病院へはネットに入れたままバスケットに入れて連れて行ったほうが、治療がスムーズになります。
● 使い捨てのビニール(ゴム)手袋
人への二次感染を防ぎます。
【衛生用品】
● ハサミ
怪我をしたり汚れた場所の毛を切ったり、包帯やガーゼを切ったりするときに使います。
● ピンセットもしくは毛抜き
トゲを抜いたり、傷の中のゴミを取り除いたりするのに使います。
マダニなどの寄生虫をつまむことも出来ますが、吸血しているマダニは頭が皮膚に食い込んでいて無理に引っ張ると体がちぎれてしまうこともあるため、慣れない人は行わないようにしましょう。
● 綿棒
顔のしわの間や耳介の汚れを取り除いたり、細かい場所に薬を塗ったりするときに使います。
● 滅菌ガーゼもしくは脱脂綿
止血のために傷口を押さえたり、傷口を仮に覆うために使います。
● 包帯
止血のガーゼを留めたり、傷口を覆うために使います。粘着タイプの伸縮包帯はテープを使わずに止めることが出来るので便利ですが、通常の包帯があれば止血バンドや口輪代わりに使うことも出来ます。
● サージカルテープ
包帯やガーゼを留めるのに使います。
● スポイトもしくはシリンジ
傷口や目を洗うとき、薬を飲ませるときにあると便利です。
● 体温計
ペット用の体温計があり、ペットの体温は肛門で測ります。人が使うものとは区別しておきましょう。
● 精製水もしくは生理食塩水
傷口を洗うときに使います。先端が細くなっているノズル付きの容器に入れておけば、水圧で汚れを洗い流すことが出来るのでお勧めです。
● 爪切り
普段使い慣れているものを常備しておきましょう。
【その他】
● 小型の懐中電灯
口や耳の中を覗いたり、目の瞳孔を確認したりするときに使います。
● 冷却パックおよび使い捨てカイロ
やけどや打撲などのときに冷却パックがあれば患部を素早く冷やすことが出来ます。また、カイロは低体温症のときやショックで手足が冷たくなっているときに使います。
● ビニール袋
氷水を入れて氷嚢にしたり、汚物を入れたりと何かと便利です。
● 書類・証明書のコピー
マイクロチップの番号、ワクチンの証明書、持病の説明や普段飲んでいる薬の説明書などのコピーがあれば、動物病院に連れて行ったときにスムーズです。
人の救急箱では、そのほかに消毒薬や外用軟膏、風邪薬などを入れておくと思いますが、ペットは外用薬を舐めてしまうので基本的に使うことが出来ず、また普段持病で処方されている薬以外のもの(特に人用の市販薬)は却ってペットに良くないことが多いので、使用しないようにしましょう。
作った救急箱は、いざというときにすぐに使えるように普段から手の届く場所に置いておきましょう。 また、これとは別に小さな傷手当て用の簡易版も作っておいて、お散歩バッグや、災害用持ち出し袋の中に入れておくとさらによいでしょう。 おうちでの手当てはあくまでも応急処置です。そのあとは必ず動物病院に連れていき、きちんと診察してもらうようにしてください。